2025.06.25
感染症トレンド

溶連菌感染症に注意を。百日咳、伝染性紅斑も流行中

6月第2週(6月9日〜6月15日)の感染症動向
・百日咳の患者数は累計3万人を突破
・伝染性紅斑(りんご病)が23の都道府県で警報レベル
・溶連菌感染症の患者数が増加中


国立健康危機管理研究機構が毎週発行している感染症週報を元に、みてねコールドクターでは2週間に一度、全国の感染症の最新情報をお届けします。
  
  
◆全国の各感染症の状況
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2025年6月第2週(6月9日〜6月15日)の最新データでは、伝染性紅斑(りんご病)や溶連菌感染症、ヘルパンギーナ、水痘などの患者数が増加傾向でした。
  
  
♦️百日咳の患者数が累計3万人を突破
  
百日咳の患者数は1週間で2,970人を記録し、2025年の累計患者数が31,966人となりました。
感染性胃腸炎など他の感染症と比較すると患者数は多くありませんが、患者数が増え続けている状況のため注意が必要です。
  
百日咳は、その名前の通り咳が数週間から数か月続くのが特徴です。四種・五種混合ワクチン(DPT-IPV・DPT-IPV-Hib)で予防可能な病気ですが、抗体の持続期間は4〜12年とされており、成長とともに抗体価が下がると、再び感染・発症することがあります。感染予防策としては、マスクの着用、手洗い・うがいの徹底が有効です。
  
【関連記事】
   
【小児科医が解説】最近増えている「百日咳」とは?
https://calldoctor.jp/news/article/1333/
  
  
♦️伝染性紅斑が引き続き流行中。23の都道府県で警報レベル超え
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伝染性紅斑(りんご病)が流行中です。定点あたり報告数は1医療機関当たり2.03人と、前々週からは減少したものの、警報レベル「2」を超える水準となっています。
  
全国のうち23の都道府県では警報レベル「2」を上回っており、厚生労働省からも伝染性紅斑に関する注意喚起が発表されるなど、警戒が必要な状況です。
  
▼厚生労働省 伝染性紅斑について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/fifth_disease.html
  
地域によっては、警報レベルに満たなくても、自治体から注意喚起が出ている場所もあります。詳しくはお住まいの地域のホームページなどをご確認ください。
  
  
【関連記事】
  
みてねコールドクター通信11月増刊号「リンゴ病が東京都内で警報レベルの流行。妊娠中の方は要注意」
https://calldoctor.jp/news/article/378/
  
  
♦️今週のピックアップ:溶連菌感染症が増加傾向
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例年、夏と冬にかけて流行する溶連菌感染症の患者数が増加傾向です。
全国の定点当たり報告数は3.03で、過去10年の平均値を上回りました。
  
  
💬溶連菌感染症とは
  
溶連菌感染症は「溶血性レンサ球菌」と呼ばれる細菌による感染症です。感染して2~5日の潜伏期間を経て、発熱、倦怠感、喉の痛み、イチゴ舌(舌の表面がイチゴのように赤くブツブツする)といった症状を引き起こします。38度〜39度の高熱と、喉の赤みや痛みが強くなりやすいのが特徴です。
  
溶連菌感染症が最も多く見られるのは小学生です。3歳以下の乳幼児や大人は感染しても典型的な症状が出ないケースもあります。
  
主な感染経路は飛沫感染と接触感染です。感染予防策としては手洗いうがいや咳エチケットが有効です。身近に感染者がいる場合や、周囲で流行している場合は、日頃から予防策を徹底しましょう。
  
もし溶連菌感染症が疑われる症状が出てしまったら、お近くの医療機関を受診しましょう。治療には抗菌薬が処方されます。お薬を飲み始めると数日で症状が改善していきますが、処方された抗菌薬は必ず全て飲み切るようにしましょう。
  
溶連菌感染症については以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
  
【関連記事】
  
溶連菌感染症について
https://calldoctor.jp/news/article/55/
  
家族の病気豆知識「知っておきたい手洗いの重要性」
https://calldoctor.jp/news/article/408/


暑い日が続き、朝晩の気温差や天候の変化で疲労も溜まりやすい時期です。流行中の感染症に加え、これからは夏風邪にも注意が必要な時期となります。
規則正しい生活と、手洗い・うがいなどの基本的な感染予防策を継続して、体調を崩さぬよう注意してお過ごしください。

感染症トレンドの次回更新予定日は2025年7月9日(水)です。
  
  
◼️感染症週報とは?
国立健康危機管理研究機構が毎週発表する、さまざまな感染症の1週間の動向がまとめられたものです。
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/index.html
  
  
◼️定点あたり報告数とは?
全国の指定された医療機関から報告される感染者数を医療機関の数で割った数値です。

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・みてねコールドクター【オンライン診療】のご紹介
https://calldoctor.jp/news/article/50/
・「オンライン診療、どうやって診てもらうの?」受診の際のポイントを医師が解説
https://calldoctor.jp/news/article/71/

・オンライン診療でのお薬の受け取り方
https://calldoctor.jp/news/article/177/

・梅雨の時期に長引く咳の正体は?ーその咳、喘息かもしれません
https://calldoctor.jp/news/article/1563/

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