長引く咳にご注意!マイコプラズマが流行しています
マイコプラズマ感染症は、小学生以上の子どもたちに多い呼吸器の感染症です。今年は8月中旬から全国的に流行がみられるようになり、8年ぶりに大流行となっています。潜伏期間が2〜3週間と長いため、どこで感染したのかわかりにくいこともあります。
「マイコプラズマ」という細菌が原因で、軽い風邪のような症状から、気管支炎や肺炎までさまざまな症状を引き起こします。感染力はそれほど強くありませんが、飛沫や密接な接触で感染するため注意が必要です。
多くは軽症の気管支炎で咳が長く続きますが、全体の10%程度が肺炎を起こして症状が悪化してしまいます。
マイコプラズマ感染症の主な症状
・発熱、だるさ、頭痛
・乾いた咳(3〜4週間と長引くことが多い)
診断と治療
診断には抗原キットや血液検査がありますが、迅速な診断が難しい場合も多く、症状や経過から医師が判断します。軽症の場合には自然に回復することを待ちますが、中には特定の抗生物質(マクロライド系など)を用いて治療をするケースもあります。
耐性菌の問題があり、場合によっては別の抗生物質が必要になることもあります。抗菌薬の味が苦手な場合、バニラアイスなどと混ぜて飲むと飲みやすくなるでしょう。
酸素が必要だったり、食事が取れていないなどの重症の場合は入院治療が必要になることもあります。
予防と対策
咳エチケットや手洗いが予防の基本です。夏休みが明けて、学校が始まると感染の拡大が懸念されます。大人も罹る可能性がありますので、家庭内感染にも注意が必要です。咳や熱が続く場合は早めに受診しましょう。
日本赤十字社医療センター 小児科専門医
みてねコールドクター小児医療アドバイザー
風間 尚子先生
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