
今年は例年より早くインフルエンザが流行入りし、全国的に警報レベルとなりました。園や学校でクラス閉鎖になっているところも増えています。
インフルエンザは、発熱・頭痛・関節痛などの典型的な症状のほか、子どもでは嘔吐や下痢などの消化器症状を伴うこともあります。一般的には抗ウイルス薬を投与しながら症状に合わせて経過を見ますが、中には注意が必要な症状もあります。
今回は、脳症・喘息のリスクと、自宅でのケア・登園のめやすについて解説します。
♦️重症化リスクに注意
インフルエンザで最も注意が必要なのは「インフルエンザ脳症」です。
高熱のあとに意識がもうろうとする、意味のわからないことを言う、けいれんを起こすなど、急に症状が進むことがあります。
発熱から数時間〜1日以内に発症することもあり、特に乳幼児はリスクが高いとされています。
また、喘息を持つお子さんでは、ウイルス感染をきっかけに気道の炎症が悪化し、発作を起こすことがあります。
普段落ち着いている場合でも、発熱時は早めの受診や喘息治療の内服・吸入薬の継続が大切です。
♦️自宅でのケアのポイント
治療の基本は、インフルエンザの抗ウイルス薬の他には、対症療法と言って症状に合わせたお薬を内服します。
熱が高い時は、クーリングと言って直接首や脇の下を保冷剤などで冷やしたり、薄着にして風通しをよくしながら休ませましょう。
食事は無理にとらせる必要はありません。まずは水分をこまめに少しずつ与え、経口補水液やスープ、ゼリーなどで脱水を防ぎます。
次のような場合は、速やかに医療機関を受診してください。
✅水分がほとんどとれない
✅意識がもうろうとしている、反応が鈍い
✅けいれんを起こした
✅呼吸が苦しそう、顔色が悪い
♦️熱せん妄(ねつせんもう)について
また、高熱時に「幻覚を見ている」「意味のわからないことを言う」などの症状が出ることがあります。
多くは熱せん妄(ねつせんもう)と呼ばれる熱が高い時に見られる一時的な反応で、解熱とともに解消します。 しかしインフルエンザ脳症の初期症状である可能性も否定できないため、様子を見ずに受診してください。
♦️予防接種の意義
インフルエンザワクチンは感染そのものを完全に防ぐわけではありませんが、発症後の重症化を防ぐ効果が確認されています。脳症や肺炎、喘息発作などの合併症予防のためにも、乳幼児や基礎疾患を持つお子さんは特に接種をおすすめします。 接種後2〜3週間で効果が出始め、およそ5か月間持続します。
♦️登園・登校のめやす
インフルエンザと診断された場合、出席停止の期間は学校保健安全法で定められています。
登園・登校の再開は、次の2つの条件をどちらも満たしてからです。
■発熱した日の翌日から 5日間を過ぎていること
■かつ、解熱した翌日から、小学校:2日間/保育園・幼稚園:3日間を過ぎていること
<小児科医より>
今年は流行が早く、予防接種を受けていない方もまだたくさんいらっしゃると思います。一般的な感染対策を行いながら、周囲の流行状況を把握しましょう。
発熱がある場合には早めの診断が、感染拡大や症状悪化を予防するカギとなりますので、早期受診を検討しましょう!

解説者:小児科専門医 みてねコールドクター小児医療アドバイザー 風間尚子先生
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