
アデノウイルスってどんなウイルス?
アデノウイルスは1年中感染の可能性があるウイルスで、特に高熱が続く原因として有名です。ヒトに感染する型はなんと50種類以上も!型によって症状が異なり、一度かかっても他の型でまた感染することがあります。
かつては夏の病気とされていましたが、今では1年を通して小さな流行があります。とくに2023〜2024年の冬季は大流行しており、多くの患者さんが罹患しました。
アデノウイルスでも色々な症状がある?
アデノウイルス感染症は、症状や血清型によって大きく以下のようなタイプに分けることができます。
1. 咽頭扁桃炎(最も多い型)
喉が赤く腫れ、熱がでます。溶連菌感染症と似ていることもあり抗原検査で確認します。肺炎や気管支炎など、より重篤な状態に進展することもあります。
✅40℃近い高熱が5〜7日続く
✅喉の赤み・腫れ・白苔(喉に白い膿のような付着)
✅目の症状がない場合は、解熱後に登園・登校が可能
2. 咽頭結膜熱
夏にプールでうつることが多く、プール熱とも呼び名があります。アデノウイルス3型、4型が主な原因です。
✅発熱+喉の痛み+目の充血や目ヤニ
✅感染力が非常に強く、集団保育で一気に広がることも
法律で「第二種感染症」に指定されており、症状が治ったあとの2日を過ぎるまでは自宅待機となります。目安としては解熱後2日間程度と考えられます。
特に目の充血や目ヤニの症状が長く続く場合は必ず受診して確認しましょう!
3. 流行性角結膜炎(はやり目)
白目が真っ赤になり非常に特徴的です。アデノウイルスがついた手で目を擦ったりすることが原因と言われています。アデノウイルス8型、19型、37型が主な血清型です。
✅目の赤み・目ヤニ・まぶしがる(羞明)など
✅大人にも感染しやすく、非常に伝染力が強い
非常に感染力が強く、医師が感染の恐れがないと判断するまで出席停止になります。
4. 胃腸炎タイプ
アデノウイルスは上気道炎の症状のほかに胃腸炎症状も引き起こします。また同時にその様な症状が起こることもあります。
✅嘔吐・下痢・発熱
✅ロタウイルスやノロウイルスよりは軽症が多い
どうやって検査するの?
アデノウイルスは抗原検査が可能な感染症です。眼や咽頭を綿棒で拭って検査を行います。ただし、型の違いによっては迅速検査で検出されない場合もあります。典型的な症状とあわせて診断します。
治療法は?
アデノウイルスはウイルスのため、抗菌薬は効果がありません。 そのため、「熱・喉の痛み・目の炎症・下痢・嘔吐」などの症状に応じて対症療法で対応するしかありません。しかしながら、高熱が長く続くことが多く回復するまでの間に飲水量が減ってしまったり、衰弱することも稀にあり、注意が必要です。また肺炎などに進展し入院が必要になることもあります。
高熱時:アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬の内服
喉の痛み:解熱鎮痛薬の内服
目の炎症:点眼薬(必要に応じて抗菌薬やステロイド点眼薬が処方されます)
咳・鼻汁:咳止め、痰切りの内服
ホームケアのポイント
✅水分補給が最優先!
常温の飲み物やゼリー、経口補水液などを少しずつ頻回にとりましょう。排尿の回数などが脱水の目安になります。
✅刺激の少ない食事を心がけましょう!
喉が痛いときは鎮痛薬としてアセトアミノフェンを使用しましょう。喉ごしの良いゼリー・お粥・うどんがおすすめです。
感染を防ぐには?家庭内対策
アデノウイルスは飛沫感染します。
また 目・鼻・口などの粘膜からの接触でもうつるため、徹底した衛生管理が大切です。
家庭内での対策ポイント
✅手洗い・うがいの徹底
✅タオル・食器の共用は避ける
✅感染者のおもちゃ・布類はこまめに消毒
✅おむつ交換や目ヤニを拭くときは手袋+流水と石けんでしっかり手洗い
※アルコール消毒は効きにくいため、石けん+水洗いが効果的です。徹底した対策をしたい場合には次亜塩素酸が有効です。
よくあるご質問
Q:1シーズンに何度もかかることはありますか?
A:あります。アデノウイルスは50種類以上の型があるので、型が違えば繰り返し感染することがあります。
Q:大人もかかりますか?
A:はい。お子さんが感染した場合、飛沫や接触でかかります。手洗い、うがい、マスクなど標準的な感染対策を徹底しましょう。
Q:目の赤みと熱があります。眼科と小児科、どちらに行くべきですか?
A:小児科の受診をおすすめします。喉や咳の症状も伴うケースが多いので、全身状態の診察ができる小児科が適しています。
Q:風邪のウイルスの中でもアデノウイルスには注意するようにと聞きました。なぜでしょうか?
A:熱が高く、長く続くからです。インフルエンザよりも辛そうに見えることもあります。看病されるご家族も心配されることが多いです。
Q:兄弟にうつらないようにするには、どのくらいの期間、感染に気をつけるべきですか?
A:潜伏期間は5〜7日。症状が出る前から感染力があります。完全に防ぐことは難しいですが、手洗いと顔を触らない習慣が鍵です。
小児科医からのメッセージ
喉が痛くて高熱が出る疾患の一つで、小児科では溶連菌感染症との区別のために抗原検査を実施することが多々あります。
アデノウイルス感染症の場合は水分がしっかり取れていれば、症状に合わせて薬を使いながら解熱を待ちますが、高熱が続くためご家族のご不安も強いことと思います。発熱期間が長い、新しい症状がでている、飲んだり食べたりする量が極端に少ない場合などは受診して適切な判断を仰ぎましょう。
解説者:小児科専門医 みてねコールドクター小児医療アドバイザー 風間尚子先生
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
子どもも、親も、救いたい。
家族のためのオンライン診療アプリ「みてねコールドクター」
みてねコールドクターでは、24時間365日、ビデオ通話で医師の診察を受けられます。
夜間・休日に診察を受けたい、病院での長い待ち時間は子どもがぐずってしまい大変、
お薬が欲しいけど病院に行く時間がないなど、家族の病気や通院のお悩みをサポートします。
お薬はお近くの薬局、または一部エリアではご自宅での受け取りが可能です。
どうぞご相談ください。
・みてねコールドクター【オンライン診療】のご紹介
https://calldoctor.jp/news/article/50/
・「オンライン診療、どうやって診てもらうの?」受診の際のポイントを医師が解説
https://calldoctor.jp/news/article/71/
・オンライン診療でのお薬の受け取り方
https://calldoctor.jp/news/article/177/
・夏真っ盛り!熱中症について確認しよう
https://calldoctor.jp/news/article/1827/
・夏にも注意!感染性胃腸炎とは?
https://calldoctor.jp/news/article/1828/
・新たな診療科目、診察料無料を継続!多様な診療メニューでママやパパのお悩みに寄り添います。是非ご利用ください。
https://calldoctor.jp/news/article/606/