
この春からお子さんが入園・入学する親御さんも多いと思います。
新しい生活の始まりは、楽しみであると同時に、「もし行きしぶりが始まったらどうしよう」「不登校になってしまったらどうしよう」などの不安が生まれることがあるかもしれません。
そこで、この記事では新しい環境に入る我が子のために親ができること、大切にすべきことは何かを考えたいと思います。
1.新生活は、親にとっても新しい体験であり不安になる
親御さんによっては、新年度から転職したり、部署異動があったり、職場復帰をしているかもしれません。仕事が変わらなかったとしても、送り迎えが始まったり、子どもの同級生の親御さんたちとの新しいコミュニティが始まります。
新しい体験の中で不安を抱える子どもを迎え入れる親側も、年度替わりの変化で不安や緊張を抱えているのです。これが新生活を迎える上で、最も重要なことだと思います。
親として、余裕を持って子どもと接するためにも、自分自身の不安や緊張を減らすことが重要です。家族で協力し1人の時間をつくるなど、自分自身がリラックスできる時間を確保できると良いでしょう。
特に、お子さんが新しく保育園や幼稚園に通う場合、感染症にかかり、お休みしなければならないことが多くなります。予定外のお迎えやお休みが増えても対応できるよう、事前に職場や家族内で対応を調整しておくこと、かかりつけの小児科を見つけておくことで余裕を持って対処できるようになると思います。
2.子どものネガティブな反応を否定しない
親としては、新しい環境に子どもが毎日、元気に笑顔で通ってくれることを期待してしまうものです。しかし、現実にはうまくいかないこともあります。
お子さんが「行きたくない」「お家にいたい」と泣いてしまったり、頭が痛くなったりお腹が痛くなってしまったり、動けなくなってしまう場合、重要なことはお子さんのネガティブな反応を否定しないことです。
お母さん・お父さんから「行かなきゃダメでしょ!」「そんなこと言わないの!」「おなかが痛くないなんてウソでしょ」と言われてしまうと、子どもはもっと不安になって、ネガティブな反応が強くなってしまいます。
学校や保育園などに行く、という体験が変わらなかったとしても、そばにいるお母さん・お父さんが「そうだよね、行きたくないよね」「怖いよね」と共感し、寄り添ってくれることで、子どもの不安は少なからず和らぎます。
ネガティブな反応があっても、その気持ちを否定せず一緒にいられれば、学校や保育園などでは楽しく過ごせることが多いように思います。
3.新しい環境だからこそ、変わらない家族の時間を
ここまでお話ししたように、年度の変わり目は親にとっても、子どもにとっても不安なものです。だからこそ、新しい生活が始まる前に、今までと変わらず、家族で過ごせる時間を確保できるようにしましょう。
週末に家族で出かける予定を決めてもいいですし、早めに帰って家族でゆっくり過ごす曜日を決めることも大事です。
変わらない家族の時間があることは、子どもにとっても親にとっても、新しい生活に順応するための安心な時間になるはずです。
変わらない時間が確保されていることがわかることで、子どもも新しい環境に挑戦する意欲が生まれると思います。
4.まとめ
新しい環境への適応は、子どもだけでなく親にとっても大きな変化です。親自身も不安や緊張を抱えることがあり、その気持ちに余裕を持つことが、子どもを支える上で重要になります。無理に「早く慣れさせよう」とせず、焦らず子どものペースを大切にしましょう。
子どもが「行きたくない」と言うときは、その気持ちを否定せず、「不安だよね」「怖いよね」と共感することが安心につながります。ネガティブな感情を受け止めてもらえることで、子どもは少しずつ気持ちを整理し、新しい環境に順応していきます。
また、新生活の中でも「変わらない家族の時間」を意識することが大切です。週末に一緒に過ごす時間を作る、毎日決まった時間に話をするなど、家庭の安定した環境が子どもの安心感につながります。
新生活が思い通りに進まなくても、「うちの子だけ…」と悩む必要はありません。子どもそれぞれのペースがあり、親が落ち着いて見守ることで、安心して環境に適応していくことができます。焦らず寄り添いながら、新しい生活を一緒に乗り越えていきましょう。
執筆・監修者プロフィール:
中村 俊一郎先生
慶應義塾大学医学部卒、同病院 小児科
小児科専門医・小児心身医学認定医・公認心理師・出生前コンサルト小児科医/子どものこころ専門医*
普段は大学病院で病気のお子さん、病気を抱えるお子さんのきょうだい・親御さんのメンタルヘルスケアを担当。
<子どもの心の健康>から<日本の社会を変える>を合言葉に小児科医として活動中。
*子どものこころ専門医とは:小児精神医学、小児心身医学を基礎として、子どもの精神疾患、神経発達症(発達障害)、心身症、不登校、虐待など、子どものこころの諸問題に対応する専門医です。
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