2024.08.16
ドクター通信

みてねコールドクター通信8月号「夏休み後半!花火でのやけど、熱中症に要注意」

お子さまと過ごす時間の増える夏休みには、一緒に花火を楽しむ機会もあるでしょう。そのような中、「子どもがやけどしてしまった」というご相談も増える時期です。今回は、やけどをしてしまった際の応急処置についてご紹介します。
また、毎日猛烈な暑さが続き熱中症が心配という親御さんも多いことでしょう。すでに熱中症の対策などはご存知の方が多いと思いますが、今回は熱中症そのものについて詳しくご紹介します。
24115099_l.jpg
花火でやけどをしてしまった!どう対応すれば良い?

花火による子どものやけどは、特に1歳から3歳で多い傾向があります。万が一子どもが花火でやけどをしてしまった場合は、次の手順で対処しましょう。

1. 冷やす
まずは出来るだけ早く水道水などの冷たい水で10分以上冷やします。冷やすことでやけどの進行を止め、痛みも抑えることができます。

2. やけどの程度を確認する
冷やしながら、やけどの様子を確認します。やけどをしたのが皮膚表面だけで範囲が狭ければ、そのまま15〜20分ほど冷やせば問題ありません。

3. 必要に応じて病院を受診
赤みや痛みがなかなか引かない場合は、落ち着いたタイミングで病院を受診しましょう。

以下のような場合は、すぐに救急車を!
・全身の広い範囲・顔面などのやけど
・意識がない、ぐったりしている

やけどの範囲が片足、片腕以上の広範囲にわたる場合は、救急車を呼ぶか、至急病院を受診、
やけどの範囲が手のひら以上の場合や水膨れの場合は、潰さないようにして、病院を受診しましょう。

やけど対処での注意点

服の上からのやけどの場合は、脱がさずに服の上から冷やします。無理に衣服を脱ごうとすると、皮膚が衣服に張りついて、皮膚や水疱が破けてしまう原因となります。

市販の冷却シートは、やけどの手当てには使えません。水で冷やすことが重要ですので、花火を行う際には準備をしておきましょう。

応急処置はしたものの、「このまま様子を見て大丈夫かしら?」「手当てはあっているのかな?」など、自分では判断がつかない場合は、みてねコールドクターのオンライン診療にて医師の判断を仰ぐことも可能です。

3596364_l.jpg
8月も引き続き熱中症に要注意。そもそも、なぜ熱中症になるの?

熱中症とは、『高温多湿な環境に長時間いることで、体温が上がり体温調節機能が上手く働かなくなり、体内に熱がこもった状態』を指します。症状としては、立ちくらみ、筋肉痛、頭痛、嘔吐、高熱など、重症になると意識障害を引き起こします。

ではなぜ、高温になるとこのようなことが起こるのでしょうか。
人の体は、水分と脂肪とタンパク質で構成されています。様々な臓器や、その臓器や細胞が機能するように働く酵素、また生命活動に必要なエネルギーを生産するミトコンドリアは、タンパク質を主成分としています。この人体のタンパク質は37℃前後で正常な機能をするように設計されています。

そのため、人体の酵素やミトコンドリアは40℃を超えると徐々に機能を失ってしまい、42℃を超えるとタンパク質の変性が起こり、全身の臓器の機能が障害され重篤な症状を引き起こします。

体は体温を一定の温度に保つ機能を本来持っている!

私たちの体では異常な体温上昇を抑えるために、体温調節機構が備わっています。この機能別に考えると、より適切に熱中症対策ができるのではないでしょうか。

①運動などにより体が熱くなると、熱は血液の循環によって体の表面に運ばれ、体の外に放出される

皮膚と周りの空気との温度差が大きいほど皮膚表面から空気へ放出される熱量が大きくなり、反対に空気の温度が皮膚温度より高いときは熱が体に流れ込み、体温が上昇してしまいます。
つまり、外気温が35℃以上の場合には扇風機やファンなどは却って悪影響を及ぼす(熱が体の外に放出され難い状況になってしまう)可能性があります。直接体を冷やしたり、クーラーを利用して温度の低い場所で休憩することが必要です。

②全身の皮膚から汗が分泌され、汗の蒸発による熱放散も起こる

汗の元となる水分が不足すると、熱放散も不十分となります。そのため、こまめに水分摂取することが必要となります。また汗にはナトリウムなどのミネラルも含まれるため、塩分も一緒に摂取すると良いでしょう。
img_mitene_calldoctor_heatstroke (1).png

熱中症かも?と思ったら

こうして、適切な体温を保つ機能が体にはありますが、それを上回る外的な環境があると熱中症の症状が現れてきます。特にお子さまは体温調節機能が未熟で、体格からも地面の照り返しの影響を強く受けます。ある調査では、子どもは大人よりも+7℃も体感温度が高いという結果もあります。

子どもは気持ち悪さや不快感を言葉にできず、ぐったりしてしまうこともあるでしょう。
外出後に元気がない、嘔吐してしまう、熱があるなどがあれば、まずこの2つを実践してください。

①体を冷やす
 ・足の付け根や脇の下、首の周りなどを直接氷水などで冷やす
 ・冷たい濡れタオルで体をふく
 ・涼しい場所に移動する
②水分と塩分を摂取する

徐々に症状が改善すれば良いですが、ぐったり感が続く場合は医師に相談しましょう。
また声をかけても反応がない、痙攣しているなどの場合は非常に緊急性が高いためすぐに救急受診しましょう。
doctor_female_2.png
日本赤十字社医療センター 小児科専門医
みてねコールドクター小児医療アドバイザー
風間 尚子先生


子どもも、親も、救いたい。
家族のためのオンライン診療アプリ「みてねコールドクター」

みてねコールドクターでは、24時間365日、ビデオ通話で医師の診察を受けられます。

夜間・休日に診察を受けたい、病院での長い待ち時間は子どもがぐずってしまい大変、
お薬が欲しいけど病院に行く時間がないなど、家族の病気や通院のお悩みをサポートします。

お薬はお近くの薬局、または一部エリアではご自宅での受け取りが可能です。
どうぞご相談ください。

・みてねコールドクター【オンライン診療】のご紹介
https://calldoctor.jp/news/article/50/

・どう使う?ママパパ体験談①「子どもの咳と鼻水が酷く、オンラインで診てもらいました」
https://calldoctor.jp/news/article/59/

img_mitene_calldoctor_family_OL.png

同じカテゴリーの記事