2024.12.01
病気知識

知っておきたい手洗いの重要性

ヘルパンギーナや手足口病、マイコプラズマ肺炎の流行、夏からインフルエンザ学級閉鎖など、ここ数年様々な感染症が異例な流行をみせており、今後も注意が必要です。

感染症の予防のためには、手洗いが大切、というのはみなさんご存知かと思いますが、改めて効果的な手洗いの方法について取り上げたいと思います。
基本的なことではありますが、感染症予防には重要で欠かせない「手洗い」をぜひ今のうちに見直しましょう!
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手洗いはなぜ重要なのか

感染症の感染パターンには、咳やくしゃみなどによりつばが飛び散り、吸い込むことで感染する「飛沫感染」、手すりやドアノブなどに付着したウイルスに触れ、その手で自分の口や鼻を触れることで感染する「接触感染」などがあります。

私たちは、食事の際はもちろんのこと、そうではない時も無意識のうちに、自分の手で口や鼻に触れており、その際に手にウイルスがついていると、感染症のウイルスを口や鼻から体内に取り入れてしまうのです。

では、そもそもいつ手に病原体がつくのかというと、一番初めは外出先で手にウイルスがつきます。電車の吊革、手すり、ドアノブを介して手にウイルスをつけて帰ってきてしまうのです。

しかし、家の中でも、例えばドアノブやリモコンといったよく触れる場所にウイルスが付着していると、そこを触ることで家の中でも手にウイルスがつきます。

自分の体内にウイルスを取り入れないために、そして、外出先から持ち帰ったウイルスを家の中に広げないために、手をしっかり洗うことはとても大事なのです。

手洗いのタイミング

ある調査によると、帰宅後早めの手洗いをすると、家庭内のウイルス付着量は7割以上減少するという報告もあります。

ここでポイントとなるのは、「早め」というところです。
帰宅後、家のあちこちを移動してから手洗いすると、手洗いをするまでの間に、家の中にウイルスが広がってしまいます。帰宅後、すぐに手洗いをすれば、ウイルスを広げずにすみます。

手洗いの方法

すでに帰宅後の手洗いが習慣となっているご家庭も多いと思います。しかし、洗い残しやすい手の甲や指の間、爪の先までしっかりと洗えているでしょうか?

洗い残しなくしっかり洗うためには15~30秒ほどかかると言われています。もう一度、手の洗い方を確認してみましょう。

①水で手をぬらし、ハンドソープを取ります。手のひらをしっかりとこすり合わせて、十分に泡立てましょう。
②手の甲を伸ばすように洗います。
③指の間を洗います。
④親指をねじるように洗います。
⑤指先・つめ先の内側を洗います。
⑥手首も洗います。
⑦流水でよく洗い流します。

指先・指と指の間・手のひらのシワに特にウイルスが残りやすいです。しっかりと洗いましょう。
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画像出典:政府広報オンライン( https://www.gov-online.go.jp/prg/prg20343.html

こちらの「正しい手洗いの仕方」(政府広報オンライン)の動画も併せて確認しましょう。
https://www.gov-online.go.jp/prg/prg20343.html

手洗いのよくあるQ&A

Q.ハンドソープとアルコールとどちらが効果的でしょうか?

A.目にみえる汚れがついている時と、胃腸炎のウイルス(ノロウイルスなど)が手についている可能性がある時(下痢のこどもの世話をしている時など)は、ハンドソープと流水で手を洗いましょう。

目に見える汚れがあると、アルコールが十分手や指に浸透せず、充分な効果が発揮できないことがあったり、胃腸炎を起こすウイルスの中にはアルコールが効きにくいウイルスがあるためです。
それ以外の場合は、どちらの方法でも大丈夫です。
  
  
Q.手を洗った後のタオルは、家族で共有してても大丈夫ですか?毎回新しいタオルがいいですか?

A.できればペーパータオルを利用して毎回使い捨てにするのが理想ですが、家族それぞれのタオルを用意し、1日1回くらいの頻度で定期的に交換するのが望ましいです。

普段は共用していても、家族の誰かが胃腸炎や風邪など、何らかの感染症にかかっている時にはタオルの共有は避けましょう。
   
  
Q.無添加のハンドソープはウイルスを除去する作用が弱まるのでしょうか?
A.無添加のハンドソープであっても、主成分には油脂や脂肪分解力があるため、ウイルスの表面にある脂質膜を壊し、ウイルスを無力化することができます。これは、添加物の有無に関わらない特性です。

ただし、無添加ハンドソープには、一般的に殺菌成分が含まれないため、細菌への効果は添加物入りのものよりも劣る可能性があります。
とはいえ、ハンドソープを使った洗浄そのものが手指の汚れを落とし、ウイルスや細菌を洗い流す効果は十分にあります。

しっかりと手洗いをして、元気に過ごしましょう。
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監修者:丸山浩司医師
総合内科専門医、内分泌代謝科専門医、糖尿病専門医


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