
春は、子どもにとって多くの変化が重なる時期です。入学や進級、クラス替え、新しい先生や友達との関係など、学校生活の環境が大きく変わります。
そして、新学期になると、小児科の外来では次のような相談が増えることがあります。
「朝になると腹痛を訴える」
「学校に行く時間になると頭痛が出る」
「体がだるくて起き上がれない、なんとなく食欲がない」
検査をしても明らかな身体の病気が見つからないことも多く、親御さんも「なぜ体調が悪くなるのだろう」と戸惑うことが少なくありません。

このような症状は、環境の変化に伴うストレスが、身体の症状として現れた結果である可能性があります。子どもは自分の気持ちをうまく言葉で表現できず、不安や緊張が身体の症状として現れることがあるのです。
この記事では、新学期に見られやすい子どもの身体症状と、その背景にあるストレスについて解説します。
大人にとっては些細に思える変化でも、子どもにとっては大きな出来事であることがあります。新しい学校やクラス、先生、友達など、生活の環境が変わることは、それだけで大きな刺激になります。こうした環境の変化の影響は、大人よりも子どもの方が強く現れることがあります。
なぜなら、子どもは新しい環境で何が起きるのか、なぜその環境に移らなければならないのかを十分に理解できていないことが多いからです。見通しが立たない状況では不安や緊張が強まりやすく、子どもはその気持ちをうまく言葉にできないこともあります。
新しい環境に適応しようとする中で、知らないうちに不安や緊張が積み重なり、心の負担が大きくなることがあります。特に真面目で頑張り屋の子どもほど、「うまくやらなければならない」と自分を追い込んでしまうことがあります。その結果、心の負担が身体症状として現れることがあります。

ストレスが関係している可能性のある身体症状として、次のようなものがあります。
・腹痛
・頭痛
・吐き気
・食欲低下
・朝起きられない
特に特徴的なのは、「学校に行く時間になると症状が強くなる」という点です。
一方で、休日になると症状が軽くなることも少なくありません。
こうした症状は、子どもが意図的に作っているものではありません。
そして、新学期など、大きな変化があるときには緊張や不安が自律神経の働きに影響し、身体の不調として現れやすくなります。
子どもが腹痛や頭痛を繰り返すと、「学校を休みたいだけではないか」「仮病ではないか」と感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、子どもにとっては実際に体調が悪いと感じていることが多く、症状を否定されてしまうと不安がさらに強くなることがあります。
まずは子どもの訴えを受け止めることが大切です。新年度の始まりは大人にとっても忙しく、時間的な余裕がなくなりやすい時期でもあります。
それでも、学校生活の中で困っていることがないか、無理のない範囲で話を聞いてみることが大切です。

もちろん、身体の病気が隠れている可能性もあるため、症状が続く場合には小児科を受診し、医学的な問題がないか確認することが重要です。
診察によって身体の大きな病気がないと分かるだけでも、子どもや保護者にとって安心につながります。また、必要に応じて学校と情報を共有することで、子どもが安心して学校生活を送れるよう支援につながることもあります。
新しい環境に慣れるまでには時間がかかることがあります。腹痛や頭痛といった身体症状は、子どもが感じているストレスのサインである場合があります。
体調の変化を単なる不調として捉えるだけでなく、その背景にある子どもの気持ちにも目を向けながら、周囲の大人が少しずつ支えていくことが大切です。家庭と学校が協力しながら見守ることで、子どもが安心して新しい環境に適応していくことにつながります。

執筆・監修者プロフィール:
中村 俊一郎先生
慶應義塾大学医学部卒、同病院 小児科
小児科専門医・小児心身医学認定医・公認心理師・出生前コンサルト小児科医/子どものこころ専門医*
普段は大学病院で病気のお子さん、病気を抱えるお子さんのきょうだい・親御さんのメンタルヘルスケアを担当。
<子どもの心の健康>から<日本の社会を変える>を合言葉に小児科医として活動中。
*子どものこころ専門医とは:小児精神医学、小児心身医学を基礎として、子どもの精神疾患、神経発達症(発達障害)、心身症、不登校、虐待など、子どものこころの諸問題に対応する専門医です。
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