
今年も花粉が飛び始めており、花粉症の診療が少しずつ増えてきています。花粉症は、くしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状で知られていますが、実は大人だけの病気ではありません。
早い場合は1〜2歳の乳幼児から発症することがあり、3〜5歳ごろから増え始めます。 5〜9歳では約30%、10〜19歳では約半数が発症しているという報告もあり、今や子どもにとっても決して珍しい疾患ではありません。
鼻水から始まることが多いため、初期には風邪と間違えられることも少なくありませんが、発熱がほとんどなく、水のような透明な鼻水が続くこと、目のかゆみを伴うこと、そして花粉の飛散時期と一致して症状が悪化することが特徴です。花粉が多く飛ぶ時期には、風邪だけでなく花粉症の可能性も考慮することが大切です。
花粉症というと鼻や目の症状を思い浮かべますが、皮膚にもアレルギー反応が起こることがあります。これを「花粉皮膚炎」と呼びます。空気中を漂う花粉が皮膚に付着し、アレルギー反応によって炎症が起こることで、かゆみや赤み、ぶつぶつした発疹が生じます。
原因となる花粉が付着した部分に強い症状が出るため、露出して空気に触れている顔や首に起こることが多く、とくに皮膚の薄いうわまぶたや首の前側では症状が強くなりやすいのが特徴です。炎症が強まると赤みが腫れて熱を持ち、掻いてしまった部分が傷になってじくじくすることもあります。
症状が長引くと色素沈着を伴って茶色くなり、皮膚がごわごわと厚くなったり、カサカサと細かなふけのような状態を伴ったりすることもあります。
また、多くの場合、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目や鼻のかゆみといった典型的な花粉症症状を同時に伴い、花粉の飛散時期に合わせて出現し、シーズンが終わると軽快します。
花粉による肌荒れは、体の免疫反応が関係しています。花粉症の方の体内では、花粉に反応するIgE抗体が多く作られており、侵入してきた花粉成分に対して強いアレルギー反応を起こします。皮膚に付着した花粉に対しても同様に、IgE抗体やアレルギーに関わる細胞が働き、炎症が起こります。
本来これは異物を排除するための防御反応ですが、過剰に起こることでかえって症状を引き起こしてしまうのがアレルギーです。皮膚には外部からの異物の侵入を防ぎ、水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」が備わっていますが、乾燥肌やもともと皮膚炎がある方、特にアトピー性皮膚炎をお持ちの方ではこのバリア機能が低下しているため、花粉成分が侵入しやすく、より強い反応が起こりやすくなるのです。
もともと肌が弱い方は日頃から保湿を徹底し、皮膚のバリア機能を高めておくことが重要です。さらに、外出前にワセリンを薄く塗っておくことで、花粉が直接肌に付着するのを防ぐ保護膜の役割を果たし、皮膚への影響を軽減することが期待できます。
この考え方は、「花粉皮膚炎」に限ったことではありません。乳児期の湿疹にも共通する重要なポイントです。お肌が荒れてバリア機能が低下すると、そこから花粉や食べ物などの抗原が体内に侵入しやすくなります。皮膚から侵入した抗原に対して体はIgEというアレルギーの原因となる抗体を産生し、将来的なアレルギー体質につながることがあります。
つまり、お肌の荒れをきちんと治療し、安定した状態を保つことは、単に見た目を整えるだけでなく、アレルギー体質の予防・改善にもつながる可能性があるのです。
予防の基本は、花粉を皮膚に付着させないこと、付着した花粉を早めに落とすこと、そして皮膚のバリア機能を整えておくことです。外出時にはマスクやメガネ、帽子、マフラーなどで露出を減らし、帰宅後はできるだけ早く入浴や洗顔で花粉を洗い流します。その際はこすらず、泡でやさしく洗うことが大切です。日頃の保湿ケアを丁寧に行い、赤みや強いかゆみが出た場合は早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。
鼻や目の症状だけでなく、肌の変化にも目を向け、花粉の飛散時期には花粉症の可能性も考えてみましょう。そしてまた、日々のスキンケアがアレルギー対策の第一歩になることを、ぜひ知っていただければと思います。
解説者:小児科専門医 みてねコールドクター小児医療アドバイザー 風間尚子先生
ーーー
子どもも、親も、救いたい。
家族のためのオンライン診療アプリ「みてねコールドクター」
みてねコールドクターでは、24時間365日、ビデオ通話で医師の診察を受けられます。
夜間・休日に診察を受けたい、病院での長い待ち時間は子どもがぐずってしまい大変、
お薬が欲しいけど病院に行く時間がないなど、家族の病気や通院のお悩みをサポートします。
お薬はお近くの薬局、または一部エリアではご自宅での受け取りが可能です。
どうぞご相談ください。
みてねコールドクターでは花粉症の診察も対応可能です。
詳しくは、こちらをご確認ください。
・みてねコールドクター【オンライン診療】のご紹介
https://calldoctor.jp/news/article/50/
・「オンライン診療、どうやって診てもらうの?」受診の際のポイントを医師が解説
https://calldoctor.jp/news/article/71/
・オンライン診療でのお薬の受け取り方
https://calldoctor.jp/news/article/177/
