2026.01.30
ドクター通信

冬場に気をつけたい胃腸炎

今シーズン、1月に入ってから胃腸炎が流行し始めています。特に嘔吐から始まる方が多く、中には発熱を伴うケースもあります。感染が広がりやすい疾患でもありますので、慌てる前に今一度胃腸炎とその対応について確認していきましょう。

胃腸炎とは?

感染性胃腸炎は、主にウイルスによって引き起こされる消化管の感染症で、乳幼児から学童期の子どもを中心に毎年流行を繰り返しています。インフルエンザが落ち着きを見せた一方で、今シーズンは年末年始頃から感染性胃腸炎で受診するお子さんが多くみられました。特に胃腸炎は、元気に過ごしていた子どもが突然嘔吐することから始まり、それも夜間に増悪することが多いためご家族も戸惑いやすい感染症だと思います。

感染性胃腸炎の原因の多くはウイルスであり、代表的なものとしてノロウイルスやロタウイルスが知られています。ノロウイルスは感染力が非常に強く、アルコールや通常の加熱では失活しにくいという特徴があります。また、一度感染しても免疫が長く持続しないため、同じシーズン中に再び感染することもあります。ロタウイルスは乳幼児期に初感染することが多く、初回感染時には嘔吐や下痢が強く脱水を起こしやすいとされていますが、現在はワクチン接種の普及により発症や重症例は減少傾向にあります。

症状は原因となるウイルスによって多少異なりますが、一般的には吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などがみられます。潜伏期間は1〜3日程度で、小児では嘔吐が目立つことが多く、成人では下痢が主体となることが多い傾向があります。ノロウイルスによる胃腸炎では、突然の激しい嘔吐や腹痛を伴う下痢が特徴的で、ロタウイルスでは白色便を認めることもあります。

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胃腸炎にかかってしまったら?

感染してしまった場合、軽症であれば自宅で安静にし、適切な水分補給を行うことが基本となります。下痢止めを使用すると、ウイルスの排出が妨げられ、症状が長引く可能性があるため、使用は控えましょう。特にお子様は体内に占める水分の割合が高く、短時間で脱水になりやすい傾向があります。嘔吐が続く、水分がほとんど取れない、元気がないといった場合には、早めに医師の診察を受けましょう。

自宅でのケアの方法

家庭でのケアにおいて最も重要なのは水分補給の方法です。
吐き気止めを使用していても、嘔吐した直後は胃が攣縮して過敏な状態になっています。嘔吐直後は無理に飲ませず、2時間ほど待ってから、5〜10ml程度の少量の水分を30分おきに与え、嘔吐が起こらないことを確認しながら徐々に量を増やしていきます。経口補水液は有効ですが、氷が入ったような過度に冷たい飲料は胃腸を刺激してしまうので、常温からやや冷たい程度が良いでしょう。尿の回数が減る、尿の色が濃くなるといった所見は脱水のサインです。その場合には受診して点滴の処置が必要かを判断してもらいましょう。

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症状が落ち着いた後の登園・登校について明確な基準はありませんが、嘔吐がなく、食事を摂っても下痢がほとんどみられない状態がひとつの目安です。ただし、症状が改善した後も数週間にわたり便中にウイルスが排出されるため、手洗いなどの感染対策は継続する必要があります。

感染性胃腸炎は家庭内での二次感染が起こりやすいため、予防策も重要です。アルコール消毒が効きにくいウイルスも多く、石けんと流水による手洗いで物理的にウイルスを洗い流す、ウイルスの量を減らすことが基本となります。トイレのドアノブやおもちゃ、使用済みのおむつなど、手が触れやすい場所の清拭も心がけましょう。下痢症状がある場合は、トイレの蓋を閉めてから流すことで、空気中へのウイルスの飛散を防ぐことができます。

吐瀉物が付着した衣類や寝具を処理する際には、手袋やマスクを着用し、ペーパータオルなどで拭き取った後に洗い流します。その後、85℃以上の熱水、または次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒が有効です。布団など洗濯が難しいものは、十分に乾燥させたうえで布団乾燥機やスチームアイロンを使用すると効果的です。処理後は必ず手洗いを行いましょう。

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感染性胃腸炎は、急激な嘔吐から始まることが多く、親御さんにとっては精神的・身体的な負担が大きい病気です。多くの場合、嘔吐は24時間以内に改善しますが、その間の水分と栄養の与え方が回復を左右します。少量から始め、吐かないことを確認しながら進めることが大切です。少量の飲水でも嘔吐が続く場合や、脱水が疑われる場合には、点滴などの治療が必要となることもあるため、無理をせず医療機関を受診しましょう。

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解説者:小児科専門医 みてねコールドクター小児医療アドバイザー 風間尚子先生

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