
溶連菌ってどんな感染症?
溶連菌感染症の原因は、「溶血性レンサ球菌」という細菌が喉に感染して起こる病気です。強い喉の痛みや発熱が特徴です。細菌による感染症のため、診断できれば抗菌薬治療が開始でき、比較的早く症状が緩和します。そのため診断する意義のある感染症のひとつと考えます。
かかる頻度は小学生が最も多く、保育園や幼稚園でも小さな流行になります。また大人もかかることがありますが、典型的な症状が出ないこともあります。
主な症状は?
✅38〜39℃の発熱
✅喉の強い痛み・赤み
✅倦怠感(だるさ)
✅舌にブツブツができる「イチゴ舌」
✅稀に腹痛や嘔吐、首のリンパ節の腫れ、頭痛 など
また、全身に赤い細かい発疹が出ることもあります。これは数日で消えますが、溶連菌感染症の中でも猩紅熱(しょうこうねつ)と呼ばれ、毒素によって全身に発疹が出現する状態ですが治療法は変わりません。
ごくまれに重症化するケースも…
通常は抗菌薬でしっかり治りますが、まれに「劇症型溶連菌感染症(全身に炎症が広がる)」「溶連菌による皮膚感染(壊死性筋膜炎など)」といった重い病気になることもあります。
手足の強い痛みや腫れ・高熱がある場合は、すぐに受診してください。
また、感染から2週間前後に血尿がでたり浮腫みがでたりすることがあります。この場合は溶連菌感染症が原因で腎臓に障害が出ている可能性があるため、速やかに医師に相談してください。
診断はどうやって行うの?
特徴的な喉の赤みや、咽頭痛が強い、周囲の流行などから溶連菌を疑い、咽頭を拭って抗原検査を実施します。
稀に抗原検査が短期間に続けて陽性になる場合は保菌している可能性もあり、症状と合わせて医師が判断します。
治療には抗菌薬!飲み切ることが大切
溶連菌には抗菌薬(抗生物質)がよく効きます。先述した腎臓の合併症を防ぐためにも10日ほど内服することが一般的です。
症状は1~2日で改善しますが、抗菌薬はしっかり飲み切るようにしましょう。
ご家庭でのケアのポイント
咽頭痛が強いために水分摂取ができないケースがあります。その際にはアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤を併用して、痛みを緩和しましょう。
また感染後2~3週間は赤い尿(血尿)がでないかチェックしましょう。
家庭内感染を防ぐには?
ワクチンはなく、一般的な感染対策がとても重要です。
✅手洗い・うがいを徹底する
✅マスクを着用する(看病時は特に)
✅タオル・食器・寝具の共用を避ける
登園・登校の目安は?
抗菌薬の内服開始から24時間経ち、熱が下がり、水分・食事が摂れるようになっていれば登園・登校可能です。
よくあるご質問
Q:同じシーズンに何度もかかることはある?
A:はい、あります。治っても再び感染することがあります。抗菌薬は必ず飲み切りましょう。
Q:大人もかかりますか?
A:はい。お子さんから親御さんにうつることもあります。高熱と喉の痛みが主な症状です。
Q:症状が良くなっても、薬は飲ませるべき?
A:はい、必ず飲み切ってください。合併症の予防のためにとても大切です。
Q:検査で陽性でしたが症状がありません。治療は必要?
A:無症状であれば治療は不要です。保菌しているだけのこともあります。溶連菌は健康なお子さん達の5-20%に存在している(保菌している)と言われています。
小児科医からのメッセージ
溶連菌は流行している時期や特徴的な咽頭初見から、診断に至りやすい感染症です。多くの発熱する感染症の中でも、診断できれば抗菌薬で適切に治療できる疾患のため、溶連菌感染症を疑う場合は医師に相談してみましょう。
解説者:小児科専門医 みてねコールドクター小児医療アドバイザー 風間尚子先生
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