2025.07.31
ドクター通信

夏にも注意!感染性胃腸炎とは?

感染性胃腸炎ってどんな病気?
感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌などの病原体が原因で起こる胃腸の炎症です。多くはウイルスによる感染で、飛沫感染するため小さなお子様では集団で拡散しやすいです。
 
冬のイメージの強い胃腸炎ですが、実は夏にも感染性胃腸炎にかかる子どもが増えます。夏場はコクサッキーウイルスやエンテロウイルスによる感染が多いです。これらは手足口病やヘルパンギーナの原因にもなるウイルスで、症状は比較的軽いことが多いものの、暑さも相まって脱水を引き起こしやすい点は注意が必要です。
 
 
主な症状は?
ウイルスの種類によって症状に差はありますが、共通してみられるのは以下のような症状です。
 
・嘔吐
・下痢
・腹痛
・発熱
 
特に小さなお子さんでは、夜間に急に嘔吐が始まるケースが多く、保護者の方が驚かれることも少なくありません。
 
 
感染したらどうする?
症状に合わせてそれぞれケアをしていきましょう!
 
・嘔吐直後は胃が水分や食べ物を受け付けず嘔吐を繰り返してしまう可能性が高いです。嘔吐後は2時間ほど空けて、小さじ2杯くらいの水分から開始してみましょう。
 
・30分ごとに嘔吐がないことを確認しながら、少しずつ量を増やしましょう。
 
・50ml以上まとまって摂取しても嘔吐がなければ食事を開始してみましょう。食事は、おかゆやうどんなど消化の良いものから開始しましょう。
 
・おしっこの量や色で脱水のサインを確認します。量が少なく濃い場合、8時間以内におしっこがでない場合は脱水が強い疑いがあります。嘔吐の頻度や程度が強く水分摂取できない場合などは、一時的に点滴で水分補給が必要になることもあります。
 
・下痢だけの症状の場合は、消化に良いものを中心に与えましょう(おかゆ、うどん、キャベツや大根の煮たもの、りんご・バナナなど)。乳幼児は一時的に乳製品によって下痢が続くこともあるので避けた方が良いでしょう。
 
 
登園・登校の目安は?
嘔吐や激しい下痢がなく、食事が普段通りとれれば登園は可能です。ただし、症状が治ってもウイルスがしばらく便に排出され続けるため、手洗いやトイレ後のケアなど、家庭内での感染対策は継続しましょう。
  
  
感染対策は?
ほとんどがウイルス性で飛沫感染・接触感染のため、マスク・手指衛生が基本となります。
 
・石けんでの手洗い(30秒のもみ洗い+15秒の流水すすぎを2回)

・嘔吐・下痢のある人のバスタオルの共有を避ける

・おもちゃやドアノブなど、手が触れる部分の消毒
※アルコールが無効のこともあるため、ウイルス量自体を減らすための拭き取りや次亜塩素酸を使用しての消毒が必要

・嘔吐や下痢で汚れてしまった場合、洗い流して高温に晒すことで病原性は低くなります。洗いにくいものは、拭き取った後にアイロンのスチームを当てるなども有効です。
  
  
コメント
胃腸炎は突然の嘔吐で始まることが多く、お子さんの様子に戸惑いながら片付けや看病をされている保護者の方も多いと思います。嘔吐の症状は1日ほどでおさまることがほとんどですが、その間の水分・栄養の摂り方がとても大切です。
 
嘔吐直後に無理に飲ませる必要はありません。2時間ほど待ってから小さじ2杯くらいの水分から始めて、少しずつ様子を見ていきましょう。繰り返す嘔吐や水分が全く摂れないときは、医療機関を受診し、点滴が必要かどうか確認してもらうと安心です。

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解説者:小児科専門医 みてねコールドクター小児医療アドバイザー 風間尚子先生

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