
いよいよ本格的に梅雨が始まります。梅雨は気温や湿度の変化が大きくなり、体がだるくなったりと様々な体調不良が起こる時期です。また、春から集団生活が始まったお子様が鼻水や咳がずっと続いて止まらない、などの心配も出てきているのではないでしょうか。
長引く咳の正体は?
初めての集団生活では、お子様はかかったことのないウイルスの感染を繰り返してしまうことがよくあります。そのため咳や鼻汁の症状が続いているように見えてしまいます。
しかし、長く咳が続く子どもの中には、喘息や喘息に似た病態になっている方もいらっしゃいます。
特に、夜間や朝方の咳が続く、天気が悪くなると咳が増えるなどは喘息を疑うサインです。
なぜ天気や季節と関係があるの?
梅雨の時期は気圧の変動が大きくなります。低気圧になると空気中の酸素濃度がやや下がり、喘息のように気道の過敏性が強い体質があると、気道が炎症を起こしやすく分泌物が増え咳がでます。また、湿度が高くなることでダニやカビが繁殖しやすくなり、アレルギーによる気道の炎症が助長されることもあります。こうした複数の要因が重なり、ゼーゼー・ヒューヒューする喘鳴(ぜんめい)や、夜間の咳き込みが悪化します。
喘息や喘息様気管支炎を疑うポイント
・鼻汁や熱はないのに咳だけが長く続く
・雨の前日や台風のときに、急にゼーゼーする
・夜間や朝方に咳がひどくなる
喘息の場合には気道の炎症や浮腫がなかなか取れず気道が狭いままになってしまうことがあります。このような症状がある際には、医師に相談してみましょう。
喘息の治療について
喘息の方は、気道の粘膜がアレルギーの反応により炎症が起きて浮腫みやすい体質です。喘息でも常にゼーゼー・ヒューヒューしているわけではありません。かぜをひいたり、気圧の変化の影響を受けて気道の炎症が起きて浮腫み、気道の内腔が狭くなることでゼーゼー・ヒューヒューする発作が起こります。治療は普段から炎症を起こしやすい、もしくはすでに浮腫んで分厚くなってしまっている気道の粘膜を元通りにするために行われる日々の管理と、発作が起きている時に気道を広げる発作時の治療と分けて考えます。
日々の管理 (気道の炎症を起こしにくくする、もしくは浮腫をとる)
・ロイコトリエン受容体拮抗薬:長期間内服することで、かぜをひいたり気圧の変化があった場合に炎症が広がりにくくし、発作を起こしにくくします
・ステロイド吸入:すでに炎症が続いて気道の粘膜の浮腫が続くと気道が狭いままになってしまいます。気道の炎症と浮腫をとるためにステロイド薬を吸入します
発作時の治療(ゼーゼーヒューヒューして狭くなっている気道を広げる)
・気管支拡張薬:ホクナリンテープやメプチン、ベネトリンといった薬で気道を広げます。
・ステロイド内服:気管支拡張剤だけで発作が改善しない場合に、炎症をとるために内服か点滴で投与します。
・酸素投与:発作が強い場合、気道が狭く十分な空気を呼吸できず酸素が必要になることがあります。
※ステロイドの点滴投与や酸素投与が必要な場合、また呼吸がつらくて食事や水分摂取ができない場合は入院で全身の管理を行います。
気圧が大きく変化するこの時期、突然の発作や入院になるケースも多く見られます。咳が気になる場合は、早めに医師に相談しましょう。
喘息様気管支炎とは?
乳幼児は、気道が元々狭く軽度の炎症や浮腫でも気道が狭くなってしまいます。そのため感染症の影響で喘息様気管支炎といって喘息と似たような病態になることが多くあります。たんや咳の薬だけではよくならず、「ホクナリンテープを使ったら夜の咳が改善した」という経験がある親御さんも多いと思います。ホクナリンテープが必要な状況が続く場合も医師に相談してみましょう。
小児科医からのアドバイス
喘息はアレルギー疾患の一つで、他のアレルギー疾患と関連することも多いです。アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどがある場合はより注意して咳の様子を見てあげましょう。
解説者:小児科専門医 みてねコールドクター小児医療アドバイザー 風間尚子先生
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