
RSウイルス感染症に要注意 対処法や家庭内感染の防ぎ方について
日本赤十字社医療センター小児科専門医 風間先生が解説
RSウイルスやアデノウイルス、溶連菌、ヘルパンギーナなど様々な感染症がありますが、その中でも今回は、重症化すると細気管支炎や肺炎などの危険性があるRSウイルス感染症についてご紹介します。
RSウイルス感染症とは
RSウイルス感染症とは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。何度も感染と発病を繰り返しますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほとんどの乳幼児が感染するウイルスです。非常に感染力が強く、幼稚園や保育園などの施設内感染に注意が必要です。
どんな症状が出るの?
RSウイルスに感染すると鼻汁が増え、咳が出やすくなり、発熱の症状も多くみられます。通常は数日から1週間くらいかけて徐々によくなります。
多くは軽症で済みますが、重症化すると細気管支炎や肺炎の兆候が見られ、中には呼吸困難を起こして入院することもあります。低出生体重児、心臓や肺、神経や筋に生まれつきの病気がある場合、また免疫不全がある場合には重症化する危険性が高くなります。 新生児や生後2~3カ月未満の乳児では典型的な症状が現れにくく、無呼吸発作などの重篤な症状を起こすことがありますので注意が必要です。
子どもが感染したら?
RSウイルス感染症に対する特効薬はありません。症状を和らげるための対症療法を行います。
鼻汁が多い場合は、吸引により鼻汁を取り、詰まりを取ってあげると呼吸が楽になることも多いです。また、脱水を起こさないよう、経口補水液などによる水分補給や、高熱による不快感を和らげるために解熱剤を使用しながら、治るのを待ちましょう。
呼吸症状が重度の場合は入院の上、酸素投与や痰の吸引、呼吸の管理を行います。
家庭での感染を防ぐには?
RSウイルスはウイルスが付着した手を介して広がる接触感染、咳やくしゃみで飛散したウイルスを含む飛沫で感染する飛沫感染で感染が広がっていきます。なお、RSウイルスはテーブルや手すりのような環境表面では数時間生存することができるので、触れた手指で、目・鼻・口を触ることによって伝播する可能性もあります。
感染後、3~8日程度は他人へ感染させる恐れがありますので、以下のような予防策を行い、感染を広げないようにしましょう。
●こまめにせっけんと流水による手洗いをする
● 感染した人が触った「ドアノブ」「スイッチ」「おもちゃ」「トイレ」などを使い捨ての手袋を装着して、こまめに消毒する
● 消毒や掃除をした後は必ず手を洗う
● 咳、鼻水の症状がある場合はマスクを着用する
RSウイルスの発症の中心は0歳、1歳児ですが、何度も感染します。再感染以降は呼吸器症状のみということが多いため、気付かずに感染している年長児や大人も存在します。呼吸器症状を認める年長児や大人は、マスク着用による飛沫感染の予防、手洗いによる接触感染の予防をしっかりと行い、0歳児、1歳児との接触をなるべく避けるようにしましょう。
日本赤十字社医療センター小児科専門医 風間先生
以前は冬場に大流行するRSウイルスでしたが、近年は夏場に流行が見られることも多くなっています。乳児が初めて感染すると症状が強く入院することも多い感染症です。この数年は新型コロナウイルスの影響で幼少期に罹患しなかった子どもも多く、年長児でも重症化して入院するケースも出ています。症状のピークは5日目と言われていますが、その前に呼吸が苦しそうな様子があれば小児科に相談しましょう。
監修医師 風間先生のご紹介
みてねコールドクター所属 小児科専門医 風間尚子
東邦大学医学部卒業。
神奈川県立こども医療センターを経て、日本赤十字社医療センター小児科勤務。
AHA PALS(小児二次救命処置)インストラクター資格保持。
子どもも、親も、救いたい。
家族のためのオンライン診療アプリ「みてねコールドクター」
みてねコールドクターでは、24時間365日、ビデオ通話で医師の診察を受けられます。
夜間・休日に診察を受けたい、病院での長い待ち時間は子どもがぐずってしまい大変、
お薬が欲しいけど病院に行く時間がないなど、家族の病気や通院のお悩みをサポートします。
お薬はお近くの薬局、または一部エリアではご自宅での受け取りが可能です。
どうぞご相談ください。
・みてねコールドクター【オンライン診療】のご紹介
https://calldoctor.jp/news/article/50/
・どう使う?ママパパ体験談①「子どもの咳と鼻水が酷く、オンラインで診てもらいました」
https://calldoctor.jp/news/article/59/