例年は気温や湿度が低下する12~4月頃に流行し、1月末~3月上旬にピークを迎えることが多いインフルエンザ。季節の変わり目で体調を崩しやすいこの時期に、日々の過ごし方やインフルエンザ対策を見直しましょう。
季節の変わり目の体調変化
急激な気温の変化や寒暖差が大きいと、体は体温調整のために自律神経をフル活動させます。体温を一定に保つためにはかなりのエネルギーが必要なため、大きな変化は負担になり疲れてしまいます。
洋服で体温調整をする、温かい食事を取るなどにより、負担を軽減できます。
また乾燥してくると鼻や喉の粘膜の防御機能を下げてしまい、ウイルスや細菌が侵入しやすくなってしまいます。
感染症の予防には部屋を加湿(50~60%が理想的)したり、マスクをして鼻や喉の粘膜の湿度を保つと効果的です。
インフルエンザ対策はどうする?
もちろん流行期の手洗い、うがい、マスクは欠かせません。
先程の体調管理に加えて、季節性インフルエンザは流行前に予防接種を受けることで発症や重症化のリスクを抑えることができます。
小さな子どもは、免疫がまだ十分に発達しておらず、インフルエンザにかかると高熱や重症化するリスクが高く、特に1歳未満や持病を持つ子どもは、肺炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため、ワクチンで予防することが重要です。
任意ワクチンではありますが、受験など外せない行事がある方や、基礎疾患をお持ちの方は積極的に受けるといいでしょう。
インフルエンザワクチンはいつまでに打つのが良い?
ワクチンは接種後2週間ほどで効果が現れ、約5ヶ月間効果が持続します。そのため、早めに接種することが推奨されています。
特に11月までに接種を終えると安心ですが、今年は既に流行っている地域もあるため、早めに準備しましょう。
鼻からのインフルエンザワクチンが新たに追加
2024年から、従来の注射で接種するワクチンに加え、鼻から接種するワクチンが選択可能になりました。
それぞれのワクチンについて、説明します。
■不活化インフルエンザワクチン(従来の注射で接種するタイプ)
日本ではA型とB型が流行することが多く、毎年流行が予想される型のワクチンが作られ、接種されます。
ワクチン接種の2週間後から約5ヶ月間は一定の効果が持続しますが、接種1ヶ月後をピークに免疫効果は徐々に低下します。
ワクチンは生後6ヶ月から打つことができます。12歳(満13歳)までの子どもは免疫機能が未熟なため、1回の予防接種では抗体ができにくいといわれており、予防接種を2回受けることになっています。
13歳以上であっても医師から必要と判断された場合には2回接種することもできます。
費用は1回につき3,000~5,000円程度が多く、さらに助成対象の方は減額になります。
生後6ヶ月から高校3年生相当までのインフルエンザワクチンが助成対象となっている自治体が多いため、確認してみましょう。
65歳以上の高齢者施設に入所している高齢者では、ワクチンを接種することでインフルエンザ発症が34~55%予防され、死亡を82%阻止したとされる国内研究結果があります。
■経鼻生インフルエンザワクチン
本年から、経鼻のインフルエンザワクチンも選択肢の一つになりました。
鼻にスプレーをするタイプのワクチンで、国内での接種対象年齢は2歳から18歳までです。
弱毒化したインフルエンザウイルスを用いたワクチンで、日本では検証段階ではありますが、感染予防効果やその持続時間に優れており、約1年効果が持続します。
また1回の投与で完了することもメリットの一つです。
費用は8,000〜11,000円程度で、助成対象の方は減額になります。
※小児科学会は喘息の基礎疾患や、授乳中の方や免疫不全の方が周囲にいる場合は、不活化ワクチンを推奨しています。その他、安全に接種できるかどうかは医師が判断します。
※今回の接種年齢対象の2歳から18歳に適応されるワクチンは国内製造のものです。クリニックによっては輸入ワクチンを取り扱っており、その場合には19歳から49歳以下の方が適応となります。
インフルエンザワクチンの副反応について
インフルエンザワクチン接種後に軽い副反応が現れることがあります。現れる場合の多くがワクチン接種後24時間以内です。
また、アナフィラキシーなどの急な副反応は接種後30分以内に出ることが多く、この間は注意してお子さんの様子を見ておきましょう。
注射の場合は、注射部位の腫れや痛み、軽い発熱、倦怠感などが挙げられます。
鼻からの場合は、鼻水、鼻づまり、咳、喉の痛みなどが報告されています。
これらの症状は通常数日で治まりますが、気になる症状があれば、医師に相談しましょう。
日本赤十字社医療センター 小児科専門医
みてねコールドクター小児医療アドバイザー
風間 尚子先生
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