風邪などの内科症状

子どもの喉にいい食べ物|風邪や喉の痛みにやさしい食事と栄養のポイント

子どもの喉にいい食べ物|風邪や喉の痛みにやさしい食事と栄養のポイント
CTACTA

お子さんが「喉が痛い…」と言うと、見ているこちらまでつらくなりますね。風邪などによる喉の痛みは、体の中でウイルスと戦っているサインでもあります。そのため、食事で無理をさせるよりも、喉をいたわりながら体の回復を助けることが大切です。喉が痛いときの食事は、やわらかくて飲み込みやすいもの、冷まし気味で刺激の少ないものが基本になります。また、栄養面では、粘膜を守るビタミンAや、免疫力を高めるビタミンC、体力を支えるタンパク質を意識して摂ることが、回復を早めるポイントです。この記事では、喉の痛みにやさしい食べ物や飲み物、家庭での工夫、そして避けたい食品までを、保護者の方にもわかりやすく解説します。

喉が痛いときの食事の基本と考え方

喉が痛いときは、何をどれだけ食べさせるかよりも、「どう食べさせるか」が大切です。食べ物の形状や温度、食べるタイミングを少し工夫するだけで、痛みを和らげながら栄養を摂ることができます。体がウイルスと戦っている時期は、無理に食べさせる必要はありません。まずは水分をしっかり摂り、少しずつ口にできるものから始めましょう。ここでは、喉の痛みをやわらげるための食事の基本を整理します。

食べやすさ・温度・形状を意識した食事づくり

喉の痛みを悪化させないためには、「やわらかく」「なめらかで」「温かすぎない」ことがポイントです。
温度や形状を意識することで、飲み込みの負担が少なくなり、痛みのある喉でも安心して食べられます。

ポイント 理由 おすすめの状態・例
やわらかさ 飲み込みやすく喉の刺激を防ぐ おかゆ・おじや・ポタージュ
温度 熱すぎると炎症を悪化させる 人肌〜ぬるめ(約37℃前後)
なめらかさ 食材の繊維や粒が痛みを刺激しない すりおろし・裏ごし・ゼリー状

食事を与える際は、スプーンで一口ずつ様子を見ながら食べさせましょう。冷たいものを少し口にすることで、喉の炎症が落ち着くお子さんもいます。逆に温かいスープの方が飲みやすい場合もあるため、お子さんの好みに合わせて調整してあげると良いでしょう。

消化を助ける調理の工夫と避けたい食べ物

風邪や喉の炎症があるときは、胃腸の働きも弱まりがちです。栄養を摂ることも大切ですが、「消化にやさしい」ことを優先しましょう。油や脂肪分が多い料理、硬い食感のもの、香辛料の効いた料理は控えるのが安心です。
消化を助ける調理のコツとしては、

  • 食材を細かく刻むか、柔らかく煮込む
  • 味付けはうす味で、だしやスープの旨みを活かす
  • 冷まし気味にして喉への刺激を避ける

たとえば「やわらかく煮たうどん」や「とろみのある野菜スープ」は喉にやさしく、体も温まる定番の一皿です。
一方で、カレーやトマト、みかんなどの酸味・香辛料が強い食品は痛みを悪化させることがあるため、症状が落ち着くまでは控えるようにしましょう。

回復を助ける栄養とおすすめの食材

喉が痛いときは、「やわらかい食べ物」に目が向きがちですが、体の回復を支えるためには栄養のバランスも重要です。風邪や感染症で体がウイルスと戦っている間、粘膜の修復・免疫力の維持・体力の回復を助ける栄養素をしっかり摂ることで、症状の長引きを防ぐことができます。ここでは、特に意識したい3つの栄養素と、その栄養を摂れる食べ物を紹介します。

栄養素 主な働き 含まれる食材の例
ビタミンA 喉や鼻の粘膜を保護し、ウイルスの侵入を防ぐ かぼちゃ・にんじん・卵・ほうれん草
ビタミンB エネルギー生産を助け、免疫細胞の生成を促進 豚肉・魚介類・卵・緑黄色野菜
ビタミンC 免疫力を高め、風邪の症状を軽減 じゃがいも・ブロッコリー・りんご・大根
タンパク質 体力と免疫細胞を作るエネルギー源 卵・豆腐・鶏ささみ・白身魚・牛乳

粘膜を守るビタミンAが豊富な食べ物

ビタミンAは、喉や鼻の粘膜を健康に保ち、炎症を和らげる働きがあります。かぼちゃやにんじん、卵、ほうれん草などに多く含まれ、これらを柔らかく煮てスープやポタージュにすると摂りやすくなります。たとえば、「かぼちゃと人参のポタージュ」は甘みがあり、喉にやさしい定番の一皿です。また、卵とほうれん草のおじやにすれば、タンパク質とビタミンAを同時に摂れるため、回復をしっかりサポートしてくれます。

免疫細胞の生成を促進するビタミンB群が含まれる食材

ビタミンB群はエネルギー産生を助け、疲労回復や免疫機能の維持に役立ちます。特にビタミンB1は糖質のエネルギー化を助け、ビタミンB6は免疫細胞の生成を促進します。これらの栄養素は、豚肉や魚介類、卵、緑黄色野菜などに多く含まれています。
喉がつらいときは、短時間加熱や蒸し調理、スープ・おじやなど煮汁ごといただけるやさしい一皿にすると無理なく摂れます。たとえば「豚肉とニラのスープ」や「鮭と野菜のレンジ蒸し」、「ほうれん草と卵のおじや」などは、ビタミンB群とたんぱく質も一緒に補給できるメニューです。

免疫力を高めるビタミンCとその摂り方

ビタミンCは免疫細胞の働きを助け、風邪の治りを早めてくれる栄養素です。りんごやじゃがいも、ブロッコリーなどに多く含まれます。酸味が強いみかんやオレンジは喉を刺激することがあるため、痛みが強いときはすりおろしたりんごや大根おろしなど、やさしい味わいで摂るのが安心です。特に「大根おろしとはちみつ」は昔から喉に良いとされる家庭療法のひとつです。ただし、はちみつは1歳未満のお子さんには絶対に与えないよう注意しましょう。

体力を支えるタンパク質を上手に摂るコツ

体を修復するための材料となるタンパク質は、免疫細胞を作るうえでも欠かせません。おかゆに卵を落としたり、豆腐を加えるだけでも手軽に補えます。喉の痛みが強いときは、固形物よりも「茶碗蒸し」や「湯豆腐」のようにとろりとした口あたりの料理が適しています。また、鶏ささみや白身魚をスープに入れて柔らかく煮込むと、栄養と水分の両方を摂ることができます。味つけは塩分を控えめにして、だしの香りで風味をつけるのがおすすめです。

喉の痛みにやさしい具体的なメニュー

喉が痛いときは、見た目や香りよりも「口にしたときに安心できるやさしさ」が大切です。
お子さんの年齢や症状に合わせて、やわらかく、冷まし気味で、なめらかなメニューを選びましょう。
ここでは、主食・おかず・果物など、家庭で実践しやすい具体的な例を紹介します。

主食になるやわらかい食べ物

食事の基本は主食から。喉が痛くても食べやすく、少量でもエネルギーを補給できる「やわらかいごはん」や「煮込み麺」がおすすめです。

メニュー 特徴 工夫のポイント
おかゆ・おじや 消化がよく、どの年代にも安心 卵・豆腐・しらすを加えて栄養バランスUP
やわらかく煮たうどん のどごしが良く水分補給にも◎ くたくたに煮込み短く切ると食べやすい
パンがゆ 牛乳やスープでやさしい味わい 食パンの白い部分を使うと口当たりがなめらか
クリームリゾット 栄養とエネルギー補給に最適 チーズや牛乳を少量使うとコクが出て食が進む

温かいおかゆやリゾットは喉を潤しながら栄養補給ができ、風邪で食欲が落ちたお子さんにもおすすめです。

おかずやスープの優しいレシピ

喉が痛い時期でも取り入れやすいのは「とろみ」「温かさ」「やさしい味つけ」がある料理です。
無理にたくさん食べさせず、一口ごとに「おいしいね」と声をかけながら様子を見ましょう。
たとえば、かぼちゃやコーンのポタージュは自然な甘みがあり、飲み込みやすい代表メニューです。
また、茶碗蒸しはふるふるとした食感で、喉の痛みをやわらげながらタンパク質を摂れます。
じゃがいものすり流しスープや湯豆腐も胃腸にやさしく、夜の食事にもぴったりです。
味つけは「塩分を控えめに、だしの香りを活かす」のがコツです。
しょうがをほんの少し加えると体が温まり、咳や鼻づまりがあるときにも効果的です。

果物・デザートでおいしく栄養補給

食欲がないときでも口にしやすいのが、冷たくてつるんとした食感の果物やデザートです。
喉の炎症が強いときでも、やさしく食べられる冷たいスイーツは心の癒しにもなります。

  • バナナ:そのまま食べられ、消化が良くエネルギー源にもなる
  • ヨーグルト:酸味が少ないタイプを選び、リンゴのすりおろしを混ぜると食べやすい
  • プリン・ゼリー:つるんとした食感で喉ごしが良い。冷やして少し柔らかくしてから出すと◎
  • すりおろしリンゴ・梨:自然な甘みと水分で喉を潤す

冷たい食べ物は一時的に痛みをやわらげますが、食後は体を冷やしすぎないよう注意が必要です。食後に温かい飲み物を少し与えると、体温を保ちながら安心して過ごせます。

コンビニや家庭で選べる喉にやさしい食品

風邪や喉の痛みがあるとき、食事の準備が難しい場合もあります。そんなときは、コンビニやスーパーで買える食品を上手に活用しましょう。選び方のポイントは、「やわらかい」「温かい」「のどごしが良い」ものです。忙しい保護者にとっても、少ない手間で栄養を摂れる食品を知っておくと安心です。ここでは、コンビニで手に入るおすすめ食品と、家庭で簡単に用意できる時短ケアレシピを紹介します。

忙しい時に便利なコンビニ商品の選び方

最近のコンビニには、栄養バランスが良く、喉にやさしい食品が数多くあります。調理の手間がかからず、すぐに温めて出せるものが多いため、体調を崩したお子さんや看病する保護者の味方になります。

商品カテゴリ おすすめ例 ポイント
おかゆ・雑炊 卵がゆ、鮭雑炊など 消化がよく、温めるだけで栄養補給ができる
スープ類 コーンスープ、かぼちゃポタージュ ビタミン・ミネラルが摂れ、喉ごしも良い
デザート プリン、ゼリー、ヨーグルト 食欲がないときでも口にしやすい
ドリンク 経口補水液、麦茶、乳酸菌飲料 脱水防止と腸内環境のサポートに効果的

特におかゆ系のレトルトは、常温保存できるタイプも多く、夜間や休日の急な体調変化にも対応できます。電子レンジで温めるだけなので、忙しい家庭にも便利です。

家庭で簡単に作れる時短ケアレシピ

家庭でも、少しの工夫で喉にやさしいメニューを手早く作ることができます。
具材を細かく刻んで柔らかく煮るだけで、栄養バランスが整った温かい食事になります。
たとえば、

  • 卵と豆腐のやさしいうどん:だし汁に柔らかく煮たうどんを加え、溶き卵と豆腐を入れるだけ。のどごしが良く、タンパク質も補給できます。
  • すりおろし野菜スープ:じゃがいも・人参・玉ねぎをすりおろして煮ると、ビタミン豊富で体を温めます。
  • 牛乳プリン風デザート:牛乳と少量のゼラチンで作るシンプルなプリン。冷やしておくと喉の炎症を落ち着かせます。

これらは短時間でできる上、食材のやわらかさや温度を調整できるため、お子さんの症状に合わせやすい点も魅力です。

痛みを悪化させないためのポイント

喉が痛いときには、どんなに栄養のあるものでも、食べ方や環境が合わないと回復が遅れることがあります。
お子さんが「食べたくない」「痛い」と感じるのは、喉の炎症がまだ強いサイン。
焦らず、少しずつ体が受け入れられるように調整していきましょう。
ここでは、食事中・食後・生活環境で気をつけたいポイントを紹介します。

避けたほうが良い食材と調味料

喉が痛い時期に「刺激の強い食品」や「硬い食感の食べ物」を摂ると、粘膜がさらに傷ついてしまいます。
一見、健康によさそうな食材でも、症状があるときには逆効果になる場合があります。

避けたい食品 理由
酸味が強いもの(みかん、オレンジ、トマトなど) 酸が粘膜を刺激し、痛みが強まる
香辛料の多い料理(カレー、こしょう、唐辛子) 炎症を悪化させ、咳を誘発する
揚げ物・スナック菓子・せんべい 硬く乾いた食感で喉を傷つけやすい
味の濃い料理(ソース・濃いめの醤油) 塩分による刺激で炎症が治りにくくなる

これらの食品は、症状が軽くなってから徐々に再開しましょう。治りかけの時期でも、油断せずに「やわらかく・うす味」を意識するのがポイントです。

食欲がないときの無理のないケア方法

お子さんが食事を嫌がると、保護者は「何か食べさせなきゃ」と焦ってしまうことがあります。
しかし、無理に食べさせるよりも、体が欲するタイミングを待つことの方が回復につながります。
食欲がないときは、まず水分補給を中心にしましょう。
冷たい麦茶や常温の経口補水液、ぬるめのスープなどが適しています。
喉の炎症が落ち着いてくると、自然に食欲も戻ってきます。
また、食事の際は「ゆっくり」「少量ずつ」「痛くない温度で」を意識してください。
喉を冷やすと痛みがやわらぐ場合もありますが、食後は温かい飲み物を少し与えると体を冷やしすぎずに済みます。
保護者の方にとっては、「食べさせること」よりも「見守ること」もケアの一部です。
お子さんが安心して過ごせるよう、無理のないペースでサポートしてあげましょう。

よくある質問

  • Q喉が痛いときに冷たいものを食べても大丈夫?

    A冷たいものは、一時的に喉の炎症をしずめ、痛みをやわらげる効果があります。 アイスクリームやゼリー、すりおろしたリンゴなどは、喉の痛みが強いときに食べやすい食品です。 ただし、冷たすぎるものを大量に摂ると体が冷えて免疫力が下がることがあるため、ほどほどにするのが安心です。食後には、温かい飲み物を少し与えて体を温めてあげましょう。

  • Qはちみつは何歳から与えても大丈夫?

    Aはちみつは喉の炎症を和らげる自然な甘味料ですが、1歳未満のお子さんには絶対に与えないでください。 乳児ボツリヌス症の危険があるため、1歳を過ぎてから与えるようにしましょう。 1歳以上であれば、ぬるめのお湯や大根おろしと混ぜて飲むと、咳や痛みをやわらげる効果が期待できます。

  • Q食欲がないとき、何も食べないままで大丈夫?

    A風邪や喉の炎症の初期は、食欲が落ちるのは自然な反応です。 食べられないときは無理をせず、水分補給を優先しましょう。 体力が落ちすぎないように、スープやゼリーなどで少しずつエネルギーを摂ることが大切です。 「食べられるようになったら、少しずつ回復しているサイン」と考えて、焦らず見守ってください。

  • Q喉が痛いときの水分補給はどんな飲み物がいい?

    A喉が痛いときは、刺激が少なく、のどを潤す飲み物を選びましょう。 麦茶や白湯、経口補水液、ぬるめのスープなどが適しています。 果汁100%ジュースや炭酸飲料は酸味や刺激が強く、痛みを悪化させることがあります。 また、アルコールやカフェインを含む飲み物は、喉を乾燥させるため避けましょう。

  • Q症状が長引くときは病院へ行くべき?

    A喉の痛みが3日以上続いたり、高熱・強い咳・食事が取れないなどの症状がある場合は、小児科を受診してください。 細菌感染や他の病気(扁桃炎、溶連菌感染症など)が隠れていることもあります。 特に、痛みがどんどん強くなる・声がかすれて出にくい・呼吸が苦しそうといった場合は、早めの受診が安心です。

まとめ:やさしい食事で喉の回復をサポート

お子さんの喉の痛みは、風邪や感染症による体のサインのひとつです。
保護者ができる一番のサポートは、「無理をさせず、やさしく見守ること」。
そのうえで、消化のよい食事や栄養を意識することで、回復をぐっと早めることができます。
たとえば、おかゆに卵やにんじんを加えて栄養バランスを整えたり、
かぼちゃのポタージュで喉をやさしく潤したりと、少しの工夫が大きな支えになります。
食事だけでなく、部屋の湿度を保ち、水分をこまめに与えることも大切です。
ただ、保護者にとっては「この痛みは風邪なのか」「病院へ行くべきか」と
迷うことも多いものです。

そんな時に頼りになるのがオンライン診療アプリ「みてねコールドクター」です。

  • 24時間365日、最短5分で医師の診察を受けられる
  • 薬は近隣の薬局で受け取れるほか、全国配送(北海道、沖縄県、離島を除く)、一部地域では即日配送にも対応
  • 登園・登校に必要な診断書や登園許可証の発行が可能
  • システム利用料は無料で、健康保険や子どもの医療費助成制度にも対応

「みてねコールドクター」のアプリをインストールすれば、保護者の不安を軽減しながら、お子さんの健康を安心してサポートできます。あらかじめご家族の情報を登録しておけば、いざという時にスムーズにご利用いただけます。

家族のお守りに、みてねコールドクターをぜひご活用ください。

公式サイトはこちら:https://calldoctor.jp/

監修
先生 風間 尚子
風間 尚子先生
小児科専門医
現在、日本赤十字社医療センター非常勤医・ミル訪問クリニック・吉原医院に勤務。小児科専門医、PALS(小児二次救命処置)インストラクターとして救急対応にも精通。

同じカテゴリーの記事