子どもの風邪を早く治すには?症状別の対処法と受診の目安

子どもが熱を出したり、咳や鼻水でつらそうにしていると、保護者としては「どうにか早く治してあげたい」と思いませんか?
風邪はありふれた病気ですが、子どもは免疫が未熟なため繰り返しやすく、大人よりも回復に時間がかかることがあります。
実際のところ、風邪の原因となるウイルスを直接退治する特効薬はありません。しかし、正しいケアによって症状を和らげ、体が本来持つ免疫力を十分に働かせることで、回復を早めることはできます。
この記事では、子どもの風邪の原因や基本的なケア、症状別の対処法、そして病院を受診すべき目安について詳しく解説します。保護者の方が安心して対応できるように、実生活で役立つポイントをまとめました。
Contents
子どもの風邪の原因と基本の考え方
子どもが風邪をひきやすいのは、体の仕組みと免疫の発達段階に理由があります。ここでは、なぜ子どもが繰り返し風邪をひくのか、その背景と家庭での基本的な考え方を整理します。
子どもが風邪をひきやすい理由と免疫力の関係
子どもは大人と比べて免疫機能がまだ未熟です。特に保育園や幼稚園に通い始める頃は、集団生活の中でさまざまなウイルスに接するため、立て続けに風邪をひくことがあります。これは免疫が少しずつ鍛えられていく過程でもあり、成長とともに風邪をひく回数は徐々に減っていきます。
風邪の主な原因ウイルスと症状の出方
子どもの風邪の90%以上はウイルスが原因です。代表的なものにはライノウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなどがあります。これらのウイルスは鼻や喉の粘膜に感染し、体がそれを排除しようとする過程で発熱や咳、鼻水といった症状が現れます。
例えば、ライノウイルスは鼻水や鼻づまりが目立ち、RSウイルスは乳幼児でゼーゼーする呼吸を伴うことがあります。このように原因ウイルスによって症状の出方には違いがあるものの、家庭での基本的なケアは共通しています。
自宅での正しい基本ケアのすすめ
風邪を早く治すために大切なのは、体に余計な負担をかけず、免疫力が十分に働ける環境を整えることです。安静に過ごし、十分な睡眠を確保すること、脱水を防ぐためのこまめな水分補給、そして部屋の温度や湿度を整えることが基本となります。
無理に食べさせる必要はなく、食欲が出てきたら消化の良い食事を少しずつ与えれば十分です。これらの基本を押さえることで、風邪の回復を自然に早めることができます。
子どもの風邪を早く治すための基本ケア
症状別の対処法を考える前に、風邪の回復をサポートする基本のケアを知っておくことが大切です。風邪のウイルスを直接退治する薬はないため、体の「治る力」を最大限に引き出す環境を整えることが早く治すための近道になります。
安静と十分な睡眠で体力を守る
免疫力をしっかり働かせるには、エネルギーを消耗させないことが第一です。静かに過ごせる環境を作り、無理に外出させたり遊ばせたりしないようにしましょう。
保護者の工夫ポイント
- 絵本や塗り絵など静かにできる遊びを用意する
- テレビや動画は短時間にして目や体を休める
- 眠れるときにしっかり寝かせる
水分補給と食事の工夫で回復を助ける
発熱や咳で体の水分は失われやすく、脱水を防ぐために水分補給は最優先です。
おすすめの飲み物:白湯、麦茶、経口補水液、薄めたりんごジュース、野菜スープ
避けたいもの:炭酸飲料、冷たいジュース、脂肪分の多い乳製品
また、食欲が戻ったら消化にやさしい食事から始めます。
食欲がないとき | 食欲が出てきたとき |
---|---|
ゼリー、すりおろしリンゴ、プリン | おかゆ、煮込みうどん、豆腐、柔らかい野菜スープ |
「無理に食べさせない」ことも大切で、食べられる量だけで十分です。
室内の温度・湿度管理が大切な理由
乾燥は喉や鼻の粘膜を傷つけ、回復を遅らせる原因になります。
- 湿度:50〜60%を目安に加湿
- 温度:子どもが心地よく眠れる20〜23℃程度が目安
加湿器がない場合は、濡れタオルを室内に干すのも効果的です。
症状別の対処法とケアのポイント
子どもの風邪は「発熱」「咳」「鼻水や鼻づまり」といった症状が組み合わさって現れます。それぞれの症状には体を守る意味があり、無理に抑えるよりも、つらさを和らげる工夫が大切です。
発熱のときの対応
熱は体がウイルスと戦っているサインで、すぐに下げる必要はありません。ただし、子どもがつらそうにしているときは工夫をしてあげましょう。寒気があるときは手足が冷たく震えているので布団を一枚増やして温め、熱が上がりきって体が熱くなったら薄着にして熱を逃がすと楽になります。首や脇の下を冷たいタオルで軽く冷やすのも心地よい方法です。解熱剤は必ずしも必要ではありませんが、水分がとれずぐったりしているときや眠れないほどつらそうなときには、医師の指示に従ってアセトアミノフェンを使用しましょう。
咳が続くときのケア
咳は痰やウイルスを外に出す体の反応です。完全に止める必要はありませんが、夜間に続くと眠れず体力を消耗してしまいます。喉を潤すためにこまめに水分をとり、室内の湿度を保つことが基本です。眠れないときは上半身を少し高くすると呼吸が楽になります。また、1歳以上であればはちみつをスプーン1杯与えると喉の炎症を和らげる効果が期待できます。ただし、1歳未満には乳児ボツリヌス症のリスクがあるため絶対に与えてはいけません。
鼻水・鼻づまりのときの工夫
鼻づまりは授乳や睡眠の妨げになり、放っておくと中耳炎につながることもあります。赤ちゃんや幼児の場合は鼻吸い器で優しく吸い取ると呼吸が楽になり、鼻の付け根を蒸しタオルで温めると通りがよくなります。眠るときは枕やクッションで頭を少し高くするのも有効です。こうした工夫で呼吸が楽になれば、回復のために必要な睡眠をしっかりと取れるようになります。
病院を受診すべきタイミングと目安
子どもの風邪の多くは家庭でのケアで回復しますが、中には注意が必要なケースもあります。受診が遅れると症状が悪化することもあるため、「いつ受診すべきか」を知っておくことはとても大切です。
すぐに受診すべきケース(救急も検討)
以下のような症状がある場合は、夜間や休日でもためらわずに医療機関を受診してください。
- 生後3か月未満で38℃以上の発熱がある
- 呼吸が苦しそうで、肩で息をしたり胸がへこんだりしている
- 水分をほとんど受け付けず、半日以上おしっこが出ていない
- ぐったりしていて呼びかけへの反応が鈍い
- けいれんを起こした
- 血の混じった便や吐物がある
診療時間内に受診すべきケース
次のような場合は、かかりつけの小児科を受診しましょう。
- 高熱が3日以上続いている
- 咳がひどく眠れない、咳き込んで吐いてしまう
- 咳や鼻水が2週間以上続いている
- 耳の痛みを訴えたり耳を気にしている(中耳炎の可能性)
- 一度よくなったのに再び熱が上がってきた
- 保護者が「普段と違う」と感じて強い不安がある
受診の目安を整理した比較表
受診タイミング | 主な症状 |
---|---|
すぐに受診(救急も検討) | 38℃以上の発熱(生後3か月未満)、呼吸困難、ぐったり、血便や血を吐く、けいれん、水分が取れない |
診療時間内に受診 | 高熱が3日以上、咳や鼻水が長引く、耳の痛み、再び発熱、保護者が強く不安を感じる |
まとめ:子どもの風邪は基本のケア+早めの相談を
子どもの風邪は、多くの場合は家庭での安静や水分補給で自然に回復します。ただし、発熱・咳・鼻水が長引いたり、ぐったりしている、水分がとれないといった危険なサインがある場合は、自己判断せずに小児科を受診することが大切です。
家庭では、安静に休ませて免疫力を高めること、こまめな水分補給で脱水を防ぐこと、湿度や温度を調整して呼吸を楽にすることが回復を助けます。無理に食べさせる必要はなく、消化にやさしいものを少しずつ与えるだけで十分です。
ただ、忙しい日常の中で「この症状は受診すべき?」「夜間や休日に悪化したらどうしよう」と迷うことも多いのが現実です。
そんな時に頼りになるのがオンライン診療アプリ「みてねコールドクター」です。
- 24時間365日、最短5分で医師の診察を受けられる
- 薬は近隣の薬局で受け取れるほか、全国配送(北海道、沖縄県、離島を除く)、一部地域では即日配送にも対応
- 登園・登校に必要な診断書や登園許可証の発行が可能
- システム利用料は無料で、健康保険や子どもの医療費助成制度にも対応
「みてねコールドクター」のアプリをインストールすれば、保護者の不安を軽減しながら、お子さんの健康を安心してサポートできます。あらかじめご家族の情報を登録しておけば、いざという時にスムーズにご利用いただけます。
家族のお守りに、みてねコールドクターをぜひご活用ください。
公式サイトはこちら:https://calldoctor.jp/
よくある質問
QQ1. 子どもの風邪を早く治す食べ物はありますか?
A風邪を早く治す特効食材はありませんが、消化の良いものを少しずつ与えることが大切です。おかゆや煮込みうどん、やわらかい野菜スープ、すりおろしリンゴなどが向いています。無理に食べさせず、水分補給を優先しましょう。
QQ2. 熱が高くても元気そうなら受診しなくても大丈夫?
A熱があっても比較的元気で水分がとれていれば、すぐに受診しなくても家庭で様子を見られることが多いです。ただし、生後3か月未満の赤ちゃんや、3日以上高熱が続く場合は小児科を受診してください。
QQ3. 市販の風邪薬を子どもに飲ませてもいいですか?
A市販の風邪薬は成分や量が子どもに合わないことが多いため、自己判断で使用するのは避けましょう。症状が強くて心配な場合は、必ず小児科医の診察を受け、処方された薬を正しく使うことが安心です。
QQ4. 兄弟にうつさないためにできることはありますか?
A手洗いの徹底とタオルの共用を避けることが基本です。咳や鼻水が出ているときはマスクをできる範囲で使い、部屋の換気や加湿を心がけましょう。オモチャなどもこまめに拭くと二次感染の予防につながります。
QQ5. 咳や鼻水だけでも病院に行った方がいいですか?
A軽い咳や鼻水だけで元気にしている場合は、自宅で様子を見ることができます。ただし、咳が強くて眠れない、2週間以上症状が続く、息苦しさを感じるなどの場合は小児科を受診しましょう。
QQ6. 子どもが風邪をひいたとき、お風呂に入れてもいいですか?
A熱が高いときやぐったりしているときは控え、落ち着いて元気があるときなら短時間の入浴は問題ありません。体を清潔に保つことも回復に役立ちます。
QQ7. 風邪のときに運動や外遊びは控えるべきですか?
A基本的には安静が大切です。熱があるときや体がだるそうなときは休ませましょう。元気があっても無理に外に出さず、室内で静かに過ごすのが安心です。
QQ8. マスクは子どもの風邪予防や症状軽減に効果がありますか?
A2歳以上であればマスクが咳や鼻水の飛沫を減らすのに有効です。ただし、長時間の着用は苦しくなることがあるため、様子を見ながら使いましょう。
QQ9. 風邪のときに使う加湿器は、どの程度が理想ですか?
A湿度は50〜60%が目安です。乾燥を防ぐことで喉や鼻の粘膜を守り、咳や鼻づまりを和らげます。加湿器がなければ濡れタオルを干すだけでも効果があります。
QQ10. 家族に風邪をうつさないためにできることは?
A手洗いをこまめに行い、タオルや食器の共用を避けることが基本です。換気を心がけ、体調がすぐれない子どもはできる範囲で別室に休ませると感染拡大を防ぎやすくなります。
出典
- 厚生労働省「乳幼児の栄養と食事に関するガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198337.html
- 国立感染症研究所「かぜ(上気道炎)に関する情報」https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/430-cold-intro.html
- 東京都福祉保健局「感染症予防と食事のポイント」https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/shokuji/index.html
- さいたま市|こども感染症予防と食事https://www.city.saitama.jp/003/002/008/003/p055937.html
- 大阪市|子どもの健康と食事(市民向け啓発資料)https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000407622.html