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子どものものもらい|何科を受診すべき?治るまでの日数と対処法を小児科医が解説

子どものものもらい|何科を受診すべき?治るまでの日数と対処法を小児科医が解説
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子どもの目が赤く腫れて「ものもらいかも?」と感じたとき、保護者としては心配になりますよね。実は「ものもらい」にはいくつかのタイプがあり、原因や治療法が異なります。

この記事では、小児科医が子どものものもらいの症状・原因・受診の目安・家庭でのケア方法をやさしく解説します。自然に治る場合と受診が必要なサインを見分けながら、安心して対応できるようにしていきましょう。

ものもらいの種類と症状を理解しよう

子どものまぶたが赤く腫れていると、「ものもらいかな?」と不安になる保護者の方は多いでしょう。実は、ものもらいにはいくつかのタイプがあり、原因や治り方が少しずつ異なります。症状の特徴を知っておくことで、無理のないケアや受診の判断がしやすくなります。

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の違い

一般的に「ものもらい」と呼ばれるものには、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の2種類があります。

麦粒腫は、まぶたの毛穴や汗腺に細菌(主に黄色ブドウ球菌)が感染して起こるもので、まぶたの一部が赤く腫れ、ズキズキとした痛みを伴うのが特徴です。数日経つと膿がたまり、白く見えることもあります。

一方、霰粒腫はまぶたの脂を出す腺(マイボーム腺)が詰まって起こるもので、初期には痛みが少なく、触れるとコリコリとしたしこりのように感じます。炎症が加わると、麦粒腫のように赤く腫れることもあります。

種類 原因 主な症状 治り方の特徴
麦粒腫 細菌感染による炎症 赤み・痛み・膿のたまり 点眼薬や軟膏で数日〜1週間で改善
霰粒腫 脂の腺の詰まり コリコリしたしこり・痛みが少ない 自然に小さくなることもあるが、数週間〜数カ月かかる場合も

子どもに多い原因と発症のしくみ

子どもは皮膚がやわらかく、免疫の働きもまだ発達途中です。そのため、汚れた手で目をこすったり、汗や皮脂が多い状態が続いたりすると、まぶたの毛穴や腺に細菌が入りやすくなります。

特に、風邪や疲れなどで体調を崩しているときは、感染を起こしやすく、ものもらいができやすい傾向があります。

痛み・赤み・かゆみなどの初期症状

初期のものもらいでは、まぶたの一部が赤くなり、かゆみや軽い痛みを感じます。進行すると、まぶたが腫れて押すと痛みが強くなり、膿がたまって白く見えることもあります。
霰粒腫では、痛みが少ないまま硬いしこりが残ることもあり、見た目の変化で気づくことが多いです。

自然に治るケースと注意すべき症状

軽いものであれば、体の免疫力によって自然に治ることもあります。しかし、腫れがどんどん広がる、赤みが強くなる、痛みが増して子どもが目を開けたがらない、といった場合は要注意です。

また、発熱を伴う場合や、目やにが増えているときも炎症が強まっているサインです。
このような症状が見られたら、早めに小児科または眼科を受診してください。

何科を受診すべき?小児科と眼科の使い分け

子どものものもらいを見つけたとき、「小児科と眼科のどちらに行けばいいの?」と迷う保護者の方は多いでしょう。

基本的には、目の専門家である眼科での診察が最も確実ですが、状況によっては小児科でも対応が可能です。お子さんの症状の程度や受診しやすさを踏まえて、柔軟に選ぶのが良いでしょう。

眼科を受診するべきケースとその理由

ものもらいの原因や進行の程度を詳しく調べるには、眼科での診察が最も適しています。
眼科では、専用の器具(細隙灯顕微鏡など)を用いて、まぶたの奥や角膜(黒目)の状態まで丁寧に確認できます。

また、炎症が強く膿がたまっている場合には、抗菌薬の点眼や眼軟膏を使用したり、必要に応じて膿を出す処置(切開)を行ったりします。次のような症状がある場合は、できるだけ早めに眼科を受診しましょう。

  • まぶた全体が腫れて目が開けづらい
  • 強い痛みを訴える、または頻繁に目をこする
  • 膿が見える、または何度も同じ場所にできる
  • 赤みが広がり、発熱を伴う

これらは炎症が進行しているサインであり、放置すると治りにくくなることがあります。
早めに受診して正確な診断を受けることで、治りが早くなり、再発も防ぎやすくなります。

小児科での診療内容と判断のポイント

「まずはかかりつけ医に相談したい」「風邪など他の症状も一緒に診てほしい」という場合は、小児科の受診でも問題ありません。

小児科では、麦粒腫など典型的なものもらいの診断が可能で、抗菌薬の点眼薬や軟膏を処方してもらえます。ただし、次のような場合は、より専門的な検査や処置が必要になることがあるため、眼科への紹介を受けるケースが多くなります。

  • しこりが長期間残る(霰粒腫の疑い)
  • 炎症が何度も再発する
  • 点眼薬を使っても症状が改善しない

このように、まず小児科で診てもらい、必要に応じて眼科を紹介してもらう流れも自然です。
お子さんが眼科を怖がる場合や、受診先に迷うときは、かかりつけの小児科で相談してみましょう。

受診までの応急ケアと注意点

受診までの間は、炎症を悪化させないことが何より大切です。特別なことをするよりも、「清潔を保ち、刺激を与えない」ことを意識してください。

たとえば、汚れた手で目を触らないように伝える、タオルは家族と共有しない、洗顔のあとは清潔なガーゼやタオルで優しく拭くなど、ちょっとした工夫で悪化を防げます。
また、強い痛みがあるときや、腫れが急に大きくなったときは、自己判断で温めたり冷やしたりせず、医師の指示を待つようにしましょう。

治療法と治るまでの日数

ものもらいは、多くの場合きちんと治療すれば後に残ることなく回復しますが、タイプによって治り方に差があります。

ここでは、麦粒腫(細菌感染タイプ)と霰粒腫(詰まりタイプ)の治療法や回復の目安、そして家庭で注意しておきたいポイントについて解説します。

麦粒腫(ばくりゅうしゅ):細菌感染タイプの治療

麦粒腫は、まぶたの毛穴や汗腺に細菌が入り込み、炎症を起こすことで発症します。
症状が出始めてからの数日は赤みや痛みが強くなりますが、抗菌薬の点眼や眼軟膏を使うことで炎症は徐々に落ち着いていきます。

治療を始めてから3日〜1週間ほどで赤みや腫れが改善し、自然に膿が排出されて治るケースが多いです。ただし、腫れが強く膿がたまっている場合には、眼科で小さく切開して膿を出すこともあります。

処置を受けた場合も、適切なケアを続ければ1週間前後で回復に向かうことがほとんどです。治療中は、目をこすらないように注意し、清潔を保つことが大切です。

点眼や軟膏は、医師の指示通りの回数・期間でしっかり使うようにしましょう。途中で自己判断で中止すると、再発や炎症の長期化につながることがあります。

霰粒腫(さんりゅうしゅ):詰まりタイプの治療と経過

霰粒腫は、まぶたの中にある脂を出す腺(マイボーム腺)が詰まり、内部に脂がたまってできる「しこり」です。

炎症が強くない場合は痛みが少なく、しばらく様子を見ているうちに自然に小さくなることもあります。しかし、完全に治るまでには数週間から数カ月かかることがあり、麦粒腫と比べてやや長い経過をたどります。

治療では、炎症がある場合にステロイド点眼を使うことがあります。また、医師の指示のもとで行う温罨法(おんあんぽう)も有効です。

これは、清潔なタオルをぬるま湯で温めて軽く絞り、閉じたまぶたの上に数分あてて血流を促す方法です。温めることで、詰まった脂がやわらかくなり、自然に排出されやすくなります。

ただし、赤みや痛みが強い「急性期」には温めることで炎症が悪化することもあるため、実施のタイミングは医師の判断を仰ぎましょう。

しこりが大きく残っている場合や、何度も再発を繰り返す場合は、眼科で小さな切開を行って内容物を取り除くこともあります。

点眼薬・軟膏・切開治療の違い

ものもらいの治療では、症状の重さや炎症の進み具合によって使う薬や処置が異なります。
軽症の段階では、抗菌作用のある点眼薬(目薬)や眼軟膏が中心で、細菌の増殖を抑えて腫れや痛みを和らげます。

赤みや膿が強い場合には、炎症を鎮めるステロイドを併用することもあります。
一方、膿がたまってまぶたが大きく腫れている場合や、自然に破れない場合には、眼科で小さく切開して膿を出す処置を行うことがあります。

これは局所麻酔を使い、数分で終わる比較的短時間の処置で、痛みも少なく、回復も早いのが特徴です。どの治療法を選ぶかは症状の経過によって異なるため、医師の判断に従いましょう。

治りを早めるために大切なこと

どちらのタイプでも共通して大切なのは、清潔を保つことと無理に触らないことです。
汚れた手で目を触ると細菌が入り、炎症を悪化させてしまいます。

また、「早く治したい」と思って膿を押し出したり、しこりをつまんだりするのは絶対にやめましょう。ものもらいの多くは、体の回復力と適切な治療で自然に治っていきます。
焦らずに経過を見守り、必要に応じて医師に経過を相談することが安心につながります。

家庭でできるケアと注意点

ものもらいは多くの場合、家庭でのちょっとしたケアでも悪化を防ぐことができます。
大切なのは「清潔を保つこと」と「刺激を避けること」です。お子さんの様子を見守りながら、焦らずに回復を待ちましょう。

目を触らない・こすらないように伝える

子どもは違和感を感じると、つい目をこすったり、触ったりしてしまいます。
しかし、これが炎症を悪化させる一番の原因になります。

手についた細菌が目に入り、症状がひどくなったり、反対の目にも広がることがあります。
「バイキンさんが入っちゃうよ」など、年齢に合わせた言葉でやさしく伝えましょう。
また、爪を短く切っておくことも感染予防になります。

目のまわりを清潔に保つ

まぶたの周りを清潔に保つことも大切です。顔を洗うときは、石けんをよく泡立ててやさしく洗い、清潔なタオルで水分を軽く拭き取ります。

目やにが多い場合は、濡らしたガーゼで軽く拭いてあげるとよいでしょう。タオルは家族で共有せず、本人専用のものを使ってください。共有したタオルを通じて細菌が広がることを防げます。

温罨法(おんあんぽう)で血流を促す

炎症が落ち着いてきたら、まぶたを温めてあげる「温罨法(おんあんぽう)」が有効なことがあります。

清潔なタオルを水で濡らして軽く絞り、電子レンジで温めてから(お風呂の湯程度の温度にする)、閉じたまぶたの上に5分ほどあてます。温めることで血流がよくなり、詰まった脂や膿が自然に排出されやすくなります。1日に2〜3回ほど、無理のない範囲で行いましょう。

ただし、赤みや痛みが強い「急性期」には温めると炎症が悪化することがあります。
実施のタイミングについては、医師の指示を確認してからにしてください。

登園・登校の判断について

ものもらいは、インフルエンザや流行性結膜炎のような「出席停止の感染症」ではありません。そのため、基本的には登園・登校が可能です。

ただし、膿が出ている場合や、目を頻繁にこするなど感染を広げる恐れがある場合は、自宅で休ませるほうが安心です。園や学校には「ものもらいができている」ことを伝えておくと、衛生面での配慮が受けられる場合があります。

お子さん本人が痛みや不快感でつらそうにしているときは、無理に登園させず、ゆっくり休ませてあげましょう。

受診が必要なサインと受診の目安

ものもらいは軽症であれば自然に治ることもありますが、悪化したり長引いたりする場合は、早めに受診することが大切です。特にお子さんの場合は進行が早く、腫れが強くなることもあるため、次のような症状が見られたら医療機関で診察を受けましょう。

目の腫れや赤みが強いとき

まぶた全体が赤く腫れている場合や、腫れが広がって目が開けにくい場合は、炎症が進んでいるサインです。膿がたまっていることもあり、抗菌薬の点眼だけでは改善しないケースもあります。

このような場合は、眼科で膿の状態を確認し、必要であれば切開などの処置を受けることがあります。また、痛みが強いときや、触れると熱をもっているような場合も、自己判断での様子見は避けてください。

目やにが増えてきたとき

目やにの量が増えたり、黄色く粘りのある目やにが出てきたりした場合は、細菌感染が広がっている可能性があります。

放っておくと結膜炎を併発することもあるため、早めの受診が安心です。目やにを拭き取るときは、清潔なガーゼやティッシュを使い、拭き取るたびに使い捨てるようにしましょう。

発熱や全身症状があるとき

ものもらい自体で発熱することはまれですが、細菌感染が強い場合は発熱を伴うこともあります。また、顔全体が赤く腫れてきたり、頬のあたりまでむくんだりしている場合は、感染が広がっている可能性があります。

こうした症状があるときは、夜間や休日であってもすぐに受診してください。
特に乳幼児では全身の抵抗力が弱いため、早期対応が重要です。

しこりが長く残っているとき

霰粒腫(さんりゅうしゅ)による「しこり」は、炎症が落ち着いたあとも数週間〜数カ月残ることがあります。小さいものであれば自然に吸収されていきますが、大きいまま変化がない場合や、再び赤く腫れてきた場合は、医師の判断が必要です。

再発を繰り返すようなら、まぶたの奥の脂腺に問題があることもあり、眼科で切開や内容物の除去を行うことがあります。


よくある質問

  • Q子どものものもらいは自然に治ることがありますか?

    Aはい、軽いものもらいであれば、清潔を保ち、目をこすらないように気をつけることで自然に治ることもあります。 ただし、赤みや腫れが強い場合や、膿がたまっているときは、細菌感染が進んでいる可能性があります。そうした場合は眼科や小児科で治療を受けましょう。

  • Qものもらいは何日くらいで治るのが目安ですか?

    A麦粒腫(細菌感染タイプ)の場合、抗菌薬の点眼などを行えば3日〜1週間ほどで改善します。 一方、霰粒腫(しこりタイプ)は治るまでに数週間〜数カ月かかることもあります。 症状の変化を見ながら、焦らず経過を観察することが大切です。

  • Q点眼薬や軟膏はどのくらい続ければよいですか?

    A 医師に処方された期間を守って使い切ることが基本です。 途中で症状が落ち着いても自己判断で中止すると、再発や炎症の長期化につながることがあります。 使い方や期間について迷う場合は、かかりつけの小児科や眼科に相談してください。

  • Q登園・登校はいつから可能ですか?

    Aものもらいは出席停止の感染症ではないため、体調が良ければ登園・登校しても問題ありません。 ただし、膿が出ているときや、頻繁に目をこする場合は感染を広げるおそれがあるため、自宅で安静に過ごすほうが安心です。 園や学校には「ものもらいができている」と伝えておくとよいでしょう。

  • Q繰り返す場合はどうすればいいですか?

    A同じ場所に何度もできる場合、まぶたの脂腺が詰まりやすくなっている可能性があります。 体調や睡眠不足、アレルギー、目の汚れなどが関係していることもあるため、生活習慣を見直すことが大切です。 繰り返すようなら、眼科で詳しく診てもらいましょう。


まとめ

子どものものもらいは、まぶたの毛穴や腺に細菌が入って炎症を起こす「麦粒腫」と、脂の出口が詰まってしこりができる「霰粒腫」に分けられます。

どちらも清潔を保ち、目をこすらないように気をつけることで自然に治ることが多いですが、赤みや腫れが強い場合は早めの受診が安心です。特に、膿がたまっている、目やにが増えている、発熱を伴っているなどの症状があるときは、眼科での診察を受けましょう。

小児科でも初期対応が可能なので、受診先に迷う場合はかかりつけ医に相談してみてください。

家庭では温罨法(おんあんぽう)で血流を促したり、清潔を保つ工夫をしたりしながら、焦らずに経過を見守ることが大切です。多くの場合、数日から1週間で落ち着いていきますが、しこりが残るときは根気よく付き合いましょう。

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監修
先生 風間 尚子
風間 尚子先生
小児科専門医
現在、日本赤十字社医療センター非常勤医・ミル訪問クリニック・吉原医院に勤務。小児科専門医、PALS(小児二次救命処置)インストラクターとして救急対応にも精通。

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