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子どもの体温が低いのは大丈夫?平熱の目安・原因・病院に行く目安を小児科医が解説

子どもの体温が低いのは大丈夫?平熱の目安・原因・病院に行く目安を小児科医が解説
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お子さんの体がひんやりしていたり、検温して「35度台」だったりすると、「体温が低すぎてどこか悪いのかな?」と不安になりますよね。けれど、体温は測り方や測る時間帯、室温や服装、汗の有無などで意外と変わりますし、朝は低く夕方に上がりやすい(日内変動)という特徴もあります。

この記事では、子どもの平熱の目安と「低く見える」原因を整理しながら、家庭でできる対処、そして病院に行く目安を小児科医の視点でわかりやすくお伝えします。

子どもの「平熱」と低体温:まず知っておきたい目安

子どもの体温が低いと「低体温では?」と心配になりますが、まずは平熱の幅と、体温が一日の中で変わることを知っておくと安心です。体温の数字だけで病気かどうかを判断するのは難しく、測った状況や、元気さ・顔色などの様子も合わせて見るのが基本になります。

平熱の目安(朝と夜で変わる:日内変動)

子どもの平熱は個人差があり、同じ子でも朝は低く、夕方から夜にかけて上がりやすい(日内変動)ことがあります。目安としては36.5〜37.5℃くらいと言われますが、いつ測ったかで見え方が変わるため、普段の時間帯と条件で数日比べるのが分かりやすいです。

「35度台」は異常?体温が低い/低く測れるケース

35度台が出ると驚きますが、脇の汗で冷えている、体温計が脇の中心に当たっていない、密着が弱いなどで実際より低く出ることがあります。また、起床直後や寒い環境、冷房の効いた部屋、汗をかいた後なども体温が低くなりやすいです。まずは測り方と環境の確認が大切です。

低体温症(重い低体温)との違い:熱がない病気もある?

医学的に問題になる低体温症は、強い寒さなどで体の熱が保てなくなり、ふるえが止まらない、反応が鈍い、ぐったりするなど症状を伴うことが多いです。一方で、体温が低くても元気で食欲があり普段通りなら、数字に過度にとらわれすぎなくて大丈夫なこともあります。

体温が低く見える原因:まず確認したい「測り方」

体温が低く出たときは、まず「本当に体温が低いのか」「低く測れているだけか」を切り分けることが大切です。子どもは動きやすく、検温の姿勢が安定しないことも多いため、測定条件で数字が変わりやすいです。測り方を整えるだけで、いつもの平熱に戻って見えることもあります。

正しい検温のポイント(脇の汗・角度・密着)

脇で測るときは、汗があると蒸発して冷え、実際より低く出ることがあります。汗はよく拭き、体温計の先端を脇のくぼみの中心に当て、体に対して少し角度をつけて、しっかり密着させるのがコツです。腕が浮くと密着が弱くなりやすいので、腕を軽く体に寄せて固定しましょう。

測るタイミング(朝/夜、運動後、入浴後)で変わる

体温は一日の中で変わるため、朝と夕方以降では数字が違って見えることがあります。また、運動後や入浴後は体温が上がりやすく、反対に寒い場所にいた後や汗をかいた後は下がりやすいです。「いつ、どんな状態で測ったか」をそろえると、平熱の目安が見えやすくなります。

家と保育園で差が出る理由(環境温度・活動量)

家では静かに過ごしている時間が長く、保育園では体を動かしている時間が多いなど、環境や活動量の違いで体温の出方が変わることがあります。室温や服装、冷房の効き具合、汗のかき方も影響します。「家では低いけど、園では元気」などの場合は、病気よりも環境や測り方の影響が大きいケースもあります。数字だけで判断せず、生活の中の条件と合わせて見ていきましょう。

体温が低い原因:生活と体の仕組み(病気以外が多い)

測り方を整えても体温が低めに出るときは、生活習慣や体のつくりが関係していることがあります。子どもは体温調節の仕組みがまだ発達途中で、環境の影響を受けやすいのが特徴です。

また、熱をつくる材料(食事)や、熱をつくる場所(筋肉)、体温を一定に保つ働き(自律神経)がそろってはじめて、体温は安定します。多くの場合は病気よりも、こうした要因が重なっていることが多いです。

自律神経(体温調節の働き)の未発達・乱れ

自律神経(体の働きを自動で調節する神経)は、体温の上げ下げにも関わります。子どもはこの働きがまだ安定しにくく、寒暖差や疲れで体温が変わりやすいことがあります。睡眠不足や不規則な生活、ストレスが重なると、自律神経のバランスが崩れて体温が低めに出ることもあります。

筋肉量と運動不足:熱を作る力が低くなりやすい

体の熱は主に筋肉で作られます。運動量が少ない時期が続いたり、外遊びが減ったりすると、熱を作る力が弱くなり、体が冷えやすく感じることがあります。もちろん「運動しないと病気」という意味ではありませんが、体温を整えるうえでは、日中に体を動かす時間があることはプラスになります。

食事・睡眠・ストレスなど生活習慣の影響

食事は、消化・吸収の過程でも熱が生まれやすくなります。朝ごはんを抜きがちだったり、食事量が少なかったりすると、体が温まりにくいことがあります。睡眠リズムが崩れると自律神経も乱れやすくなり、体温が安定しにくくなることもあります。園や学校の環境変化で疲れがたまっているときも、体温の出方が普段と違って見えることがあります。

病気が関係することはある?注意したいサイン

体温が低い原因は、測り方や環境、生活習慣によるものが多い一方で、まれに病気が関係することもあります。ここで大切なのは「何度だから危ない」と数字だけで決めるのではなく、元気さや反応、顔色などの“全身の様子”を合わせて見ることです。いつもと違うサインがあるときは、早めに小児科へ相談しましょう。

低血糖・貧血などで体温が上がりにくい場合

エネルギーが足りない状態(低血糖)や、貧血(血液が酸素を運びにくい状態)があると、体が温まりにくく感じたり、元気が出にくかったりすることがあります。汗が多い、ふらつく、顔色が悪いなど、体温以外の症状が目立つときは、生活の影響だけと決めつけずに相談するのが安心です。

風邪以外の病気の可能性(まれ)と見分け方

まれですが、ホルモンの働き(甲状腺など)や脳の体温調節の仕組み、強い感染症などが関係することもあります。こうした場合は、体温の低さだけでなく、ぐったりしている、反応が鈍いなど全身状態の変化が前に出やすいのが特徴です。

「数字」より大事なこと:元気・顔色・反応

受診を考えるときは、体温の数字そのものより、次のような“様子”を重視してください。

  • ぐったりしている、呼びかけへの反応が鈍い
  • 顔色が悪い、手足が冷たくて温まりにくい
  • 震えが止まらない、いつもより明らかにしんどそう
  • 水分がとれない、食欲がない、機嫌が悪い状態が続く

こうしたサインがなければ、まずは測り方と環境を整えたうえで、落ち着いて様子を見ることも多いです。

家庭でできる対処と改善:平熱を整えるコツ

体温が低いときの家庭での対応は、「今すぐ温めること」と「毎日の生活で整えること」を分けて考えると分かりやすいです。一時的な低さであれば環境の調整で戻ることも多く、慢性的に低めに感じる場合は生活習慣を少しずつ整えていくのが現実的です。

まずは体を温める(衣類・室温・汗の処理)

寒い場所にいた後や、冷房が効いた部屋で過ごした後は、服装と室温を見直し、必要に応じて上着や毛布で温めます。汗をかいている場合は、汗を拭いて着替えるだけでも体が冷えにくくなります。温かい飲み物やスープなどで、内側から温めるのも一つの方法です。

朝ごはん(たんぱく質)と日中の活動で「熱を作る」

食事をとると体の中で熱が生まれやすくなるため、朝ごはんを抜きがちな子は、まずは少しでも食べる習慣を作るのがおすすめです。特にたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)を意識すると、体づくりにもつながります。日中に体を動かす時間が増えると、筋肉が働いて体が温まりやすくなります。

睡眠リズムを整える:毎日の習慣で改善する

睡眠不足や生活リズムの乱れは、自律神経のバランスを崩しやすく、体温の安定にも影響することがあります。早寝早起きを意識し、朝に光を浴びる、夜はゆっくり過ごすなど、無理のない範囲で整えていきましょう。すぐに数字が変わらなくても、元気さが安定してくることがあります。

病院に行く目安:小児科に相談したい場合/救急のサイン

受診の目安は「体温が何度か」だけでなく、「その体温のときに、普段通りかどうか」で考えるのが基本です。迷うときは、無理に判断しきろうとせず、小児科に相談して状況を整理するだけでも安心につながります。

日中の受診目安(低体温が続く、食欲がない、元気がない)

体温が低い日が続く、元気がない、食欲が落ちている、機嫌が悪いなどが重なるときは、診療時間内に小児科へ相談しましょう。「測り方を整えても低い」「生活を整えても改善しない」といった場合も、原因の切り分けに役立ちます。

急いで受診したいサイン(ぐったり,反応が鈍い,顔色不良,震え)

次のような様子がある場合は、夜間や休日でも救急受診を検討してください。

  • ぐったりしている、呼びかけても反応が鈍い
  • 顔色が悪い、震えが強い・止まらない
  • 水分がとれない、意識がはっきりしない
  • いつもと違う強いしんどさがある

「数字が低い」だけでなく、「様子が悪い」がそろうときは早めが安心です。

受診時に伝えるポイント(いつから・時間帯・測り方・生活)

受診時は、体温の数字だけでなく状況が伝わると判断がスムーズです。たとえば、いつから低いか、朝と夕方どちらが低いか、汗の有無、室温や服装、食事・睡眠の様子、保育園での元気さなどをメモしておくと役立ちます。

よくある質問

  • Q子どもの平熱が低くなってきた気がするのはなぜ?

    A測り方や測る時間が変わると、平熱が低くなったように見えることがあります。まず同じ条件で数日測り、元気さや食欲など全身の様子も合わせて見ましょう。

  • Q体温が低いけど元気:様子見でいい?

    A元気で食欲もあり普段通りなら、数字に神経質になりすぎなくて大丈夫なことが多いです。測り方と環境を整えたうえで、いつもの平熱の範囲を確認してみてください。

  • Q低体温のとき、お風呂や外遊びはしていい?

    A元気があり、寒さで体が冷えているだけなら、無理のない範囲で体を温めるのは良い方法です。ぐったりしている、震えが強いなどがあるときは控えて受診を検討しましょう。

  • Q何度から病院?受診の目安は?

    A体温の数字だけで決めず、元気がない、顔色が悪い、反応が鈍いなどがあれば早めに相談してください。低い日が続く場合も、診療時間内に小児科で確認すると安心です。

  • Q毎日測るべき?測る時間のおすすめは?

    A心配がある時期は、朝と夕方など同じ時間帯で比べると変化が分かりやすいです。普段は必要以上に頻繁に測らず、体調がいつもと違うときに測るでも構いません。


まとめ(安心できる判断ポイントと受診目安)

子どもの体温が低いと心配になりますが、まずは測り方、測る時間帯、室温や汗などの条件で「低く見えているだけ」の可能性を確認することが大切です。子どもは体温調節の仕組みが発達途中で、環境の影響を受けやすく、食事・睡眠・運動など生活習慣によっても体温の出方が変わります。

体温の数字そのものより、元気さ・顔色・反応・食欲といった全身状態を重視し、低い日が続く、元気がないなどがあれば日中に小児科へ相談しましょう。ぐったりしている、反応が鈍い、震えが止まらないなどがある場合は、夜間や休日でも受診を検討してください。

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監修
先生 風間 尚子
風間 尚子先生
小児科専門医
現在、日本赤十字社医療センター非常勤医・ミル訪問クリニック・吉原医院に勤務。小児科専門医、PALS(小児二次救命処置)インストラクターとして救急対応にも精通。

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