子どもが頭をぶつけてたんこぶ…病院に行くべき?受診の目安を小児科医が解説

子どもが頭をぶつけて「たんこぶ」ができると、親御さんはとても不安になりますよね。頭のけがは、外見だけでは判断しにくいことがあるため、まずは危険なサインがないかを落ち着いて確認することが大切です。
一方で、元気に見えてもあとから症状が出ることもあるので、24時間(できれば48時間)の見守り方も知っておくと安心です。この記事では「すぐ受診すべき症状」「家での冷やし方・過ごし方」「何科に行けばよいか」を、小児科医の視点でわかりやすく整理します。
Contents
まず確認:今すぐ病院へ行くべき症状(救急の目安)
頭をぶつけた直後は、たんこぶの大きさよりも「全身の様子」を優先して確認します。頭部外傷(頭を打ったけが)は、まれに頭の中の出血などが隠れていることがあり、早めの受診が必要になるサインがあります。まずは落ち着いて、お子さんの意識、呼吸、動き、嘔吐の有無を見てください。ここで挙げる項目が1つでも当てはまるときは、迷わず救急要請や受診につなげましょう。
意識がおかしい・けいれん・様子が明らかに違う
意識がはっきりしない、視線が合いにくい、呼びかけへの反応が鈍いときは注意が必要です。また、けいれん(手足をガクガクさせる、白目をむくなど)がある場合は、すぐに救急車を呼んでください。
泣き止まないほどの強い不機嫌が続く、逆にいつもより異常にうとうとして起きにくいなど、「明らかにいつもと違う」状態も受診の目安になります。まずは安全な場所で横向きに寝かせ、吐いた時に喉に詰まらないようにしながら、速やかに医療機関へつなげましょう。
何度も吐く/頭痛が強くなる/手足の動きが変
頭をぶつけたあとに嘔吐(吐くこと)を繰り返す、時間がたつほど頭痛が強くなる、ふらつく、歩き方が変、手足の動きがおかしいなどは、受診して確認したいサインです。1回だけ吐いてその後は元気、というケースもありますが、嘔吐が続く場合は様子見にせず相談しましょう。
また、顔色が悪い、ぐったりする、呼吸がいつもと違うと感じるときも、早めの受診が安心です。「様子を見ていいか迷う」時点で、病院や救急相談(#8000)に連絡して状況を伝えるのも有効です。
傷が深い・出血が止まらない/高い所から落ちた(頭部外傷)
頭の傷が深い、出血がなかなか止まらない場合は処置が必要になることがあります。また、階段の上、ベッドやベビーカーなどからの転落など、強い力が加わった可能性があるときは、症状が軽く見えても受診を検討します。判断の目安として、次のような状況があれば「急いで相談・受診」の方向で考えてください。
- 意識がはっきりしない/けいれんがある
- 何度も吐く、ぐったりしている
- 手足の動きや歩き方が明らかに変
- 出血が止まらない、傷が大きい
- 高い所から落ちた、強い衝撃があった
こうしたサインがない場合でも、保護者の方が「何かおかしい」と感じる直感は大切です。次の章で、元気そうに見える時の応急処置と、家での見守り方を具体的に整理します。
元気そうな「たんこぶ」…家で様子を見ていい?応急処置は?
頭をぶつけた直後に大泣きして、そのあと普段通りに遊べる、食欲もある――このように「元気がある」場合は、ひとまずご家庭で落ち着いて様子を見ることも可能です。たんこぶは多くが皮下血腫(皮膚の下の内出血のかたまり)で、冷やして安静にすれば自然に小さくなっていきます。
一方で、頭のけがは後から症状が出ることもあるため、「今は元気」でも観察のポイントを知っておくことが大切です。ここでは、まずやるべき応急処置と、受診を考えたいサインを整理します。
受診しなくてよい、とは言い切れない:まずは全身状態で判断
たんこぶの大きさだけで危険かどうかは決まりません。大事なのは、意識(呼びかけへの反応)、顔色、元気さ、嘔吐の有無、歩き方や手足の動きなどの「全身状態」です。元気で機嫌も普段通りなら急を要さないことが多い一方、看病される方が「いつもと違う」「なんとなく変」と感じる時は、受診して確認すると安心につながります。
特に、ぶつけた状況が強い衝撃だった、どこをぶつけたかはっきりしない、うまく様子を見られない(夜間や外出先)といった場合は、早めに相談してよい場面です。
たんこぶ(皮下の腫れ)の冷やし方:痛みと腫れを抑えるコツ
応急処置の基本は「冷やす」と「安静」です。保冷剤や氷のうは、直接当てると冷たすぎるので、タオルで包んで当てます。目安は15〜20分程度で、痛みが強い場合は間をあけて繰り返しても構いません。
嫌がって暴れる時は無理に押さえつけず、冷たいタオルをそっと当てるだけでも十分です。また、ぶつけた当日は興奮すると症状が分かりにくくなるため、激しい運動は避けて、静かに過ごせる環境を作ってあげましょう。昔の「お酒を塗る」などは刺激になることがあるので避けてください。
ぶよぶよに広がる・どんどん大きい:受診を考えたいサイン
たんこぶは少しずつ引いていくことが多いですが、触るとぶよぶよして広い範囲に広がっていく、時間とともに明らかに大きくなる、押すと強く痛がる、ぶつけた場所の皮膚が裂けているなどの場合は、念のため受診して確認したいところです。
また、見た目は落ち着いていても、その後に吐き気や頭痛、ぐったり、ふらつきなどが出てきたら「様子見」から「受診」へ切り替えましょう。次は、特に大切な「24時間(できれば48時間)の見守り方」を、夜の過ごし方も含めて具体的にお伝えします。
「24時間(できれば48時間)」の見守りポイント:家での観察のしかた
頭をぶつけた直後に元気でも、頭部外傷では「時間がたってから症状が出る」ことがあるため、少なくとも24時間は注意して見守りましょう。特に小さなお子さんは、頭痛や気持ち悪さをうまく言葉にできないこともあります。
そのため、おうちの方が「表情」「動き」「食事や水分」「眠り方」をいつもより丁寧に確認してあげることが大切です。ここでは、当日の過ごし方、夜間の確認ポイント、翌日以降に注意したい変化をまとめます。
当日の過ごし方:安静・運動・入浴(長風呂は避ける)
ぶつけた当日は、できるだけ安静に過ごしましょう。走り回る遊びやジャンプ、激しい運動は避け、様子が落ち着くまで刺激の少ない遊びに切り替えます。入浴は、のぼせやすく症状の変化に気づきにくくなることがあるため、長風呂は避けてシャワー程度がおすすめです。
食事は無理に食べさせる必要はありませんが、水分が普段通り取れているかは確認してください。頭を冷やしたあとは皮膚が赤くなっても心配いらないことが多い一方で、痛みが強くなったり、機嫌が崩れ続けたりする場合は受診を考えましょう。
夜はどうする?寝かせていい?確認したいポイント
「寝かせて大丈夫?」とよく聞かれますが、元気で危険サインがなく、普段通り眠れそうなら寝かせて構いません。大切なのは、夜間に数回、そっと様子を見て「いつもと違う」がないか確認することです。
- 呼吸が乱れていないか、顔色が極端に悪くないか
- 触ってみて、起こしたときに反応が極端に鈍くないか
- 吐いていないか(寝具が汚れていないか)
- ふらつきや手足の動きの違和感が出ていないか
もし確認の途中で不安が強ければ、#8000(小児救急電話相談)に状況を伝えて、次の行動を一緒に整理するのも良い方法です。
時間がたってから出る症状:翌日以降も注意したい変化
翌日以降も、頭痛が強くなる、繰り返し吐く、ぐったりして遊ばない、歩き方が変、視線が合いにくいなどの変化が出たら、早めに受診しましょう。また、たんこぶ自体も、少しずつ小さくなることが多い一方で、広い範囲にぶよぶよと広がる、どんどん大きくなる、触れると強く痛がる場合は確認が必要です。
基準に当てはまらなくても、保護者の方が「いつもと違う」と感じる直感は大事な情報です。次は、病院・クリニックは何科に行くとよいか、検査(CTなど)が必要になる場面を整理します。
病院・クリニックは何科?検査(CTなど)が必要になるのはどんな時?
「頭を打った」と聞くと脳の検査が必要なのでは…と不安になりますよね。ただ、すべてのたんこぶでCTなどの検査が必要になるわけではありません。まずは診察で、意識や反応、歩き方、吐き気の有無などを確認し、必要があれば専門科や検査につなげる流れになります。
受診先としては脳神経外科が基本ですが、小さなお子さんでは小児科が窓口になれる場面も多いです。ここでは「どこを受診するか」と「検査が検討される状況」を整理します。
基本は脳神経外科/迷う時は小児科でもOK(受診の動線)
頭の中の出血や頭蓋骨(頭の骨)の状態を専門的にみるのは、基本的に脳神経外科です。一方で、夜間や休日で近くに脳神経外科がない、年齢が小さく全身の様子も含めて相談したい、といった場合は小児科を受診して構いません。
小児科で診察を受け、必要があれば脳神経外科に紹介する流れも一般的です。受診先に迷った時は、地域の救急案内や#8000で「年齢」「ぶつけた状況」「今の症状」を伝えると、受診先の目安がつきやすくなります。
表にすると、目安は次の通りです。
| 受診先 | 得意なこと | こんな時に向きます |
|---|---|---|
| 脳神経外科 | 頭の中の出血・頭の骨の評価 | 強い衝撃、神経症状、検査が必要そう |
| 小児科 | 全身状態の評価、見守りの相談 | 乳幼児、判断に迷う、まず相談したい |
| 救急外来 | 緊急対応、必要時に検査へ | 夜間・休日、救急のサインがある |
診察で見ていること:意識・瞳・歩き方・頭の状態
診察では、たんこぶの大きさだけでなく、意識がはっきりしているか、受け答えや反応は普段通りか、目(瞳の動きや左右差)に不自然さはないか、ふらつきや歩き方の変化はないか、などを総合的に確認します。乳幼児では、機嫌、泣き方、ぐったりしていないか、食事や水分、遊び方がいつもと違わないか、といった点も重要です。また、頭の傷がある場合は、出血や傷の深さ、縫合が必要かどうかも判断します。「いつ」「どのくらいの高さから」「何にぶつけたか」「その後吐いたか」など、状況の情報が診察の助けになります。
CTを考える場面:メリットと心配(必要性は症状で決まる)
CTは、頭の中の出血などを短時間で確認できる強い検査ですが、必要な子にだけ行うのが基本です。検査が検討されやすいのは、意識がはっきりしない、けいれんがある、何度も吐く、頭痛が強くなっていく、手足の動きや歩き方が変、強い衝撃(高い所からの転落など)が疑われる、といった場合です。一方で、元気で症状がなく、観察で十分と判断されることも多くあります。「検査をする・しない」は、たんこぶの見た目だけでなく、診察での所見と経過で決まります。迷う時こそ、受診して“いま必要な対応”を一緒に整理するのが安心につながります。
受診のタイミングと相談先:夜間・休日に困ったら
「この症状で今すぐ病院?それとも様子見?」は、保護者の方が一番迷うところです。特に夜間や休日は、受診先も限られて焦ってしまいますよね。そんな時は、①危険サインがあるか、②ぶつけた状況が強い衝撃か、③その後に症状が増えていないか、の3点で判断すると整理しやすくなります。加えて、相談先(#8000など)を上手に使うと、不要な我慢も過剰な不安も減らせます。ここでは、連絡時に伝えるポイントと、救急車を検討したいケース、受診後の再受診目安をまとめます。
#8000(小児救急電話相談)で伝えるべきこと(状況整理)
夜間・休日に迷った時は、#8000(小児救急電話相談)に電話して状況を伝えると、次の行動が整理しやすくなります。スムーズに相談するために、先に「何が起きたか」と「今どうか」を短くまとめておくのがおすすめです。たとえば、ぶつけた時刻、どこから落ちた/何にぶつけた、泣き方(すぐ泣いたか)、嘔吐の回数、意識や反応(視線が合うか、呼びかけに反応するか)、歩き方や手足の動き、眠気の強さ、傷や出血の有無などです。赤ちゃんの場合は、機嫌・哺乳(飲めているか)・顔色も大切な情報になります。相談の途中で症状が変わったら、その時点の様子を追加で伝えましょう。
救急車を呼ぶか迷う時の目安:判断を急ぐケース
救急車を呼ぶか迷う時は、「いま命に関わる可能性があるサインがあるか」を優先して考えます。目安として、意識がはっきりしない、けいれんがある、呼びかけへの反応が極端に鈍い、ぐったりして動けない、強い頭痛で苦しむ、手足の動きが明らかにおかしい、といった状態は急いで受診が必要です。また、出血が止まらない、傷が深い、吐く回数が増えていく、時間がたつほど状態が悪くなる場合も、受診を急いだ方が安心です。逆に、危険サインがなく普段通りに過ごせているなら、まずは安静と観察で対応できることもあります。とはいえ「判断がつかない」時点で、#8000などに相談してよい場面です。
受診後も大切:帰宅してからの経過観察と再受診の目安
受診して「いまは大丈夫」と言われても、帰宅後の見守りは大切です。特に24時間(できれば48時間)は、嘔吐が増える、頭痛が強くなる、ぐったりして遊ばない、反応が鈍い、歩き方が変、いつもより強い眠気が続く、などの変化がないか確認しましょう。たんこぶ自体も、少しずつ落ち着くことが多い一方で、広い範囲にぶよぶよと広がる、どんどん大きくなる、触れると強く痛がる場合は再相談の目安になります。何より、毎日一緒にいる親御さんの「いつもと違う」という直感はとても重要です。迷ったら我慢せず、再度相談・受診して大丈夫です。
よくある質問
Qたんこぶが大きいだけで危険ですか?
A大きさだけでは判断できません。意識がはっきりしているか、何度も嘔吐しないか、歩き方や手足の動きが普段通りかが大切です。頭部外傷の心配があれば病院やクリニックで相談を。
Q頭をぶつけた後、すぐ泣いたなら大丈夫?
Aすぐ泣けたのは一安心の材料ですが、「絶対に大丈夫」ではありません。その後にぐったり、様子が明らかに違う、繰り返す嘔吐などが出たら受診の目安です。24時間は観察しましょう。
Q1回吐いただけなら様子見でいい?
A状況によります。吐いた後も元気で、水分が取れていて、意識も普段通りなら一旦様子を見ることもあります。ただし嘔吐が増える、頭痛が強くなる、眠気が強い時は早めに小児科や病院へ。
Q頭をぶつけた後、寝かせていい?起こした方がいい?
A危険サインがなく普段通りなら寝かせて構いません。夜は数回、呼吸・顔色・反応がいつも通りかを確認してください。起こしても反応が極端に鈍い、吐く場合は受診を検討しましょう。
Qぶつけた日は保育園・学校に行っていい?運動は?
A当日は安静がおすすめです。元気でも興奮や運動で症状に気づきにくくなることがあります。登園・登校は翌朝の状態(元気、嘔吐なし、頭痛なし等)で判断し、激しい運動はしばらく控えてください。
まとめ:迷ったら「症状」と「いつもと違う」で判断しよう
頭をぶつけてたんこぶができると、見た目のインパクトで強く不安になりますよね。ただ、判断の軸は「たんこぶの大きさ」だけではなく、意識や反応、嘔吐、ぐったり感、手足の動きなどの“全身の様子”です。まずは危険サインがないかを確認し、当日は冷やして安静に。元気そうに見えてもあとから症状が出ることがあるため、24時間(できれば48時間)は普段より丁寧に観察してあげてください。
一方で、保護者の方の「なんだかいつもと違う」「説明しづらいけど変」という直感は、とても大切な情報です。基準に当てはまらなくても不安が強い時は医師に相談しましょう。
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