子どもがドアに指を挟んだら?応急処置と事故予防を小児科医が解説

子どもがドアに指を挟むと、親御さんもびっくりして焦ってしまいますよね。まずは落ち着いて、指の腫れや出血、色の変化を確認しながら、冷やす・止血するなどの応急処置を行いましょう。受診の目安と、家庭でできる予防の工夫もわかりやすく整理します。
Contents
まず落ち着いて確認:指挟み事故で起こりやすい症状
指を挟むと、痛みと腫れで大泣きしてしまい、親御さんも焦りますよね。まず大切なのは「すぐの見た目だけで決めつけない」ことです。外からは大きな傷がなくても、内出血(皮ふの下で血がにじむこと)や腫れが後から強くなることがあります。まずは落ち着いて、指先の色、腫れ、出血の有無、指が動くかを順に確認し、必要な応急処置につなげましょう。
腫れ・内出血・痛みはどのくらい続く?見守りの目安
挟んだ直後は、痛みで強く泣いたり、じんじんしたりするのが一般的です。腫れや内出血は時間差で目立ってくることもあり、「その場では大丈夫そうでも、夕方に腫れてきた」ということもあります。冷やして少し落ち着き、指をそっと触れても耐えられる、遊びや食事ができるようなら、まずは様子を見ながら経過を追えます。
一方で、痛みがどんどん強くなる、腫れが増える、指先の色が悪いなどがあれば、早めに相談するほうが安心です。
出血している/していないで処置が変わる
出血があるときは、まず「止血」と「清潔」を意識します。血がにじむ程度なら流水で軽く洗って保護し、出血が続く・量が多いときは清潔なガーゼで圧迫して止血します。反対に、出血がない場合は「腫れと痛みを抑えるために冷やす」が最優先です。
見た目が小さくても、挟んだ力が強いと腫れや内出血が広がることがあるので、処置の後もこまめに観察しましょう。
爪の下が黒い・爪が浮くなど、後から出やすい変化
ドアに挟んだあと、爪の下が黒っぽくなる(血がたまる)ことがあります。痛みが軽く、指も動かせるなら、爪が伸びるにつれて少しずつ前に移動していくことが多いです。
一方で、ズキズキする痛みが強い、爪の周りから出血が続く、爪が浮いて引っかかるようなときは、処置が必要な場合があります。無理に爪をはがそうとせず、ガーゼなどで保護して早めに相談してください。
【応急処置】ドアに指を挟んだ直後にすること(家庭でできる処置)
指を挟んだ直後は、お子さんが強く泣いて抵抗したり、親御さんも動揺したりして、処置が難しく感じると思います。まずは安全な場所に移動し、落ち着く声かけをしながら、指を強く握ったり揉んだりせずに確認しましょう。
基本は「冷やす」「(必要なら)止血」「腫れを悪化させにくい姿勢」の3つです。ここで丁寧に対応できると、痛みが和らぎ、腫れや内出血の広がりも抑えやすくなります。
まず冷やす:冷やし方と時間(凍傷を防ぐ注意)
最優先は冷やすことです。冷やすことで痛みや腫れが落ち着きやすくなります。ポイントは「直接氷を当てない」「短時間を区切って」です。
- 流水に当てる、または氷水を袋に入れてタオルで包み、患部に当てる
- 目安は10〜15分程度。冷たすぎて嫌がる場合は、少し短く区切って繰り返す
- 冷やしすぎは凍傷の原因になるので、皮ふの色や感覚も見ながら行う
冷やしても痛みが強く続く、どんどん腫れてくる場合は、無理せず早めに相談してください。
指を高く上げる:腫れを悪化させにくい工夫
次に、可能なら指(手)を心臓より少し高い位置に保ちます。重力で血液や体液が下にたまりにくくなり、腫れや内出血の悪化を抑えやすくなります。
たとえば、ソファに座ってクッションの上に手を乗せる、抱っこしながら手を胸の高さに添える、といった方法でも十分です。小さなお子さんはじっとできないので、無理に固定しようとせず、冷やす時間だけでも意識できると良いです。落ち着いてきたら、指先の色が悪くないか、指を嫌がらずに少し動かせるかも確認しておきましょう。
出血があるとき:清潔なガーゼで圧迫して止血
出血がある場合は、まず清潔なガーゼやタオルで患部を覆い、しっかり圧迫して止血します。血がにじむ程度なら、流水で軽く洗ってから絆創膏で保護して様子を見ることもできます。
ただし、出血がなかなか止まらない、爪の周りから出血が続く、傷が深そうで心配、というときは受診の目安です。処置中は、何度もガーゼをめくって確認すると止まりにくくなるため、数分は押さえたまま待つのがコツです。止血できたら、その後は冷やして腫れを抑える流れに戻しましょう。
受診の目安:病院に行くべきサイン(重症の言い方は控えめに)
指を挟んだとき、「病院に行くほど?それとも様子見でいい?」が一番迷いますよね。基本は、冷やして少し落ち着くか、指をそっと動かせるか、腫れや内出血が悪化していないかで考えます。
子どもは痛みの伝え方が難しく、あとから腫れが強くなることもあるため、“いまは大丈夫そう”でも無理はさせないのが安心です。ここでは受診を早めたいサインと、夜間・休日に迷ったときの考え方を整理します。
変形・動かせない・痛みが強いときは早めに相談(骨のけが:ひび等も含む)
指の向きが不自然、左右で形が明らかに違う、指を曲げ伸ばししようとすると強く嫌がって全く動かせない、痛みで手を使えない状態が続くときは、早めに受診をおすすめします。
挟み方によっては、外から大きな傷がなくても骨に負担がかかり、ひび(不全骨折)のような状態が隠れることもあります。無理に動かして確認しようとせず、冷やしながら手を安静にして相談しましょう。レントゲンが必要かどうかも含めて判断してもらえます。
腫れや内出血が増える/指先の色が悪いときの注意点
最初より腫れがどんどん増える、内出血が広がる、触れなくてもズキズキ痛む、翌日になっても強い痛みが続くときは受診の目安です。また、指先が白っぽい・紫っぽいなど色が悪く、温かさが戻りにくい場合も注意が必要です。
冷やしている最中は一時的に白く見えることがありますが、冷やすのをやめても色が戻らない、しびれた感じが強いなどがあれば早めに相談してください。様子見をする場合も、その日は無理に遊ばせず、経過をこまめに観察しましょう。
夜間・休日で迷うとき:救急外来・救急車・オンライン相談の考え方
夜間や休日は「受診先が分からない」こと自体が不安になりますよね。まずは冷やして止血できているかを確認し、出血が止まらない、痛みが非常に強い、指の形や色がおかしいといった場合は救急外来の受診を検討します。
救急車は、出血が止まらない、ぐったりしているなど“移動が危ない”と感じるときに相談するイメージです。受診するほどか迷う場合は、オンライン診療などで状態を伝えて助言をもらうのも有効です(写真があると相談がスムーズです)。
病院は何科?小児科・整形外科の使い分け(受診がスムーズになる情報)
指挟みのケガは、どこに連れて行けばいいか迷いやすいですよね。小児科は「全身状態も含めて相談しやすい窓口」で、整形外科は「骨や関節の評価(レントゲン等)が得意」です。どちらが正解というより、今の症状と受診しやすさで選んで大丈夫です。この章では、受診先の目安と、診察がスムーズになる伝え方を整理します。
まず相談しやすいのは小児科:全身状態とけがの整理
発熱やぐったり感がないか、痛みの程度、出血の有無、腫れや内出血の広がりなどを含めて相談しやすいのが小児科です。小児科では、ケガの状態を確認したうえで、必要なら整形外科などへ紹介してもらえることもあります。
「まずどこに行くか迷う」「夜間で近くに整形外科がない」というときにも頼りやすい受診先です。受診の前に、冷やして少し落ち着いたか、指を嫌がらずに少し動かせるかも見ておくと、説明がしやすくなります。
レントゲンが必要そうなときは整形外科が安心
指の形が左右で違う、強い痛みで動かせない、腫れが強い、押すと特定の場所が強く痛む、といった場合は、骨の状態を確認したほうが安心なことがあります。このとき、レントゲンなどの検査を行いやすいのが整形外科です。
とはいえ、受診のハードルが高い場合は、まず小児科で相談して「検査が必要そうか」を判断してもらっても大丈夫です。無理に自宅で動かしてチェックしようとせず、安静と冷却を優先してください。
受診前にメモしたいこと(いつ、どこ、どう挟んだ/症状の変化)
診察がスムーズになるのは、「何が起きたか」と「その後どう変わったか」が伝わるときです。たとえば、挟んだのは家のドアか車か、どちら側(蝶番側など)だったか、挟まれた時間、すぐ泣いたか、冷やした時間、出血の有無、腫れや内出血が増えているか、指先の色、指が動くか、爪の変化があるか、といった点です。
写真を1〜2枚撮っておくのも役立ちます。受診先で説明が簡潔になり、必要な判断がしやすくなります。
二度と繰り返さない:指挟み事故の予防を厚めに(家庭・車・園での注意)
指を挟んだあとの不安が落ち着くと、「もう二度と起こしたくない」と思いますよね。指挟み事故は、子どもの行動の速さと、ドアが閉まる力(風・大人の動作)で“ほんの一瞬”に起こります。
だからこそ、気合いで見張るより、環境を整えて事故が起きにくい形にしておくのがいちばん確実です。ここでは、危険になりやすい場所と、今日からできる予防策を小児科医の視点でまとめます。
危険なのは蝶番(ちょうつがい)側:ドアの隙間対策
指を入れやすいのは、ドアの開閉で隙間が大きく動く「蝶番(ちょうつがい)側」です。取っ手側よりも挟まれやすく、子どもは好奇心で近づきやすいので、まずここを重点的に対策しましょう。
| 危険ポイント | 予防の考え方(例) |
|---|---|
| 蝶番側の隙間 | 隙間をカバーして指が入らないようにする |
| 風で急に閉まるドア | ストッパー等で「勝手に閉まらない」状態にする |
| 子どもの動線にあるドア | 開閉のたびに「指は離してね」をセットで声かけする |
一度対策すると、親御さんの見守り負担も減らせます。
指挟み防止グッズ(ストッパー・カバー)の選び方と設置のコツ
予防グッズは、「ドアが急に閉まらない」状態を作るストッパー系と、「隙間に指が入らない」状態を作るカバー系が中心です。小さなお子さんがいるご家庭では、まず蝶番側のカバーを優先し、次に風で閉まりやすいドアにストッパーを追加すると効率的です。
設置後は、子どもが外して遊べない位置か、強度が足りるかも確認しましょう。賃貸の場合は、貼ってはがせるタイプを選ぶと導入しやすいです。
風や車のドアで「急に閉まる」を防ぐ習慣づくり(声かけも)
習慣で防げる事故も多いです。たとえば、窓を開けるときはドアも固定する、ドアを閉める前に必ず周りを見る、車の乗り降りでは子どもの手がドアに触れていないか確認してから閉める、などです。
声かけは長い説明より、「指は離す」「ドアは待つ」など短い合図が伝わりやすいです。園や祖父母の家など環境が変わる場面ほど、最初にルールを共有しておくと安心につながります。
よくある質問
Q冷やすのは保冷剤でいい?どれくらい冷やす?
A保冷剤や氷水をタオルで包んでOKです。目安は10〜15分程度を区切って冷やし、冷やしすぎに注意します。直接氷を当てず、痛みや腫れが強い時は早めに相談を。
Q湿布は使っていい?お風呂は入っていい?
Aまずは冷やすのが基本で、湿布はかぶれやすい子もいるため無理に使わなくて大丈夫です。お風呂は当日は短めにし、温めて痛みや腫れが増すようなら控えましょう。
Q爪の下が黒い(血豆みたい)ときは受診が必要?
A痛みが軽く指も動かせるなら、爪が伸びるのを待って様子を見ることが多いです。ズキズキする痛みが強い、爪が浮く、出血が続く場合は処置が必要なことがあります。
Q痛がるけど動かせる。様子見でいい?
A冷やして落ち着き、腫れが増えず、手を使えるならまず様子見も可能です。ただ、痛みが強いまま、腫れや内出血が広がる、指先の色が悪いなどがあれば早めに受診を。
Q指を挟んだとき、病院は何科に行けばいい?
A迷ったら小児科に相談し、必要なら整形外科などを案内してもらうと安心です。指が動かしにくい、形が気になる、腫れが強い時はレントゲン相談もしやすい受診先を選びましょう。
まとめ:応急処置と予防で「次の事故」を減らそう
指を挟んだ直後は、まず落ち着いて「出血の有無・腫れ・内出血・指先の色・動かせるか」を確認し、基本は冷やす(必要なら圧迫して止血)で対応します。時間差で腫れが強くなることもあるので、その日は無理をさせず、痛みや腫れが増える・色が悪いなどがあれば早めに相談しましょう。
また、繰り返しやすい事故だからこそ、見張るよりも環境づくりが効果的です。蝶番(ちょうつがい)側の隙間対策、ストッパーで「急に閉まらない」状態を作る、車のドアは閉める前に手の位置を確認する――この積み重ねが、ご家庭の安心につながります。
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