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子どもの便秘を食べ物で解消するには?食物繊維・水分・生活習慣と受診目安を小児科医が解説

子どもの便秘を食べ物で解消するには?食物繊維・水分・生活習慣と受診目安を小児科医が解説
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子どもの便秘が続くと、「食べ物で何とかできないかな」と心配になりますよね。便秘の改善には、食事(食物繊維)だけでなく、水分のとり方やトイレ習慣、体を動かすことも大切です。特に便が硬いタイプでは、水溶性食物繊維や水分が助けになり、出にくいタイプでは生活リズムづくりが効いてきます。一方で、痛みや出血がある、5日以上出ないなどは早めに受診が安心です。ご家庭でできる工夫と受診の目安を整理します。

子どもの便秘、まず押さえたいこと(「食べ物だけ」になりすぎない)

便秘は「食べ物を変えればすぐ治る」と思われがちですが、子どもの便秘は食事・水分・腸の動き・トイレ環境・我慢のクセが重なって起こることが多いです。特に一度「硬くて痛い」経験をすると、子どもは便意(うんちをしたい感覚)を我慢しやすくなり、腸に便がたまってさらに硬くなる悪循環に入りやすくなります。ここでは、便秘の基本とタイプの考え方、慢性化を防ぐポイントを整理します。


便秘とは?目安と、よくある「我慢」の悪循環

便秘は「何日出ていないか」だけではなく、出る回数が少ない、出すときに痛い、硬くてコロコロしている、出し切れずに少しずつ出る、お腹が張ってつらい、といった状態も含みます。

子どもの便秘でよくあるのが、硬い便で痛かった経験から、次の便意を我慢してしまうパターンです。我慢が続くと、腸の中で便の水分がさらに吸収されて硬くなり、次の排便がもっと痛くなります。この「痛い→我慢→もっと硬くなる」の流れを早めに断ち切ることが、解消の第一歩です。

便が硬いタイプ/出にくいタイプで考え方が変わる

便秘といっても、困り方はいくつかあります。たとえば「便が硬くて出ない」子もいれば、「便意があっても出しにくい(姿勢やトイレ環境が合っていない)」子もいます。もちろん両方が重なることもありますが、タイプを意識すると対策が選びやすくなります。

便秘のタイプ よくあるサイン まず優先したい方向性
便が硬い(カチカチ) コロコロ便、排便時に痛がる 水溶性食物繊維+水分で柔らかくする
出にくい(踏ん張れない/我慢しがち) トイレを嫌がる、便意を我慢する 朝食後のトイレ習慣+足置きで姿勢づくり

「うちの子はどっちが強そうかな?」と見立てるだけでも、次の一手が決めやすくなります。


早めに整えると楽になる理由(慢性化の予防)

便秘を放置すると、腸が便でいっぱいの状態が続き、便意を感じにくくなったり、少量ずつ漏れるように出たりして、ご家庭のケアだけでは立て直しにくくなることがあります。

大切なのは「出せた/出せない」で一喜一憂するより、便が硬くならない流れと、トイレに座る流れを作ることです。食べ物や水分、生活習慣の工夫で整う子も多い一方、痛みや出血がある、5日以上出ない、お腹が強く張る場合は、早めに小児科で相談して、必要に応じて薬(下剤など)も含めて「出す習慣」を作ることが治療になります。

【食事】便秘解消のカギは「2つの食物繊維」

便秘解消に「食物繊維が大事」というのはよく聞きますよね。実は食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、子どもの便秘ではこのバランスがとても大切です。便がカチカチで痛い子は「柔らかくする」方向が優先ですし、便の量が少なく腸の動きが鈍い子は「かさを増やす」方向も役立ちます。

水溶性食物繊維:便を柔らかくする(納豆・オクラ・わかめ等)

水溶性食物繊維は、水分を抱え込みやすく、便を柔らかくしてスムーズに動かしやすくしてくれます。カチカチ便のお子さんにまず取り入れたい成分です。

取り入れやすい食べ物としては、納豆、オクラ、なめこ、アボカド、わかめなどがあります。果物では、バナナやりんごなどが食べやすいことも多いです。急に量を増やすとお腹が張る子もいるので、まずは「いつもの一品に少し足す」くらいが安心です。

不溶性食物繊維:便のかさを増やす(いも類・豆類・きのこ等)

不溶性食物繊維は、便のかさを増やし、腸を刺激して動きを助ける働きがあります。さつまいも、かぼちゃ、ブロッコリー、きのこ、豆類などが代表的です。

ただし、便がすでに硬い子が不溶性ばかり増えると、便のかさが増えた分だけ出しにくく感じることもあります。そのため、水溶性食物繊維や水分とセットで考えるのがポイントです。

食べ物の取り入れ方:無理なく増やすコツ(少量から)

食物繊維は、がんばって一気に増やすより、毎日の中で自然に増える形が続けやすいです。まずは「水溶性+不溶性を少しずつ」を意識すると整いやすくなります。

目的 取り入れやすい例 ポイント
便を柔らかくしたい 納豆、わかめ、オクラ、なめこ 汁物や副菜に足すと続けやすい
便のかさも増やしたい さつまいも、かぼちゃ、きのこ、豆類 水分とセットで、増やしすぎない

「今日は納豆を一口食べられた」「味噌汁にわかめを入れられた」など、小さな積み重ねで十分です。

【腸内環境】発酵食品のプラスで続けやすく

便秘解消では、食物繊維を増やすことに目が向きやすい一方で、「腸内環境(腸の中のバランス)」を整える視点も大切です。発酵食品は取り入れやすいものが多く、毎日の習慣にしやすいのがメリットです。

ヨーグルト・味噌などを「毎日少し」で続ける

発酵食品は、ヨーグルト、チーズ、味噌、甘酒(アルコールなし)など、子どもが食べやすいものが多いのが特徴です。便秘解消は続けるほど効いてくる面があるので、「毎日少し」を目指すのがおすすめです。まずはお子さんの好みに合うものを1つ決めて、習慣化するところから始めましょう。

食物繊維と組み合わせる考え方(腸内のバランス)

発酵食品を取り入れるときは、食物繊維と組み合わせると続けやすくなります。たとえばヨーグルトにバナナを加える、味噌汁にわかめやきのこを入れる、といった形です。難しく考えすぎず、「発酵食品+食物繊維の一品」を1日1回作れたら十分、といった感覚で進めると負担が減ります。

合わないサイン(お腹の張り・痛みなど)があるときの対応

どんなに体に良い食べ物でも、体質やタイミングによって「合わない」ことはあります。お腹が張って苦しそう、痛がるなどが出たら、いったん量を減らしたり、別の食品に変えてみたりして構いません。便秘が強い状態で急に食物繊維を増やすと張りやすいこともあるので、少量からが基本です。

【水分】量より「こまめに+タイミング」

便は食べたものでできていますが、同じくらい大事なのが水分です。水分が足りないと便は硬くなり、排便がつらくなってしまいます。子どもは飲む量が少なくなりやすいので、便秘のときは特に「飲ませ方」を工夫すると効果が出やすいです。

水分が足りないと便が硬くなる理由

体の水分が不足気味になると、腸はさらに水分を回収しようとして、便がカチカチになりやすくなります。食物繊維を増やしても水分が少ないと固まりやすいので、水分は食事とセットで考えるのが大切です。

朝起きてすぐの一杯で腸を動かす(ぜん動運動)

朝起きてすぐに水(または牛乳)を一杯飲むと、胃腸が刺激されて腸のぜん動運動(腸が波のように動く働き)が始まりやすくなります。朝食後のトイレタイムにつなげると「出やすいリズム」が作りやすいです。最初は数口でも十分です。

飲み物の選び方(ジュースより水・お茶を基本に)

水分は、糖分の多いジュースで補うより、水やお茶を基本にするのがおすすめです。生活の節目で少しずつ飲める環境を整えると続けやすいです。コップよりストローマグの方が飲みやすい子もいます。

【生活習慣】「出やすい体」を作るトイレ習慣

食事や水分を整えても、生活リズムやトイレ環境が合わないと、便秘はなかなか改善しません。腸が動きやすい時間帯にトイレへ行く「流れ」を作り、踏ん張りやすい姿勢を整えてあげることがとても大切です。

朝食後のトイレタイム(5分座る習慣)

朝食後は腸が動きやすい時間です。「朝ごはんの後に5分だけトイレに座る」をルーティンにしてみましょう。出る・出ないで評価せず、体が「この時間に出す」と覚えることを狙います。

足置き台の工夫:踏ん張りやすい姿勢づくり

足が床につかず浮いていると踏ん張れません。足置き台を使って、膝が腰より少し高い位置になるようにすると出やすくなります。補助便座で体が安定する子もいます。

工夫 ねらい
足置き台を置く 足が踏ん張れて腹圧をかけやすい
膝を腰より少し高く 出しやすい姿勢に近づく
補助便座を使う 体が安定して怖さが減る

運動と「のの字マッサージ」で腸の動きを助ける

体を動かすと腸の動きも助けられることがあります。乳幼児ならハイハイや歩行、少し大きい子なら外遊びで十分です。おへそを中心に「の」の字を書くように優しくなでる“のの字マッサージ”も続けやすいケアです。

受診の目安と治療:家庭ケアだけで頑張らないで

便秘は「食べ物を変えればそのうち治る」と思われがちですが、痛みや我慢が続くと改善に時間がかかりやすくなります。医師と一緒に「痛くない排便」と「出す習慣」を作ることが大切です。

痛み・出血がある/お腹が張るときは早めに相談

排便時に痛がって泣く、便に血がつく(肛門が切れている可能性)といった場合は、早めに小児科へ相談してください。お腹がパンパンに張って苦しそう、食欲が落ちる、吐き気があるときも、便がたまってつらくなっていることがあります。

5日以上出ないときに考えること(便がたまりすぎる)

5日以上出ない場合は、腸に便がたまりすぎて、家庭ケアだけでは動かしにくくなっていることがあります。日数が長いほど、痛みや我慢の悪循環が強まりやすいので、受診して安全に方針を立てるほうが結果的に早くラクになることが多いです。

薬(下剤など)で「出す習慣」を作るのも治療の一部

便秘の治療では、必要に応じて薬(下剤など)で便を柔らかくし、「痛くない排便」を経験させることが大切です。例として、酸化マグネシウムなどが使われることがあります(量や適応は医師が判断します)。薬は悪循環を断ち切って“出す習慣”を作るための治療の一部です。

よくある質問

  • Q便秘解消におすすめの食べ物は?まず何から増やす?

    Aまずは水溶性食物繊維(納豆・わかめ・オクラなど)と水分を意識し、便を柔らかくするところからがおすすめです。急に増やさず少量から試しましょう。

  • Q水分はどれくらい?飲ませるタイミングのコツは?

    A一度にたくさんより、こまめに一口ずつが基本です。朝起きてすぐの一杯は腸のぜん動運動のきっかけになり、朝食後のトイレ習慣にもつなげやすいです。

  • Qトイレに座らせても出ないときはどうする?

    A出る・出ないで評価せず、朝食後に5分座る習慣を続けましょう。足置き台で踏ん張りやすい姿勢を作ると出やすくなります。痛がる時は受診を。

  • Q何日出なかったら受診したほうがいいですか?

    A目安は5日以上です。加えて、痛み、出血、お腹の張り、食欲低下がある場合は早めに小児科へ。家庭ケアだけで抱え込まないでください。

  • Q便に血がついた/痛がるときは受診が必要?

    A受診をおすすめします。肛門が切れて痛いと「我慢」の悪循環になりやすいからです。便を柔らかくして痛くない排便を作る治療が助けになります。


まとめ:焦らず、毎日の小さな積み重ねで整えていこう

子どもの便秘は、食べ物だけでなく、水分のとり方や生活習慣、トイレ環境、そして「痛いから我慢する」という悪循環が重なって起こることが多いです。まずは、便が硬いタイプなら水溶性食物繊維(納豆・わかめ・オクラなど)と水分を意識し、便のかさを増やしたい場合は不溶性食物繊維(いも類・豆類・きのこなど)もバランスよく取り入れてみましょう。発酵食品(ヨーグルト、味噌など)を少しずつ続けるのも、腸内環境を整える助けになります。

あわせて、朝起きてすぐの一杯→朝食後のトイレタイム(5分座る)という流れを作り、足置き台で踏ん張りやすい姿勢を整えると、出やすいリズムが育ちます。便秘の改善には時間がかかることも多いので、「今日はお水が飲めたね」「野菜を一口食べられたね」と小さな変化をほめながら、焦らず続けていきましょう。

一方で、排便時に痛がって泣く・出血がある、お腹が強く張っている、5日以上出ないなどの場合は、家庭ケアだけで頑張りすぎず小児科で相談してください。薬(下剤など)で便を柔らかくし「痛くない排便」を作って“出す習慣”をつけることも、立派な治療です。

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監修
先生 風間 尚子
風間 尚子先生
小児科専門医
現在、日本赤十字社医療センター非常勤医・ミル訪問クリニック・吉原医院に勤務。小児科専門医、PALS(小児二次救命処置)インストラクターとして救急対応にも精通。

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