皮膚症状

子どものしもやけの治し方は?原因(寒さ・温度差・湿気)と家庭ケア・予防、受診の目安を小児科医が解説

子どものしもやけの治し方は?原因(寒さ・温度差・湿気)と家庭ケア・予防、受診の目安を小児科医が解説
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冬になると指先や足の指が赤く腫れて「痛い」「かゆい」と訴えることがあります。しもやけ(凍瘡)は寒さや温度差で血行が乱れ、汗や濡れも重なると起こりやすい状態です。家庭でのケアと予防、受診が必要なサインを整理します。

まず確認:しもやけの症状と「受診したいサイン」

しもやけ(凍瘡)は、寒さや温度差で血行が乱れ、手足の末端(指先・足の指など)が赤く腫れて、かゆみや痛みが出る状態です。子どもは体温調節が未熟で、汗や濡れ(靴下・手袋)も重なると起こりやすくなります。多くは家庭ケアで落ち着きますが、皮膚が傷つくと感染(とびひ等)につながることも。まずは「よくある症状」と「病院で確認したいサイン」を整理しましょう。

赤く腫れる・かゆい・痛い(指・足・手足の先に出やすい)

しもやけでは、指先や足の指、手足の甲などが赤〜赤紫っぽく腫れ、むずがゆさや痛みが出ることがあります。寒い屋外から暖かい室内に入った時や、お風呂で急に温まった時に、かゆみが強くなることも少なくありません。

左右両方に出ることもあれば、靴が当たる場所など部分的なこともあります。「触ると痛い」「かゆくて掻きたがる」など、日常の困りごととして把握しておくのが大切です。

水ぶくれ/皮がむけてジュクジュク/とびひが心配なとき

皮膚が強く炎症を起こしたり、掻き壊したりすると、治りにくくなったり、感染を起こしたりします。次のような状態があれば、小児科や皮膚科で相談しましょう。

  • 水ぶくれがある、皮がめくれてジュクジュクしている
  • かき壊して血がにじむ、かさぶたが増える
  • 赤みや腫れが広がる、熱感(触ると熱い感じ)が強い
  • とびひ(じゅくじゅくが周りに広がる)を疑う

早めに薬で炎症とかゆみを抑えると、掻き壊しが減って楽になることが多いので、「迷ったら相談」で大丈夫です。

痛みが強く歩きたがらない・春になっても改善しないとき(別の病気も)

痛みが強くて靴を嫌がる、歩くのを嫌がる、夜に痛がって眠れないなど、生活に支障が出ている場合は受診の目安です。

また、気温が上がる春になってもなかなか良くならない、毎年ではないのに急に強く出る、ほかの症状(発熱、だるさ等)が気になる、といった時は、しもやけ以外の皮膚の病気や、まれに別の病気が隠れていないかも含めて確認します。必要以上に心配しなくて大丈夫ですが、長引く時ほど「一度見てもらう」と安心です。

なぜ起こる?子どものしもやけの原因(血行不良がベース)

しもやけの大きな原因は、寒さや温度差で血管(血の通り道)が縮んだり広がったりして、血流がうまく保てなくなることです。血液が届きにくい手足の先ほど影響を受けやすく、子どもは体温調節が未熟な分、条件がそろうと起こりやすい傾向があります。ここでは「寒さと温度差」「体質」「湿気(濡れ)」の3つに分けて、再発予防につながる見方を整理します。

「寒い+温度差」で血管が収縮し、血流が滞る

寒い場所では血管が収縮して血流が減りやすく、そこに室内の暖かさや入浴などで急に温まる刺激が加わると、血流の調整が追いつかず炎症が起こりやすくなります。特に、1日の最低気温が5℃前後で、日中との温度差が大きい時期は要注意です。「朝夕は冷えるのに、日中は暖かい」季節の変わり目(秋〜冬)は、しもやけの相談が増えやすいタイミングです。

汗っかき・血行が滞りやすい体質は起こりやすい

同じ寒さでも、しもやけになりやすい子となりにくい子がいます。汗をかきやすい子は、手袋や靴下の中が湿りやすく、冷えの条件がそろいやすいのがポイントです。また、手足が冷えやすい体質(末端が冷たくなりやすい)だと、血行が乱れやすくなります。「うちの子は冬になると手足が冷たい」「靴下がすぐ湿る」などは、予防のヒントになります。

濡れた靴下・手袋(湿気)が悪化の引き金になる

湿気は見落としやすい原因です。濡れた靴下・手袋をつけたままだと、水分が蒸発するときに皮膚の熱が奪われて、手足が一気に冷えやすくなります。雪遊びや雨の日だけでなく、長靴の中の蒸れ、室内で走り回って汗をかく、などでも起こります。

つまり「寒い+温度差」に、濡れ(湿気)が加わるほど、しもやけは悪化しやすいと覚えておくと対策が立てやすいです。

家庭でできる治し方(対処法):血行を整えて炎症を落ち着かせる

しもやけになってしまった時は、「血行を整えること」と「掻き壊して悪化させないこと」が大切です。急に熱く温めると、かゆみが強まって掻いてしまうこともあるため、やり方は“やさしく・段階的に”が基本になります。ここでは、ご家庭で取り入れやすいケアとして、交代浴、保湿しながらのマッサージ、かゆみが強い時の冷やし方を紹介します。

交代浴:ぬるま湯(例:40℃)と冷水を交互に、最後は温めて乾かす

40℃程度のぬるま湯と冷水に、手足を交互につける「交代浴」は、血流を促すケアとして取り入れられることがあります。ポイントは、熱すぎない温度で短時間から始めることと、最後は必ず温め側で終えることです。

終わったら水分をしっかり拭き取り、冷えないように保温しましょう。痛みが強い時や、皮膚がめくれている時は無理をせず、受診で相談すると安心です。

保湿しながら「やさしく」マッサージ(こすりすぎない)

しもやけの部位は、皮膚が敏感で傷つきやすくなっています。保湿クリームなどで滑りをよくして、指先を“軽くほぐす”程度にやさしくマッサージすると、ケアがしやすくなります。強くこすると皮膚を傷めて悪化することがあるので、「痛くない強さ」が基準です。
医療機関では、状態に応じてヘパリン類似物質やビタミンE配合の外用薬(塗り薬)などを使うこともありますが、まずは家庭では“保湿+やさしさ”を徹底しましょう。

かゆみが強いときは一時的に冷やす(かき壊し予防)

しもやけは、温まった時にかゆみが強くなることがあります。かき壊すと皮膚が破れて、とびひなどの感染につながることもあるため、かゆみが強い時だけ一時的に冷やして落ち着かせるのは有効です。

保冷剤を直接当てると冷えすぎるので、タオル越しに短時間、軽く冷やすのが安全です。「冷やしっぱなし」ではなく、かゆみを抑えて掻かない時間を作る、という目的で使ってください。

しもやけを繰り返さない対策(予防):冷やさない・濡らさない・締め付けない

しもやけは一度できると、同じ冬に繰り返しやすいのが悩ましいところです。予防の基本は「冷やさない・濡らさない・締め付けない」の3原則。難しいことを足すより、毎日の生活の中で“冷えと湿気の時間を減らす”ことが近道です。まずは靴下や手袋の濡れ対策、次に防寒の選び方、最後に帰宅後の温め方の注意点を整理します。

靴下・手袋は「濡れたら替える」(長靴の蒸れもチェック)

濡れは、皮膚の熱を奪ってしもやけを起こしやすくします。雨や雪の日だけでなく、汗や長靴の蒸れでも靴下が湿ることがあります。「帰宅後に靴下がしっとりしている」「手袋が湿っている」なら、冷えの時間が長かったサインです。替えを用意して、濡れたら交換できるだけでも予防になります。

防寒は手足の末端まで(手袋・厚手の靴下、きつい靴は避ける)

寒さから守るには、手足の先まで温度を保つ工夫が大切です。ただし、きつい靴やきつい靴下は血行(血流)を悪くし、逆にしもやけの原因になり得ます。防寒は「厚くする」より「締め付けない」ことを優先し、指先が動かせる余裕があるサイズ感を目安にすると安心です。

帰宅後は早めに保温(ストーブの近づけすぎ=低温やけどに注意)

外から帰ったら、冷え切る前に手足を温め直すのがポイントです。とはいえ、ストーブに近づけすぎたり、熱いところに長く当てたりすると低温やけどの心配があります。急に熱く温めると、かゆみが強まって掻き壊すきっかけにもなるため、「じんわり」「短時間」「無理しない」を意識しましょう。

薬や治療は必要?小児科・皮膚科で相談できること

しもやけは、軽い場合は家庭ケアで落ち着くことも多い一方で、痛みやかゆみが強かったり、皮膚が傷ついてきたりすると、薬で炎症を抑えた方が早く楽になることがあります。

特に子どもは掻き壊しやすく、とびひなどの感染につながると治りが長引きます。ここでは、医療機関で相談できる治療の考え方と、受診時に伝えると整理しやすいポイントをまとめます。

塗り薬(ビタミンE配合、ヘパリン類似物質など)でケアすることがある

しもやけでは、血行を促す目的でビタミンE配合の外用薬(塗り薬)を使ったり、乾燥や刺激を減らすために保湿系の外用薬(ヘパリン類似物質など)を使ったりすることがあります。

どれが合うかは皮膚の状態(赤み、腫れ、乾燥、傷の有無)で変わるため、自己判断で増やしすぎず、いまの症状に合うものを相談すると安心です。塗り方の回数や量も、年齢や生活に合わせて調整してもらえます。

炎症やかゆみが強い場合は別の薬を使うことも(医師の判断で)

かゆみが強くて掻き壊してしまう、痛みが強い、水ぶくれやジュクジュクが出ている、などの場合は、炎症をしっかり抑える薬が必要になることがあります。

また、掻き壊しから感染が疑われる時は、抗生剤(細菌を抑える薬)を含めて検討されることもあります。大切なのは「我慢させる」より、症状を早めに落ち着かせて皮膚を守ることです。受診して方針が決まるだけでも、家庭でのケアがやりやすくなります。

受診時に伝えるとよいこと(いつから・濡れやすい環境・痛みの程度)

診察では、原因(寒さ・温度差・湿気)と、皮膚の傷の有無を整理できるとスムーズです。次の点をメモしておくと役立ちます。

  • いつから/どの部位(指、足、耳たぶ等)に出たか
  • かゆみ・痛みの強さ(眠れるか、歩けるか、靴を嫌がるか)
  • 濡れやすい状況(雪遊び、雨、汗っかき、長靴の蒸れ)
  • 水ぶくれ、皮むけ、ジュクジュク、かさぶたの有無
  • 家庭で試したケア(保湿、交代浴、冷やした 等)

「どの薬が合うか」も含めて、今の状態に合わせた対処を一緒に決めてもらいましょう。


よくある質問

  • Qしもやけは何日くらいで改善しますか?

    A軽い場合は数日〜2週間ほどで落ち着くことがありますが、寒さが続くと長引きやすいです。痛みが強い・傷がある時は早めに受診すると安心です。

  • Qお風呂で温めると、かゆみが強くなるのはなぜ?

    A急に温まると血流が変化してかゆみが強まることがあります。熱いお湯は避け、ぬるめで短時間にし、掻き壊しそうな時は一時的に冷やしてOKです。

  • Q交代浴は毎日していい?どれくらいの時間?

    A痛みが強くなければ試すことはありますが、無理は禁物です。短時間から始め、最後は必ず温めて終え、よく拭いて保温を。傷や水ぶくれがあれば受診を優先します。

  • Qワセリンや保湿だけで治せますか?

    A軽いしもやけなら、保湿で刺激を減らし、冷えと濡れ対策を徹底するだけで楽になることもあります。赤みや腫れが強い、痛い時は薬が必要な場合もあります。

  • Qしもやけを予防する一番のコツは?

    A基本は「冷やさない・濡らさない・締め付けない」です。濡れた靴下や手袋は早めに交換し、きつい靴は避け、帰宅後はじんわり温めて血行を整えましょう。

  • Q小児科と皮膚科、どちらを受診すればいいですか?

    Aどちらでも相談できます。皮膚の傷・ジュクジュク・水ぶくれが目立つ時は皮膚科が得意で、全身の体調も含めて相談したい時は小児科でもOKです。


まとめ:冬のスキンケアの一環として、早めのケアで悪化を防ごう

冬場のしもやけ(凍瘡)は、寒さや温度差で血行が乱れ、指先や足の指が赤く腫れて、かゆみや痛みが出る状態です。子どもは体温調節が未熟で、汗や濡れた靴下・手袋、長靴の蒸れなど「湿気」も重なると起こりやすくなります。

治し方の基本は、血行を整えて炎症を落ち着かせ、掻き壊しを防ぐことです。交代浴(ぬるま湯と冷水を交互に、最後は温めて終える)、保湿しながらのやさしいマッサージ、かゆみが強い時だけ短時間冷やす、などを無理のない範囲で取り入れてみてください。予防は「冷やさない・濡らさない・締め付けない」の3原則が軸になります。

一方で、水ぶくれやジュクジュク、強い痛みで歩きたがらない、春になっても改善しないなどがあれば、早めに小児科や皮膚科で相談しましょう。薬で炎症を抑えた方が早く楽になることもあります。


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監修
先生 風間 尚子
風間 尚子先生
小児科専門医
現在、日本赤十字社医療センター非常勤医・ミル訪問クリニック・吉原医院に勤務。小児科専門医、PALS(小児二次救命処置)インストラクターとして救急対応にも精通。

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