子どもの胃腸炎の過ごし方|受診前後の対応と小児科クリニックでの注意点を解説

お子さんが突然吐いたり下痢をしたりすると、保護者の方は不安でいっぱいになりますよね。胃腸炎(嘔吐下痢症)は特効薬がないことも多く、回復のカギは「受診までの過ごし方」にあります。まずは吐いた直後に胃を休ませ、少量・頻回の水分補給へ切り替えることが大切です。さらに、受診時は院内で二次感染を広げない工夫も欠かせません。受診の目安も確認しながら、無理のない手順で進めましょう。
Contents
胃腸炎のとき「最初にやること」:吐いた直後〜受診を決めるまで
お子さんが吐いた直後は、保護者の方もパニックになりやすいですよね。胃腸炎(嘔吐下痢症)では、最初の数時間の対応で「吐き戻しの回数」や「脱水(体の水分が不足した状態)」のリスクが変わります。まず大切なのは、胃を休ませて吐き気を落ち着かせること。次に、受診の判断に役立つ情報をメモし、必要なときは早めに医療機関へつなげます。ここでは、吐いた直後の過ごし方と、受診の目安を整理します。
吐いた直後は「いったん何も与えない」(胃を休める)
吐いた直後に水分を飲ませると、それが刺激になってまた吐いてしまうことがあります。まずは姿勢を整え、胃を少し休ませましょう。楽な体勢は横向き(吐いたものが喉に詰まりにくい)です。口の周りを拭いて、落ち着くまで抱っこしても構いません。
目安として、吐き気が強い間は無理に飲食を進めず、しばらく静かに過ごします。吐いていない時間が増えてきたら、そこではじめて「少量・頻回」の水分へ切り替えます。焦って食べさせる必要はありません。
受診前に記録しておくポイント(嘔吐・下痢・尿・発熱)
診察では「何がどれくらい起きているか」が分かると判断が早くなります。完璧でなくてよいので、次の点だけメモしておくと安心です。嘔吐は、何時頃に何回、どんな内容(食べたものがそのまま、黄色い液など)か。
下痢は回数と状態(水っぽい、泥状、血が混じるなど)。そして大切なのが、おしっこが最後に出た時間です。発熱がある場合は体温と、解熱剤を使ったかどうかも控えておくと役立ちます。スマホのメモで十分です。
受診が必要な目安(脱水・ぐったり・血便など)
胃腸炎は自宅で様子を見られることも多い一方で、脱水が進むと点滴などが必要になることがあります。次のサインがないか確認してください。
- 水分がほとんど取れない/飲んでもすぐ吐く
- 半日以上おしっこが出ない、尿が極端に少ない・色が濃い
- ぐったりして反応が弱い、視線が合いにくい
- 血便、強い腹痛、吐いたものに血が混じる
- 高熱が続く、様子が明らかにいつもと違う
当てはまる場合は、早めに小児科や救急外来へ相談してください。迷う時点で相談して大丈夫です。
受診「前」:お家での初期対応と準備
吐き気が少し落ち着いてきたら、次は「回復を早める過ごし方」に切り替えます。胃腸炎では、脱水(体の水分が不足した状態)を防ぐことが最優先です。一方で、焦って一度に飲ませたり食べさせたりすると、吐き戻しが増えてつらくなることもあります。ご家庭では、水分補給のペースを整えつつ、安静を保ち、家族にうつさない工夫も最低限押さえると安心です。ここでは、受診前に家でできる準備を整理します。
水分は「少しずつ・何度も」へ切り替えるタイミング
吐かない時間が続いてきたら、少量ずつ水分を試します。目安として「30分〜1時間吐いていない」なら開始を検討してよいことが多いです。進めやすいのは、スプーン1杯(5ml程度)を30分おきに、という形です。1時間ほど吐かずに飲めたら、量や回数を少しずつ増やします。
飲み物は経口補水液が選びやすいですが、飲めない場合は水やお茶でも構いません。大切なのは「一度にたくさん」ではなく「細かく続ける」ことです。
家庭での過ごし方(安静・寝かせ方・トイレ/おむつ替え)
体力を消耗しているので、基本は安静です。眠れるなら寝かせて大丈夫で、無理に起こして食べさせる必要はありません。嘔吐がある間は、横向きで寝かせると安心です。おむつ替えやトイレの介助は、慌てるほど汚れが広がりやすいので、使い捨て手袋やペーパーがあると片付けが楽になります。
下痢でお尻が荒れやすい子もいるので、こすらずに優しく拭き、可能ならぬるま湯で流してから保湿すると痛みが減りやすいです。続けられる形でやりましょう。
家族にうつさない最低限(手洗い・タオル/食器の分け方)
胃腸炎は家庭内で広がりやすいので、やることを絞って続けるのがコツです。保護者の方は「手洗い」と「共有を減らす」を優先してください。
- 手洗い:トイレやおむつ替え、食事前は石けんで丁寧に
- 共有を避ける:タオル・コップ・食器は分ける(ペーパータオルも有効)
- 処理後の流れ:吐物や便の処理→手袋を外す→手洗い、までをセットにする
完璧に隔離しなくても大丈夫です。最低限を続けるだけで、家族が倒れるリスクを下げられます。
クリニック受診時の注意点:院内で二次感染を広げない工夫
胃腸炎(嘔吐下痢症)は感染力が強いことがあり、受診の仕方で院内や家族への広がり方が変わります。「診てもらう」だけでなく、「周りにうつさない」動き方も一緒に考えると安心です。受診前に電話で状況を伝えると、別室待機や車待機などを案内してもらえることがあります。移動中や待合室で吐いてしまうこともあるので、備えをしておくと落ち着いて行動できます。
受診前に電話で伝える(嘔吐下痢・年齢・最終嘔吐時刻)
受診前に電話できるなら、「嘔吐下痢がある」ことを先に伝えるのがおすすめです。年齢、症状(嘔吐・下痢・発熱の有無)、最後に吐いた時間、おしっこの時間、ぐったりの有無を短くまとめておくと伝えやすいです。
院内での二次感染を防ぐため、隔離室に通してもらえたり、到着後の動線を案内してもらえたりすることがあります。可能なら電話連絡は大きな助けになります。
持ち物:エチケット袋・着替え・母子手帳(必要時)
待合室での「急な嘔吐」に備えるだけで、気持ちがかなり楽になります。ビニール袋に新聞紙やペーパーを入れたエチケット袋を作り、すぐ取り出せる場所に入れておきましょう。吐いた後に拭けるペーパー、手袋、着替え(下着含む)もあると安心です。
赤ちゃんの場合は、おむつとおしり拭きも多めに。診察では予防接種歴などを確認することがあるので、母子手帳が必要な場面もあります。準備があるだけで移動中の不安が減ります。
下痢の便は「持参」か「写真」で伝える(血・白っぽさ等)
下痢は言葉で伝えにくいので、状態が分かる情報があると診察がスムーズです。血が混じる、黒っぽい、白っぽい、いつもと明らかに違う色、強い腹痛がある、といった場合は、便のついたおむつを持参するか、スマホで写真を撮って見せる方法があります(持参の際は密封してください)。
無理に用意できなくても大丈夫ですが、「いつから」「何回」「どんな見た目」を一言で言えるだけでも役に立ちます。
受診「後」:帰宅してからの過ごし方(回復を早めるルーティン)
診察が終わって帰宅すると、少しホッとしますよね。ここからの過ごし方で、回復のスピードとご家庭の負担が変わります。胃腸炎では、体力を消耗しているため「休ませること」と「脱水を防ぐこと」が最優先です。
一方で、早く良くなってほしくて飲ませすぎたり食べさせすぎたりすると、吐き戻しが増えてつらくなることもあります。少量・頻回の水分補給を軸に、眠れる環境と片付けの動線を整えていきましょう。
水分補給のゴールデンルール(5分おき・スプーン1杯から)
帰宅後も、水分は「一度にたくさん」ではなく「少しずつ、何度も」が基本です。吐き気が残っているときは、まずスプーン1杯(5ml程度)を30分おきに。1時間ほど吐かずに飲めるなら、少しずつ量や回数を増やしていきます。
迷ったら「飲ませて吐く」より「少なめで続ける」を選ぶと失敗しにくいです。経口補水液が飲めれば選びやすい一方、嫌がる場合は水やお茶でも構いません。尿が出ているかも一緒に見ましょう。
眠れるなら寝かせてOK(無理に起こさない・体力温存)
胃腸炎は体力勝負なので、眠れるなら寝かせて大丈夫です。「脱水が心配で起こしたい」と感じることもありますが、起こして無理に飲ませると吐きやすい子もいます。
まずは落ち着いた睡眠で体力を回復させ、起きたタイミングで少量ずつ水分を進めるほうがうまくいくことが多いです。嘔吐がある間は横向きで寝かせ、枕元にタオルや袋を置いておくと安心です。夜間に吐く・ぐったりするなど変化があれば相談しましょう。
入浴・お尻ケア・片付けのポイント(負担を増やさない)
嘔吐や下痢が続いているときは、入浴で体力を使ってしまうことがあるため、無理は不要です。体を拭く、汚れた部分だけシャワーで流すなどで十分な日もあります。下痢のときはお尻が荒れやすいので、こすらず優しく拭き、可能ならぬるま湯で流して保湿すると痛みが減りやすいです。
片付けは完璧を目指さなくて大丈夫です。吐物や便で汚れた物は密封して分け、処理のあとは石けんで手洗い、までをセットにすると二次感染を減らしやすくなります。
食事の再開ステップ:何をいつから食べる?(下痢がある時のコツ)
食事は「早く食べさせたほうが治るのでは?」と焦りやすいですよね。ですが、吐き気が強い時に無理に食べると、吐き戻しが増えてつらくなることがあります。
基本は、水分が安定して取れるようになってから、消化のよいものを少量ずつ再開することです。おうちの方は「食べられない=悪化」と決めつけず、まずは体力を温存しながら、胃腸に負担をかけない順番で進めていきましょう。
食事は「お腹が空いた」からで十分(再開の目安)
食事の再開は、本人が「お腹空いた」と言える(または欲しがる)くらいが目安です。吐き気が落ち着かないうちは、無理に食べさせる必要はありません。先に水分が安定して取れることが大切で、少量ずつ飲めて尿が出ているなら、食事は遅れても大丈夫なことが多いです。
短期間「食べない」ことより、吐いて水分が保てないことのほうが問題になりやすいです。水分が落ち着いてきたら、一口、二口から始めて、様子を見ながら増やしましょう。
おすすめ:おかゆ・うどん等(少量から段階的に)
再開する食事は、胃腸に負担が少ない炭水化物からが基本です。ご家庭では、次のようなものを少量ずつ試すと進めやすいです。
- おかゆ、うどん、食パン
- 野菜スープ(脂が少ないもの)
- すりおろしりんご、バナナ
ポイントは「少量→休憩→少量」のリズムです。食べた後に気持ち悪そうなら一度戻して、水分中心に切り替えます。下痢が続いている場合も、まずは胃腸が受け入れられる量で進めることが大切です。
避けたい:揚げ物・乳製品・柑橘ジュース等(腸を刺激しやすい)
胃腸が弱っている時は、脂っこいものや刺激になるものは下痢を長引かせることがあります。回復するまで数日は、揚げ物など脂質が多いもの、乳製品、甘いジュース、柑橘系のジュース、生野菜などを控えるのが安心です。
もちろん個人差はありますが、「消化に良いものを少しずつ」が基本です。欲しがっても、まずは回復を優先して、落ち着いてから戻していきましょう。
再受診の目安:こんな時は我慢しないで(夜間は救急も)
いったん受診して帰宅しても、胃腸炎は波があり、「夜に悪化した」「翌日に水分が取れなくなった」ということもあります。再受診の判断で大切なのは、症状の回数よりも、脱水(体の水分が不足した状態)と全身状態です。
尿が出ているか、飲めているか、ぐったりしていないかを軸に見てください。ここでは、再受診を考えたいサインと、相談先の考え方を整理します。
脱水のサイン(尿が出ない・口が乾く・涙が出ない等)
再受診で一番多い理由が脱水です。吐く・下痢で水分が失われやすく、飲めないと一気に進みます。次のようなサインがないか確認してください。
- 半日以上おしっこが出ない/尿が極端に少ない、濃い
- 口の中が乾く、泣いても涙が少ない
- ぐったりして起きにくい、反応が弱い
- 水分を与えてもすぐ吐いてしまう/ほとんど飲めない
当てはまる場合は、早めに受診して点滴などが必要か確認するのが安心です。
吐き方が激しい/腹痛が強い/血便がある
吐き方がだんだん激しくなる、吐く回数が増える、強い腹痛で泣き続ける、血便が出る、吐いたものに血が混じるように見えるなどは、胃腸炎以外の病気が隠れていないかも含めて確認したいサインです。
また、吐いたものが緑色っぽい、いつもと違う強いにおいがするなど、気になる変化があるときも相談してよい場面です。「何か変」という感覚は重要なので、迷ったら我慢せず受診につなげてください。
受診先の考え方(小児科・救急外来・オンライン相談)
受診先は「いまの緊急度」で選ぶと整理しやすいです。ぐったりして反応が弱い、飲めない、尿が出ない、強い腹痛、血便などがあれば、時間帯によって救急外来の利用も考えます。
一方で、症状はあるが少し飲めていて翌朝まで待てそうなら、かかりつけ小児科へ相談する選択もあります。受診時に「嘔吐・下痢の回数」「最後の尿」「飲めた量」「発熱」「服薬(解熱剤など)」をメモしておくと伝えやすいです。
よくある質問
Q吐いた後、どれくらいで水分をあげていい?
A吐いた直後は胃を休ませ、30分〜1時間ほど落ち着いてから少量で開始します。スプーン1杯を5〜10分おきに。吐かなければ量と間隔を少しずつ増やします。
QOS-1とスポーツドリンク、どちらがいい?薄める?
A脱水が心配なら経口補水液が基本です。スポーツドリンクは糖分が多く下痢で負担になることがあるため、薄めるか量を控えめに。飲めるものを優先します。
Q食事はいつから再開?おすすめは?
A水分が安定して取れて、本人が欲しがる頃からで十分です。まずおかゆ、うどん、食パンなど消化のよいものを少量ずつ。吐き気が戻れば水分中心に戻します。
Qお風呂は入っていい?
A嘔吐や下痢が続く時は体力を消耗するため無理は不要です。汚れた部分だけ流す、体を拭くでもOK。入れるなら短時間にして、湯冷めや疲れに注意します。
Qきょうだいや家族にうつさない最低限は?
A石けんでの手洗い(トイレ後・食事前)を徹底し、タオルや食器の共有を避けます。吐物や便の処理後は手袋を外して手洗いまでをセットにすると続けやすいです。
Q症状が落ち着いた後、便はいつまでうつる?
A元気になっても便にウイルスが残ることがあります。おむつ替え後の手洗い、共有物を避ける工夫は、少なくとも1〜2週間は続けると安心です。
Q受診のとき、何を持っていけばいい?
Aエチケット袋、着替え、ペーパー類があると安心です。嘔吐・下痢回数、最後の尿、発熱、飲めた量をメモすると診察がスムーズ。便が気になる時は写真も有用です。
まとめ
胃腸炎(嘔吐下痢症)のときは、保護者の方も不安で頭がいっぱいになりますよね。回復を早めるコツは「早く食べさせる」より、まず胃を休ませて、少量・頻回の水分補給を続けることです。
受診前は嘔吐・下痢・尿の記録をとっておくと診察がスムーズになり、受診時は電話連絡やエチケット袋の準備などで院内の二次感染も減らしやすくなります。帰宅後は眠れる環境を整え、食事は水分が安定してから消化のよいものを少しずつで大丈夫です。
一方で、尿が出ない・ぐったり・水分が取れない・血便・強い腹痛などがあれば、我慢せず再受診や救急の相談をしてください。看病される方が倒れてしまうとご家庭が回らなくなるので、「うつらない工夫」も無理のない範囲で続けましょう。
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