子どもの胃腸炎は何日休む?保育園・学校の再開目安と家庭ケアを小児科医が解説

お子さんが胃腸炎(嘔吐下痢症)になると、「保育園・学校は何日休むの?」「下痢だけ残るときは?」と不安になりますよね。多くは“何日”と一律に決まらず、嘔吐や下痢の落ち着き方、食事がとれるか、元気さで判断します。登園・登校再開の目安、家庭での水分補給、うつさない工夫、受診のタイミングを小児科医の立場で整理します。
Contents
まず知っておきたい:胃腸炎(嘔吐下痢症)で起こる症状
胃腸炎(嘔吐下痢症)は、嘔吐や下痢でつらいだけでなく、体の水分が失われて脱水(体の水分が不足した状態)になりやすい病気です。症状の出方や回復の早さには個人差がありますが、よくある経過と注意点を押さえると、登園・登校の再開判断もしやすくなります。まずは症状の特徴、原因として多い病原体、脱水のサインを確認しましょう。
胃腸炎の主な症状(嘔吐・下痢・腹痛・発熱・吐き気)
多いのは突然の吐き気と嘔吐で、その後に水っぽい下痢が続く流れです。腹痛やだるさ、発熱を伴うこともあります。ただ、すべてがそろうとは限りません。嘔吐が先に止まって下痢だけ残る、逆に腹痛が強いなど、日によって波があるのもよくある経過です。
原因はウイルス(ノロウイルス・ロタウイルス)や細菌のことも
子どもの胃腸炎はウイルスが原因のことが多く、ノロウイルスやロタウイルスなどが代表的です。保育園や学校など集団生活で広がりやすく、家族にうつることもあります。一方で細菌(食中毒)が原因のこともあり、強い発熱や血便、激しい腹痛が続く場合は早めの受診が必要です。
脱水(体の水分が不足した状態)に注意が必要な理由
嘔吐や下痢が続くと、水分と塩分が失われて脱水が進みます。小さなお子さんほど体の水分の余裕が少なく、短時間でもぐったりしやすいのが特徴です。「飲めているか」「おしっこが出ているか」を軸に見守り、口の中が乾く、尿が少ない、泣いても涙が少ないときは早めに相談しましょう。
保育園・学校は「何日」休む?出席停止の考え方と基本の目安
子どもの胃腸炎でいちばん多いご相談が、「保育園や学校は何日休むべきですか?」です。インフルエンザのように“発症から何日”と一律に決まっていないことが多く、症状の落ち着き方と、普段どおりの生活ができるかで判断します。無理に早く戻すと、園で吐いてしまったり、体力が追いつかずぶり返したりすることもあります。ここでは「何日」よりも大事な、登園・登校再開の目安を小児科医の視点で整理します。
「発症から◯日」と決まっていないことが多い理由
胃腸炎は原因(ノロウイルス、ロタウイルス、細菌など)や年齢で経過が変わり、同じ病名でも「嘔吐が1日で止まる子」もいれば「下痢が数日続く子」もいます。そのため“何日休む”だけで安全に線引きしにくいのです。また、熱が下がっても食事がとれない、元気が戻らないなど、園生活に必要な体力が足りないこともあります。
大切なのは、症状が落ち着き、周囲にうつすリスクや本人の負担が減っているかを見ながら、園や学校のルールともすり合わせて判断することです。
登園・登校再開の目安:嘔吐が止まる/下痢が改善/食事と元気が戻る
登園・登校の判断は、「嘔吐」「下痢」「食事・活気」の3点で見ると整理しやすいです。嘔吐は止まっていること、下痢は水のような便が続いていないこと、そして水分だけでなく消化のよい食事が少しでもとれて元気が戻っていることが目安になります。迷ったときは、次のチェックを参考にしてください。
| 見るポイント | 登園・登校の目安(例) |
|---|---|
| 嘔吐 | 直近で吐いていない/吐き気が強くない |
| 下痢 | 水様便が改善し、回数が落ち着いてきている |
| 食事・活気 | 水分がとれ、食事も少しずつとれて普段に近い元気がある |
「園で過ごせるか」「園で吐くリスクが高くないか」を軸に考えると判断しやすくなります。
学校保健安全法での扱いと、園・学校の独自ルールを確認するポイント
学校保健安全法の枠組みでは、胃腸炎は“条件が整えば出席できる”扱いになることが多く、基本は本人の回復状況で判断します。一方で、保育園や学校は集団生活の場なので、「下痢が○回以下」「普通便に近いこと」「登園許可証(登園届)が必要」など、自治体や施設の独自ルールが設けられている場合があります。
とくに嘔吐があった日は、園側としても対応が必要になりやすいため、再開の前に電話や連絡帳で確認しておくと安心です。迷ったときは、かかりつけの小児科やオンライン診療で「今の症状で園生活が可能か」を相談してください。
再開のタイミングを見極める:ぶり返しを防ぐチェック
登園・登校を再開したあとに「園で吐いてしまった」「下痢が増えて結局また休むことに…」というケースは、実は珍しくありません。回復途中の胃腸はまだ敏感で、少しの負荷でぶり返すことがあります。そこで、日数だけで決めるのではなく、症状が落ち着いた“質”と、園生活に耐えられる体力が戻っているかを確認するのが大切です。ここでは小児科でよくお伝えしている、再開判断のコツを具体的に説明します。
「最後に吐いた(下痢した)あと24時間」ルールの考え方
ひとつの目安として使いやすいのが、「最後に吐いてから(あるいは強い下痢が続いていたなら最後の水様便から)丸1日ほどたち、その間に水分と食事がとれているか」を見る方法です。
24時間は絶対のルールではありませんが、少なくとも“半日で急いで戻す”より、ぶり返しを減らしやすくなります。夜間に吐いた場合は翌朝の登園は控え、日中に元気さ・食事・便の様子を確認してから判断するのがおすすめです。
下痢だけが続く場合:回数・水っぽさ・おむつ漏れで判断する
嘔吐は止まったのに下痢だけが残るのは、胃腸炎ではよくあります。ここで大事なのは「完全にゼロ」よりも、便の水っぽさが落ち着いてきたか、回数が普段に近づいているかです。
保育園のお子さんでは、おむつから漏れてしまうような水様便が続くと、本人もつらく周囲への対応も増えるため、もう少し休むほうが安心です。逆に軟便程度で回数も減り、食事と元気が戻っていれば、再開できることが多いです。
登園・登校して良いか迷ったときに確認したいこと(受診・相談の目安)
迷うときは「園で過ごせるか」を想像して、体調を点検しましょう。たとえば、水分がしっかりとれる、食事を少しでもとれる、顔色が良く遊べる、熱が落ち着いている、嘔吐がない、便が水様便から改善している、といった点です。
反対に、ぐったりしている、水分を飲むたびに吐く、尿が少ない、強い腹痛や血便がある、発熱が続く場合は、再開より先に受診が必要です。判断に迷ったら、早めに小児科やオンライン診療で相談してください。
早く回復して再開しやすくする家庭ケア:脱水予防と食事のコツ
胃腸炎の治療は、特別な薬よりも「脱水を防ぎ、胃腸を休める」ことが中心になります。おうちでのケアがうまくいくと、つらい時間が短くなり、登園・登校の再開もしやすくなります。反対に、一度にたくさん飲ませたり、無理に食べさせたりすると、吐き戻しや下痢の悪化につながることもあります。ここでは小児科でよくお伝えする、水分補給のコツ、食事の進め方、お尻のケアをまとめます。
水分補給は「少量・頻回」:吐き戻しを減らす与え方と経口補水液(例)
まず大切なのは水分です。一度にゴクゴク飲むと刺激で吐いてしまうことがあるので、「少量をこまめに」が基本になります。目安としては、スプーン1杯やペットボトルのキャップ1杯(5〜10mL)を、5〜10分おきに少しずつ与えます。
飲み物は経口補水液(OS-1など)が役立ちますが、味が苦手なお子さんもいるため、飲める範囲で続けましょう。スポーツドリンクは糖分が多く下痢が増えることがあるので、量や種類には注意してください。飲めているか迷うときは受診・相談をおすすめします。
食事の進め方:再開の目安と、園でも負担になりにくい食べ物の考え方
食事は、吐き気が落ち着き水分がとれるようになってからで十分です。最初はおかゆ、うどん、食パンなど消化のよい炭水化物から少しずつ始めます。園に戻った直後は、急に量を増やすより「いつもの半分くらい」を目安にして、お腹の様子を見ながら戻すとぶり返しを減らしやすいです。
揚げ物などの油物、乳製品、冷たい飲み物、果汁(酸味の強いもの)は腸の刺激になりやすいので、数日は控えめにしましょう。「食べたくない」は体が休みたいサインのこともあるので、無理に食べさせないで大丈夫です。
下痢のときのスキンケア:園で困りやすい「おむつ漏れ・お尻荒れ」を減らす工夫
下痢が続くと、お尻が荒れて痛くなり、園でも不機嫌になりやすいです。便のたびに強くこすらず、ぬるま湯で流すように洗う「座浴(ぬるま湯で洗うこと)」や、ぬれたガーゼでやさしく拭く方法が負担を減らします。乾いたら保湿剤や亜鉛華軟膏などを医師の指示のもとで使うと、しみる感じが軽くなることがあります。
おむつのお子さんはサイズを見直し、こまめに替えて漏れを減らす工夫も有効です。皮膚がただれてつらそうなときは、小児科で相談してください。
登園・登校を再開する前後の感染対策:園・学校に広げないために
胃腸炎は、症状が落ち着いた後もしばらく便にウイルスが出ることがあり、登園・登校を再開したタイミングで周りに広がってしまうのが心配ですよね。完璧に防ぐのは難しくても、「うつりやすい場面」と「押さえる手順」を知っておくだけでリスクは下げられます。
また、ご家庭での対策が整っていると、園側も安心して受け入れやすくなります。ここでは、便・嘔吐物の扱い、消毒の考え方、再開後に続けたい工夫を小児科医の視点で整理します。
いつ・どうやって「うつる」?便や嘔吐物の取り扱いで押さえる要点
胃腸炎が広がりやすいのは、便や嘔吐物に触れた手から口に入る「経口感染」です。おむつ替え、トイレ介助、嘔吐の片付け、汚れた衣類の扱いは特に注意が必要です。嘔吐物を処理するときは、次の手順を意識してください。
- 使い捨て手袋・マスクを着け、可能ならエプロンも使う
- 吐しゃ物をペーパーでそっと覆い、いきなりこすらない
- 覆った上から消毒液を含ませ、外側から内側へ拭き取る
- 使用物は袋を二重にして密閉して捨て、最後に手洗いする
慌てるほど飛び散りやすいので、落ち着いて「覆ってから処理」を心がけるだけでも違います。
消毒の基本:塩素系漂白剤が役立つ場面(アルコールが効きにくいことも)
家庭内でふだん使うアルコール消毒は便利ですが、胃腸炎の原因によっては効きにくいことがあります。そのため、嘔吐物や便が付着した可能性がある場所(床、トイレ周り、ドアノブなど)は、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)での消毒が役立つ場面があります。
とはいえ、濃度や取り扱いを誤ると刺激になることもあるため、使用時は製品の表示どおりに薄め、換気し、子どもの手が届かないように保管しましょう。消毒に迷うときは、園の指示や自治体の案内も参考にしてください。
洗濯・トイレ・持ち物:再開後に家庭で続けたい予防のコツ
再開後しばらくは、「家の中で広げない」「園に持ち込まない」を意識すると安心です。トイレの後と食事前は石けんと流水で手洗いを徹底し、タオルの共用はできれば避けましょう。汚れた衣類はそのまま洗濯機に入れず、まず汚れを落としてから洗うと広がりにくくなります。
園に持っていく水筒やカトラリー、タオル類は清潔なものに替え、体調が完全に戻るまでは無理をさせないことも大切です。できる範囲の対策で十分なので、継続しやすい形に整えていきましょう。
受診の目安:こんな症状があれば早めに医療機関へ
胃腸炎の多くは家庭での水分補給と休養で回復しますが、「様子を見ていいのか」「今すぐ受診すべきか」で迷う場面も多いと思います。判断のカギは、症状の重さそのものより、脱水(体の水分が不足した状態)や合併症のリスクが高くなっていないかです。
受診のタイミングが遅れると点滴などが必要になることもあるため、危険サインを早めに知っておくと安心です。ここでは、受診を急ぐサイン、細菌感染が疑われるケース、受診先の目安を整理します。
脱水が疑われるサイン(尿が少ない、ぐったり、涙が出ない など)
脱水が心配なときは、「飲めているか」だけでなく「出ているか(尿)」も合わせて確認しましょう。たとえば、半日以上おしっこが出ない、尿の色が濃い、口の中や唇が乾いている、泣いても涙が少ない、ぐったりして呼びかけへの反応が弱い、といった状態は早めの相談が必要です。
水分を飲ませてもすぐ吐いてしまい、少量頻回でも追いつかないときも注意してください。小さなお子さんほど進みやすいので、「まだ元気そう」に見えても無理は禁物です。
血便・強い腹痛・高熱が続くとき:細菌感染の可能性も
血便が出る、強い腹痛を繰り返す、高熱が続いてぐったりしている場合は、細菌が原因(食中毒など)の可能性も考えます。ウイルス性でも腹痛や発熱は起こりますが、痛みが強すぎる、便に明らかな血が混じる、顔色が悪い状態が続くときは自己判断せず受診してください。
また、嘔吐物が緑色っぽい、何度も吐いて水分が全く入らない、意識がぼんやりしているといった場合は、救急受診が必要になることもあります。迷うほど不安なときは、早めに相談しましょう。
受診先の目安:小児科/内科/クリニックで相談できること
基本は小児科が相談しやすいですが、近くに小児科がない場合は内科やクリニックでも診てもらえます。受診の際は、いつから症状が始まったか、嘔吐や下痢の回数、飲めている量、おしっこの回数、発熱の有無、周囲(園や家族)で流行しているかをメモしておくとスムーズです。医療機関では、脱水の程度を評価し、必要に応じて整腸剤や吐き気止め、点滴などを検討します。「家でのケアでよいか」を確認するだけでも安心につながるので、遠慮なく相談してください。
よくある質問
Q何日休むか、園や学校にどう説明すればいい?
A「嘔吐が止まり、下痢が改善し、食事と元気が戻ってきた」など、再開の目安をそのまま伝えるのがおすすめです。園の独自ルール(登園届など)があるため、事前に確認しておくと安心です。
Qきょうだいがいる場合、登園・登校はどうする?
Aきょうだいに症状がなく元気なら登園・登校できることが多いです。ただ、ノロウイルスなどは感染力が強いので、手洗い徹底・タオル共用を避けるなど家庭内の感染症対策はしっかり行いましょう。
Q仕事を休む判断の目安は?家で看病するときの注意点は?
Aまずはお子さんの脱水サイン(尿が少ない、ぐったり等)がないか確認し、必要なら受診を優先します。飲食業などは感染症対策が厳しいこともあるため、職場のルールに従い無理をしすぎないでください。
Q下痢だけが続くときは、いつまで休ませるべき?
A完全にゼロでなくても、水っぽさが落ち着き回数が普段に近づけば再開できることがあります。一方で、おむつ漏れする水様便が続く場合は園生活が難しいため、もう少しお腹を休めるのが安心です。
Q登園許可証(登園届)や診断書が必要なことはある?
A胃腸炎は一律の出席停止期間が決まらないことが多い一方で、自治体や園によって登園届や医師の意見書を求める場合があります。必要書類や提出方法は施設ごとに違うため、早めに確認しましょう。
Q症状が落ち着いたあと、いつから給食・運動・プールに戻せる?
Aまずは給食を少量から再開し、食べられて元気が保てるかを見ます。運動は回復直後は控えめにし、体力が戻ってから段階的に。プールは施設の基準があるため、園や学校の案内に従ってください。
まとめ:焦らず「お腹を休める」時間をつくろう
胃腸炎で「何日休む?」と考えるときは、日数よりも、嘔吐が止まっているか、下痢が改善しているか、食事と元気が戻っているかを軸に判断するのがポイントです。とくに再開直後は、体力が完全に戻りきっていないことも多いので、食事量や活動量を少し控えめにして“ぶり返し”を防いであげましょう。
また、家庭内や園・学校に広げないためには、便や嘔吐物の扱いと手洗い、必要な場面での消毒が大切です。お子さんがぐったりする、水分が入らない、尿が少ない、血便や強い腹痛があるなど心配なサインがあれば、無理に様子を見ず早めに相談してください。
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