子どもの花粉症で肌荒れ?花粉皮膚炎の症状と対策を小児科医が解説

花粉の季節になると、鼻水やくしゃみだけでなく「目の周りや頬が赤くカサカサする」「顔がかゆい」といった肌トラブルが増えます。これは花粉が皮膚に触れて起こる花粉皮膚炎(かふんひふえん)かもしれません。乾燥で肌のバリア機能が落ちると悪化しやすいので、外出前の保護、帰宅後の洗顔、すぐの保湿が鍵になります。家庭でできる対策と受診の目安を小児科医の視点で整理します。
Contents
花粉皮膚炎(花粉による肌荒れ)とは?まず知っておきたい特徴
花粉の季節に、目の周りや頬が赤くカサカサしたり、かゆくなったりする場合、鼻水などの症状が軽くても「花粉皮膚炎(かふんひふえん)」が関係していることがあります。花粉が皮膚に付着して刺激になり、アレルギー反応や炎症が起こるイメージです。
特に乾燥しやすい時期は、肌のバリア機能が落ちて反応が出やすくなります。まずは「どんな仕組みで起こるのか」「どこに出やすいのか」「似た症状との違い」を押さえて、対策につなげましょう。
花粉が肌に触れて起こる「皮膚のアレルギー反応」
花粉皮膚炎は、花粉が肌に触れることで、赤み・かゆみ・乾燥などの炎症が起こる状態です。花粉そのものが“毒”というより、肌が弱っているところに花粉やほこりが触れて刺激になり、炎症が起きやすくなるイメージです。
花粉症の体質がある子は反応しやすいこともありますし、アトピー性皮膚炎がある子は、花粉が刺激になって一時的に悪化することもあります。まずは**「肌に付いた花粉を減らす」「肌を守る」ことで症状が軽くなることが多い**です。
出やすい部位:目の周り・頬・首(露出部に集中)
症状が出やすいのは、外気に触れる“露出部”です。特に目の周り、頬、首は、花粉が付着しやすく、こすりやすい場所でもあるため赤くなりやすいです。マスクの縁やメガネが当たる部分が荒れることもあります。
また、鼻をかむ・目をこするなどで摩擦が増えると、赤みやカサカサが強くなることがあります。「顔の一部に集中して荒れる」「外出後に悪化しやすい」といった特徴があれば、花粉の関与を疑って対策を強めると効果が出やすいです。
似ている症状との違い:乾燥肌/アトピー性皮膚炎の一時的悪化
乾燥肌でも春先はカサつきますし、アトピー性皮膚炎のお子さんは季節の変わり目に悪化することがあります。花粉皮膚炎のヒントは、「露出部に集中」「外出や飛散量で上下」「かゆみと赤みが目立つ」といった点です。
ただ、見た目だけで完全に区別するのは難しく、重なっていることもあります。自己判断で強い薬を塗り続けるより、まずは洗顔・保湿・ワセリンなどの“守るケア”を整え、改善しない場合は小児科や皮膚科で相談するのが安心です。
なぜ春に増える?肌のバリア機能低下と悪化のしくみ
花粉皮膚炎が増えやすいのは、花粉が飛ぶ時期と「肌が弱りやすい時期」が重なるからです。冬〜春は乾燥で肌のバリア機能(水分を保ち、刺激を通しにくくする力)が落ちやすく、そこに花粉が付着すると赤みやかゆみが出やすくなります。
さらに、かゆくて触る回数が増えると、摩擦で炎症が強まり、肌荒れが長引きやすくなります。ここでは、悪化の流れを理解して、対策を“効く形”に整えるためのポイントを整理します。
乾燥でバリア機能が落ちると、花粉が刺激になりやすい
肌のバリア機能が保たれていると、外からの刺激(花粉・ほこり・汗など)が入り込みにくく、炎症も起こりにくい状態です。ところが乾燥が続くと、肌がカサつき、目に見えない細かな傷が増え、刺激に敏感になります。
その状態で花粉が付くと、ヒリヒリしたり、赤くなったり、かゆみが強くなったりしやすいのです。つまり「花粉を減らす」だけでなく、「乾燥を減らしてバリアを立て直す(保湿)」が、症状を短くする近道になります。
かゆみ→こする→赤み・湿疹が広がる(掻き壊しの連鎖)
かゆみがあると、子どもは無意識にこすってしまいます。目の周りや頬は皮膚が薄く、こすった刺激で赤みが広がったり、湿疹のようにブツブツが出たりしやすい場所です。さらに掻き壊すと、バリア機能がますます低下して、花粉が刺激になりやすい状態が続いてしまいます。
ここを断ち切るには、「花粉を落とす」「保湿で守る」「かゆみを軽くする(必要なら受診して薬も)」を同時に行うのがポイントです。まずは触りにくい環境づくり(爪を短く、こすらない声かけ)も役立ちます。
鼻水だけじゃない:肌だけ反応が出る子もいる
花粉症というと鼻水やくしゃみ、目のかゆみを思い浮かべますが、子どもでは「肌の赤み・かゆみが目立つ」こともあります。鼻症状が軽いと、花粉が原因だと気づかず、乾燥や体質のせいとして見過ごされがちです。
目安として、春先に繰り返す、外出後に悪化しやすい、目の周りや頬など露出部に出やすい、といった特徴がそろう場合は花粉の影響を疑ってよいでしょう。鼻や目の症状がなくても、肌のケアを先に強化することで楽になるケースは少なくありません。
今日からできる「皮膚向け」花粉対策:付けない→落とす→守る
花粉皮膚炎の対策は、難しいことより「順番」が大事です。花粉が肌に触れる時間を減らし、乾燥で弱った肌を守るだけで、赤みやかゆみが軽くなることがあります。合言葉は、付けない(外出時のガード)→落とす(帰宅後の洗顔)→守る(保湿・ワセリン)です。
特に顔は皮膚が薄く、ゴシゴシ洗いや過剰なケアが逆効果になりやすいので、やさしい手順で続けることが大切です。
外出前:ワセリンの薄塗りで“肌の盾”を作る(塗る場所のコツ)
外出前に、ワセリンを“薄く”塗っておくと、肌表面に膜ができて花粉が直接触れにくくなります。ベタベタに厚塗りする必要はなく、目の周り(目に入らない範囲)や頬、鼻の横、口の周りなど、乾燥しやすい部分にうすく伸ばすのがコツです。
すでに赤みが強い場所は刺激でしみることもあるので、無理せず少量から試しましょう。保湿剤で整えた上にワセリンを重ねると、乾燥対策にもなります。嫌がる場合は、塗る場所を絞って「毎日続けられる形」にするのが一番です。
帰宅後:顔はゴシゴシNG、泡洗顔+ぬるま湯で落とす
帰宅したら、花粉を“早めに落とす”のが効果的です。ポイントは、ゴシゴシこすらないこと。たっぷり泡立てた洗顔料で包み込むように洗い、ぬるま湯でやさしく流します。タオルで拭くときも、こすらず押さえるように水分を取ります。
すぐ入浴できる日は、髪や首の花粉も流せるのでさらに安心です。帰宅後すぐの洗顔が難しい場合でも、まずは目の周りや頬を軽く洗うだけでも違います。「落とす」を早めに入れると、夜のかゆみが減るお子さんも多いです。
入浴後:5分以内に保湿(ローション+クリームの考え方)
洗顔や入浴の後は、肌の水分が蒸発して乾燥しやすいタイミングです。できれば5分以内に、低刺激の保湿剤をたっぷり塗ってバリア機能を立て直しましょう。顔はローションだけだと乾きやすい子もいるので、必要に応じてクリームでフタをします。
保湿剤は「しみない」「続けられる」が最優先です。外出の多い日は、朝と夜の2回を基本に、乾燥が強い部分だけ追加で塗り直すと安定しやすくなります。保湿で落ち着かない場合は、早めに受診して相談してください。
生活で差がつく予防:服・爪・室内環境(肌荒れを繰り返さない)
スキンケアを頑張っても、生活の中で花粉が付き続けたり、掻き壊しが続いたりすると、肌荒れは長引きやすくなります。逆に、服装や室内環境を少し整えるだけで、顔に触れる花粉の量が減り、かゆみの波が小さくなることもあります。
大切なのは“完璧”ではなく「続けられる形」です。ここでは、花粉が付きにくい工夫、掻き壊し予防、乾燥対策の3つに分けて、家庭でできるポイントを整理します。
花粉が付きにくい服素材/帽子・マスクで露出を減らす
花粉は服や髪に付いて家に持ち込まれやすいので、外出時は「付着しにくい」「露出を減らす」工夫が役立ちます。たとえば、表面がつるつるした素材(ナイロンなど)は花粉が付きにくい傾向があります。
帽子で髪への付着を減らし、マスクで頬や口周りの刺激を減らすのも有効です。ただ、マスクがこすれて荒れるお子さんもいるため、その場合は保湿やワセリンで保護したり、素材を変えたりして調整しましょう。帰宅後に上着を玄関で払う、できれば着替えるだけでも、肌への刺激が減りやすくなります。
爪を短く:掻き壊し→とびひ等の二次トラブルを防ぐ
かゆみがあると、子どもは無意識に掻いてしまいます。掻き壊しが続くと、赤みや湿疹が広がるだけでなく、傷から細菌が入って「とびひ(皮膚の感染)」などの二次トラブルにつながることがあります。だからこそ、爪を短く整えるのは地味ですが効果的です。
寝ている間に掻いてしまう子は、寝る前に保湿を厚めにしてかゆみを軽くする、肌着を長袖にして直接掻きにくくするなども役立ちます。まずは“掻き壊しの連鎖を止める”ことを目標にしましょう。
室内は湿度50〜60%目安+掃除の順番(舞い上げない工夫)
室内に花粉が入るのは避けにくいので、乾燥と花粉を増やしすぎない工夫が大切です。目安として湿度50〜60%を保つと、乾燥によるバリア機能低下を防ぎやすくなります(加湿器が難しい場合は、濡れタオルを干すだけでも助けになります)。
掃除は、床に落ちた花粉を舞い上げないように、先にフローリングモップや雑巾で拭いてから掃除機をかけると効果的です。寝具は顔に近いので、花粉シーズンはこまめに洗濯・乾燥して、肌への刺激を減らしてあげましょう。
薬の考え方:市販で様子見?受診で相談?(小児科医の目線)
花粉皮膚炎は、まず「洗顔・保湿・ワセリン」で改善することも多い一方、炎症が強いとスキンケアだけでは追いつかないこともあります。ここで大切なのは、自己判断で強い薬を続けるのではなく、必要なときに必要な治療を短期間で上手に使って“掻き壊しのループ”を止めることです。市販でできる範囲、受診して相談したいサイン、目の症状があるときの考え方を整理します。
保湿剤がしみる=炎症が強いサインかも(外用薬の考え方)
いつもの保湿剤が「しみる」「ヒリヒリして嫌がる」ときは、皮膚の炎症が強く、バリア機能がかなり弱っているサインかもしれません。まずは低刺激の保湿に切り替えたり、洗顔の回数や摩擦を見直したりします。それでも赤みとかゆみが強い場合は、小児科や皮膚科で外用薬(塗り薬)を相談するほうが早く落ち着くことがあります。
特に顔は皮膚が薄いので、薬の強さや塗る期間を医師と一緒に決めるのが安全です。「早く炎症を鎮めて、保湿が効く肌に戻す」という発想が大切です。
かゆみが強い時:飲み薬が必要なケースもある
かゆみが強いと、無意識に掻いてしまい、肌荒れが長引きやすくなります。夜にかゆくて眠れない、日中もずっと触ってしまう、掻き壊しが増える、といった場合は、塗り薬に加えて飲み薬(抗アレルギー薬など)を併用したほうが落ち着きやすいことがあります。
逆に、軽い赤みと乾燥が中心で、かゆみが軽いなら、まずは保湿とワセリン中心で様子を見る選択もできます。判断に迷うときは「睡眠」と「掻き壊し」を目安にして相談すると分かりやすいです。
目の充血・かゆみが強い時:結膜炎の併発も(目のケア)
花粉皮膚炎と一緒に、アレルギー性結膜炎(目のアレルギー)が起きていることもあります。目の充血やかゆみが強いと、こする回数が増えて目の周りの肌荒れも悪化しやすくなります。
そのため、目の症状が目立つときは、目薬の相談も含めて受診するのがおすすめです。家庭では、こすらないよう声かけをしつつ、目の周りは保湿で守り、外出時は花粉が入りにくい工夫(帽子、できればメガネ等)も役立ちます。目やにが増える、痛がる場合は早めに相談してください。
受診の目安:小児科・皮膚科に相談したいサイン
花粉皮膚炎は、洗顔・保湿・ワセリンなどのケアで落ち着くことも多い一方、掻き壊しが進むと悪化のループに入りやすいのが特徴です。「家で頑張れば治るのか」「薬が必要なのか」で迷ったときは、早めに相談して短期間で炎症を落ち着かせた方が、結果的に回復が早いこともあります。ここでは、受診をおすすめしたいサインと、どこに相談するとよいかを整理します。
掻き壊してジュクジュク/かさぶたが増える
掻き壊しが進んで、ジュクジュクする、黄色いかさぶたが増える、じゅくじゅくした部分が広がる場合は、炎症が強いか、二次トラブル(とびひ等)も疑う場面です。こうなると保湿だけでは追いつきにくく、塗り薬や、場合によっては飲み薬が必要になります。
子どもは眠っている間に掻いてしまうことも多いので、見た目が一気に悪化しやすいのがポイントです。「悪化の波に入った」と感じたら、早めに小児科・皮膚科へ相談して、掻き壊しの連鎖を止めましょう。
顔の赤みが広がる・腫れる・痛がる(ヒリヒリが強い)
赤みが広がる、腫れぼったい、触ると痛がる、ヒリヒリが強くて洗顔や保湿を嫌がる場合は、皮膚の炎症が強いサインです。無理に洗う回数を増やすと、摩擦でさらに悪化することがあるため、ケアを一度シンプルにして、受診で相談するのがおすすめです。
また、目の周りの腫れや充血が目立つときは、結膜炎の併発もあり得ます。症状が強いほど、自己判断より医師と「短期間で落ち着かせる作戦」を立てた方が安心です。
何日も改善しない/毎年同じ時期に繰り返す
ケアを続けているのに数日たっても改善が乏しい、むしろ悪化する、毎年春先に同じ場所(目の周り・頬・首など)が荒れる、という場合は、花粉の影響が強い可能性があります。こうしたタイプは、シーズン中だけ“先回りのケア”を入れると楽になることが多いです。
たとえば外出前のワセリンや、帰宅後の洗顔、保湿のタイミングを整えることに加えて、必要なら薬も含めて相談します。まずは小児科でも皮膚科でもよいので、「毎年のパターン」を伝えると話が早いです。
よくある質問
Q鼻水がなくても、花粉で肌荒れしますか?
Aします。露出部(目の周り・頬・首)が春先に赤くかゆい、外出後に悪化しやすい場合は花粉皮膚炎のことがあります。まず洗顔・保湿を強化しましょう。
Qワセリンは毎日塗っていい?ベタつきます
A毎日でOKです。厚塗りより“薄く膜を作る”のがコツ。頬や目の周り(目に入らない範囲)に薄く伸ばし、帰宅後はやさしく洗って落としましょう。
Q洗顔は1日何回がいい?
A基本は帰宅後1回+入浴時で十分です。増やしすぎると乾燥して悪化することも。泡で包んで洗い、ぬるま湯で流して、拭く時はこすらず押さえます。
Q保湿剤がしみる時はどうする?
A炎症が強いサインかもしれません。洗う回数と摩擦を減らし、低刺激の保湿に切り替えましょう。それでもしみる・赤みが強い時は早めに小児科/皮膚科へ。
Qマスクで頬が荒れます
A摩擦と蒸れで悪化しやすいです。マスクが当たる部分を保湿・ワセリンで保護し、サイズや素材を見直します。汗をかいたらやさしく拭き、帰宅後は洗顔と保湿で整えましょう。
Q花粉皮膚炎はいつまで続く?
A飛散が多い時期に悪化しやすく、ケアで波を小さくできます。毎年繰り返す、掻き壊しが止まらない、ジュクジュクする時は薬の力も借りた方が早く落ち着きます。
まとめ:肌のバリアを整えると、春のつらさが軽くなる
子どもの花粉症では、鼻水やくしゃみだけでなく、目の周りや頬が赤くカサカサする・かゆいといった「花粉皮膚炎(かふんひふえん)」が起こることがあります。ポイントは、肌が乾燥してバリア機能が落ちたところに花粉が付着し、かゆみ→こする→さらに荒れる、という流れを早めに止めることです。
対策は難しくなく、付けない(外出前ワセリン・露出を減らす)→落とす(帰宅後のやさしい洗顔)→守る(入浴後5分以内の保湿)を続けるだけでも、症状が軽くなることがあります。掻き壊してジュクジュクする、保湿がしみる、赤みが広がる、目の充血が強いときは、早めに小児科・皮膚科で相談して、悪化のループを短期間で断ち切りましょう。
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