花粉症・アレルギー

子どもの花粉症で咳が止まらない?原因(後鼻漏・気道のアレルギー・喘息)と受診目安を小児科医が解説

子どもの花粉症で咳が止まらない?原因(後鼻漏・気道のアレルギー・喘息)と受診目安を小児科医が解説
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子どもが花粉症の時期に咳が続くと、「風邪かな?」「喘息(ぜんそく)になった?」と不安になりますよね。花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)では、鼻水が喉へ回る後鼻漏(こうびろう)や、気道(空気の通り道)のアレルギー反応で咳が出ることがあります。さらに、花粉をきっかけに喘息が誘発されることも。ご家庭でできる見分け方と対処法、受診の目安を落ち着いて整理します。

花粉症なのに「咳」が出るのはなぜ?(主な原因を整理)

花粉症といえば、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみを思い浮かべる方が多いと思います。でも実は、子どもでは「咳が長引く」「夜に咳き込んで眠れない」といった呼吸の症状が目立つこともあります。

咳が出る背景は1つとは限らず、鼻水が喉に落ちて起こる場合もあれば、気道(空気の通り道)が敏感になっている場合、花粉が引き金で喘息(ぜんそく)が誘発される場合もあります。ここでは原因を3つに分けて整理し、受診の判断がしやすくなる形でお伝えします。

鼻水が喉に回る「後鼻漏(こうびろう)」で咳が出る

花粉症で鼻水がたくさん出ると、その鼻水が喉の奥へ垂れ落ちることがあります。これが後鼻漏(こうびろう)で、喉が刺激されて咳が出ます。特徴としては、寝入りばな・寝起き・体勢を変えた時に咳が増えやすく、喉がゴロゴロする感じがあったり、湿った咳になりやすいことがあります。

見た目だけでわかりにくいこともあり、鼻の症状が強い時期に咳も一緒に悪化しているなら、まず後鼻漏の可能性を考えてみましょう。

気道(空気の通り道)のアレルギー反応で乾いた咳が続く

鼻だけでなく、気道そのものが花粉に反応して敏感になり、咳が続くことがあります。いわゆる「アレルギー性気管支炎」と呼ばれることもあり、乾いたコンコンという咳が続きやすいのが特徴です。

熱は出ないことが多く、鼻水や目のかゆみなどの花粉症症状と一緒に悪化しやすい傾向があります。とくに空気が乾燥している日や、屋外で花粉を浴びた後に咳が増える場合はヒントになります。咳が長引くと体力も消耗するので、「花粉症だから仕方ない」と我慢しすぎず、つらい時は早めに相談しましょう。

花粉が引き金で喘息(ぜんそく)が誘発されることがある

もともと気管支が弱い子や、喘息(ぜんそく)の体質がある子では、花粉が引き金(トリガー)となって喘息の症状が出ることがあります。夜中〜明け方に咳がひどくなる、咳に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が混ざる、息をするのが苦しそう、といった様子がある時は注意が必要です。

喘息は、適切な治療(吸入など)を始めると楽になることが多いので、疑わしいサインがある場合は早めに医師に相談してください。呼吸が苦しそうな時は、家庭で様子見を続けないことが大切です。

花粉症(アレルギー性鼻炎)の咳と、風邪(感染症)の咳の見分け方

子どもの咳が続くとき、保護者の方がいちばん悩むのは「これって花粉症?それとも風邪?」という点だと思います。花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は、花粉を吸い込むことで起こるアレルギー反応で、症状は花粉が飛ぶ期間に合わせて続きやすいのが特徴です。

一方、風邪(感染症)はウイルスなどの感染で起こり、発熱やのどの痛みを伴うことがあります。ここでは、見分けのヒントを3つにしぼって、落ち着いて判断できるよう整理します。

目のかゆみ・くしゃみ・鼻水の特徴で見分ける

花粉症では、目のかゆみが出たり、くしゃみが連発したり、透明でサラサラした鼻水が続くことが多いです。鼻づまりが強くなると、口呼吸になって喉が乾き、咳が出やすくなることもあります。

一方、風邪では目のかゆみは基本的に少なく、鼻水が黄色〜緑っぽく粘り気が出てくることがあります。ただし、風邪の初期は透明な鼻水のこともあるため、色だけで決めつけないことも大切です。「目の症状があるか」「くしゃみが目立つか」も合わせて見ていきましょう。

熱(発熱)がある/ないは重要なヒント

発熱は、大きなヒントになります。花粉症そのものはアレルギー反応なので、基本的に熱は出ないことが多いです。そのため、咳に加えて発熱がある場合は、風邪などの感染症が重なっている可能性をまず考えます。

とはいえ、花粉症で鼻づまりが強い時期に風邪をひくこともあり、「花粉症+感染症」ということも珍しくありません。熱があるかどうかだけでなく、元気や食欲、水分がとれているかも一緒に確認してください。つらそうな時は早めに受診して見通しを立てると安心です。

症状が続く期間で判断する

症状が続く期間も、判断材料になります。花粉症は花粉が飛んでいる間(数週間〜)続きやすく、「外に出た日や風が強い日に悪化しやすい」「毎年同じ季節に出る」といった特徴があることもあります。

一方、風邪は多くの場合1週間程度でピークを越えて改善していきます。ただし、咳だけが長引くこともあり、途中で別の感染症が重なることもあります。「1週間以上咳が続く」「夜の咳で眠れない」「息が苦しそう」といった場合は、花粉症だけと決めつけず医師に相談するのがおすすめです。

見分けのヒント 花粉症(アレルギー)で多い 風邪(感染症)で多い
目の症状 かゆみが出やすい 基本的に少ない
鼻水 透明でサラサラが続く 黄色〜緑で粘ることがある
発熱 ないことが多い 出ることがある
続く期間 花粉の時期に合わせて長引く 1週間程度で改善しやすい

こんな咳は注意:早めに受診したいサイン(小児科・耳鼻科)

花粉症の時期に咳が続くと、「花粉が落ち着くまで待てばいいのかな」と様子を見たくなることもありますよね。ですが、子どもの咳は体力を消耗しやすく、睡眠不足が続くと日中の元気や食欲にも影響します。

また、花粉症と思っていたら風邪などの感染症が重なっていたり、喘息(ぜんそく)が隠れていたりすることもあります。ここでは「いま受診したほうがいいサイン」を、見落としにくい形で整理します。

夜眠れないほど咳き込み、生活に支障がある

夜に咳き込みが続いて眠れないと、子どもは体力を大きく消耗します。睡眠が足りないと、昼間にぼんやりしたり機嫌が悪くなったりして、園や学校生活に支障が出ることもあります。

夜間の咳は、後鼻漏(こうびろう)や気道の過敏(敏感になっている状態)、喘息のいずれでも起こり得ます。「数日続いている」「だんだん強くなる」「寝ると悪化する」場合は、我慢させず受診して原因を整理してもらうと安心です。

呼吸が苦しそう/ゼーゼー・ヒューヒューがある(喘息の可能性)

呼吸が苦しそうな様子がある時は、花粉症だけと決めつけないことが大切です。肩を上下させて息をする(肩呼吸)、小鼻が膨らむ、胸やみぞおちがペコペコへこむ、息を吐くときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がする、といったサインは、喘息(ぜんそく)や気管支の強い炎症が疑われます。

こういう時は家庭で様子見を続けず、早めに受診してください。「いつもと違う」「息がしんどそう」と感じた時点で相談するのが安全です。

痰(たん)や鼻水の状態が変わる、熱が続く

花粉症がベースにあっても、途中で風邪などの感染症が重なることがあります。目安として、鼻水が透明から黄色〜緑っぽく変わって粘りが出てきた、痰(たん)が増えた、発熱が出た・続く、のどの痛みが強い、といった変化がある時は要注意です。ぐったりしている、水分がとれない、尿(おしっこ)が少ないなどがあれば早めに受診して全身状態も確認してもらいましょう。

市販薬を使っても改善しない/悪化する

市販薬を使っても3日ほどで改善が見られない場合は、薬が合っていないか、そもそも原因が違う可能性があります。たとえば後鼻漏が強いのに咳止めだけを使っている、喘息が関係しているのに吸入などの治療が必要、といったケースです。

また、花粉症用の薬と咳止め薬は、自己判断での併用が難しいこともあります。咳が続く・悪化する時は、薬を足していくより、いったん受診して原因を整理するのが安全です。

お家でできる対処法(受診までに少し楽にする工夫)

花粉症の咳は、原因が「鼻水が喉に落ちる刺激(後鼻漏)」なのか、「気道が敏感になっている」なのかで、楽になる工夫が少し変わります。ただ、どちらの場合でも共通して大切なのは、鼻と喉を乾燥させず、花粉をできるだけ体に入れないことです。ご家庭のケアは、治療の代わりというより「つらさを減らして回復を助ける」役割だと考えてください。

鼻水をこまめにケアして後鼻漏を減らす(鼻吸い器など)

後鼻漏が疑われる時は、鼻の中にたまった鼻水を減らすことが、咳を軽くする近道になります。小さい子で鼻がうまくかめない場合は、市販の鼻吸い器を使って、こまめに鼻をスッキリさせてあげましょう。

寝る前に鼻の通りをよくしておくと、寝入りばなの咳き込みが楽になることもあります。強く吸いすぎたり、痛がるのに無理に続けたりすると負担になるので、短時間でやさしく行うのがポイントです。

加湿(目安50〜60%)と水分で気道を守る

空気が乾燥すると、喉や気道の粘膜(ねんまく:うるおいのある内側の膜)が刺激に弱くなり、咳が出やすくなります。加湿器を使ったり、室内に洗濯物を干したりして、湿度は50〜60%を目安に保てるとよいでしょう。

あわせて、水分をこまめにとることで喉がうるおい、痰(たん)が出しやすくなります。咳が強くて飲めない、呼吸が苦しそうな場合は、家庭ケアだけで頑張らず受診してください。

花粉を家に入れない工夫(手洗い・うがい・衣類の花粉対策)

花粉症の症状を抑えるには、花粉に触れる量を減らすことが大切です。外出時はマスクやメガネを活用し、衣類は花粉が付きにくい素材(つるっとした上着など)を選ぶと楽になります。

帰宅時は家に入る前に服を軽く払ってから、手洗い・うがい・洗顔を行い、顔や口の周りの花粉を落とすのがおすすめです。「全部やらなきゃ」と頑張りすぎなくて大丈夫なので、まずは“帰宅後の一連の流れ”だけでも習慣にしてみてくださいね。

治療の考え方(医療機関で相談できること)

花粉症の咳は、家庭ケアだけで楽になることもありますが、つらさが続く場合は医療機関で原因を整理してもらうのが安心です。ポイントは「咳=咳止め」と決めつけないこと。

後鼻漏(こうびろう)が中心なら鼻の治療が重要ですし、気道のアレルギー反応が強いなら抗アレルギー薬が役立つことがあります。さらに喘息(ぜんそく)が疑われる場合は、吸入などの適切な治療が必要です。

抗アレルギー薬など、症状に合わせた治療の選択肢

医療機関では、花粉症(アレルギー性鼻炎)の症状の強さや年齢に合わせて、抗アレルギー薬などの治療を相談できます。鼻水や鼻づまりが強い場合は、鼻の症状をしっかり抑えることで後鼻漏が減り、咳が楽になることがあります。

「鼻がつらいのに、咳だけ目立つ」という子もいるので、鼻の症状も一緒に伝えるのが大切です。市販薬でうまくいかないときも、年齢や体重に合った薬を選んでもらえるのは大きなメリットです。副作用(眠気など)が心配な場合も、遠慮なく相談して大丈夫ですよ。

喘息が疑われるときの対応(吸入など)と注意点

ゼーゼー・ヒューヒューがある、夜〜明け方に咳が悪化する、運動で咳が出るなどがある場合は、喘息が関係していることがあります。喘息では、気道が狭くなって息が出にくくなるため、吸入(気管支を広げる治療など)で楽になることが多いです。

逆に、喘息があるのに花粉症だけの治療にとどまると、咳が長引くこともあります。呼吸が苦しそうな時は、家庭で様子見を続けないことが大切です。

受診時に医師へ伝えるとよいポイント(症状・熱・呼吸・いつから)

診察をスムーズにするために、受診時は次の点を伝えると役立ちます。「いつから咳が出るか」「夜に悪化するか」「鼻水(透明か、粘るか)」「痰(たん)があるか」「発熱があるか」「ゼーゼー・ヒューヒューがあるか」「家族や園で風邪が流行しているか」などです。

花粉症が疑われる場合は「毎年同じ季節に出るか」「外に出た日に悪化しやすいか」もヒントになります。メモにして持っていくと伝え忘れが減り、診断や治療方針が決めやすくなります。


よくある質問

  • Q花粉症で咳だけ出ることはありますか?

    A頻度は少ないですがあります。後鼻漏(鼻水が喉に回る)や気道のアレルギー反応で、鼻より咳が目立つ子もいます。目のかゆみや透明な鼻水が続く時は花粉症も疑います。

  • Q熱があるときも花粉症が原因の可能性はありますか?

    A花粉症だけで発熱することは多くありません。熱がある場合は風邪などの感染症が重なっている可能性を考え、元気や水分、呼吸の様子も含めて受診を検討しましょう。

  • Q夜の咳が止まらないとき、まず家庭でできることは?

    A鼻づまりや後鼻漏があると夜に悪化しやすいので、寝る前に鼻をケアし、加湿(目安50〜60%)と水分で喉を守りましょう。息苦しさがあれば受診を。

  • Qゼーゼー・ヒューヒューがある咳は、喘息の可能性がありますか?

    A可能性があります。夜〜明け方に悪化する、呼吸が苦しそう、肩呼吸がある場合は喘息の治療(吸入など)が必要なことも。早めに医師に相談してください。

  • Q咳が続くとき、耳鼻科と小児科はどちらを受診すればいいですか?

    A鼻水・鼻づまりが強い、後鼻漏が疑わしい時は耳鼻科も有効です。発熱や全身の不調がある、喘息が心配な時は小児科が安心。迷う時は相談しやすい方でOKです。

  • Q市販薬は使ってもいい?併用で気をつけることは?

    A使う前に年齢表示を確認し、薬剤師に相談しましょう。花粉症薬と咳止めは併用できない場合があります。3日ほどで改善しない、悪化する時は受診がおすすめです。


まとめ:子どもの「花粉症の咳」で焦らないために

子どもの花粉症の時期に咳が止まらないと、「風邪なのか」「喘息(ぜんそく)なのか」と不安になりますよね。花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)でも、鼻水が喉に回る後鼻漏(こうびろう)や、気道(空気の通り道)のアレルギー反応で咳が続くことがあります。さらに、花粉が引き金となって喘息が誘発されることもあるため、咳の出方を落ち着いて観察することが大切です。

特に、夜眠れないほど咳き込む、呼吸が苦しそう、ゼーゼー・ヒューヒュー音がする、発熱が続く、元気や水分が取れない、市販薬で改善しないといった場合は、家庭で頑張りすぎず早めに小児科や耳鼻咽喉科(耳鼻科)に相談してください。受診までの間は、鼻のケア、加湿(目安50〜60%)と水分、花粉を家に入れない工夫が助けになります。

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監修
先生 風間 尚子
風間 尚子先生
小児科専門医
現在、日本赤十字社医療センター非常勤医・ミル訪問クリニック・吉原医院に勤務。小児科専門医、PALS(小児二次救命処置)インストラクターとして救急対応にも精通。

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